職業・殺し屋。(職・殺。)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

2000年から連載された西川秀明の漫画。そのあまりのグロテスクさとエロティックさに話題になり、「殺人の権利を“逆”オークションで競り落とす」という設定も奇抜ゆえ、人気を博した。職業として殺し屋を営んでいる人々がどのような殺人を行うのかを描いたストーリー。2014年、『職業・殺し屋』全15巻、『新 職業・殺し屋。斬 ZAN』全5巻をもって終了した。

『職業・殺し屋。』のあらすじ・ストーリー

それを望むものだけが飽きることなくクリックし続けた先に存在するというホームページ「職業・殺し屋。」。
依頼者は持てるだけのお金を予算として出し、殺人依頼をする。
それを見たメンバーが逆オークションでどんどん値段を下げていき、一番安値をつけた人間がその殺人権利を獲得することになる。
ただでさえなければいくらでも安値をつけていいため、1円などで競り落とす者もいる。
ホームページに集う「職業・殺し屋。」のメンバーは普段は会社員や主婦などをしているが、どこかが破綻していてそれを補うために卑しい「殺し屋」という職業に身を置いている。
主人公の志賀了は、昼は普通のサラリーマン。
だが夜になると、昼間の顔とは別の「殺し屋」としての顔になる。
ホームページ「職業・殺し屋。」で知り合った仲間と悪人を安い値段で殺している。
スナッフビデオの撮影者、カルト宗教の教祖、警察のための警察組織「お犬番」などを相手に、次々とターゲットを殺していく。

「職業・殺し屋。」のメンバー

志賀了(しがりょう)

殺し屋名は「イカれた銀髪の蜘蛛」。
普段は山谷設備という会社で営業マンをしている。
ぼーっとしていて頼りない日常生活の顔とは裏腹に、殺しでは冷酷無比な表情を見せる。
殺人を犯す時には髪の毛が銀髪に変色し、顔と腕にタトゥーが浮かび上がる。
使用する道具は「蜘蛛の糸」と呼ばれる、細い剣がロールになって収まっている特殊武器。
これでターゲットを輪切りにするのが快感。
殺人することで快感が絶頂に達するため、普通の性行為では満足できない。
だが、蟷螂や小夜子とは別で、蟷螂とは殺意をぶつけ合うことで、小夜子とは「太陽の息吹」によって性交可能。また、自分に殺意を向けてくる人間とも行為が可能である。
妻子を自分で殺したことを「忘れる」ために人を殺す。
「職業・殺し屋。」ではナンバーワンの実力者。

鞍馬めぐみ(くらまめぐみ)

殺し屋名は「蟷螂(マンティス)」。
昼間は山谷設備の経理をしている。
普段はほわほわしたOLだが、殺しになると豹変。毒舌で下品になる。
蜘蛛と同じく殺人により性的衝動を解放している。
極度のニンフォマニア(淫乱)で、殺さないと絶頂しない体だったが、蜘蛛(志賀)とは別で、殺気をぶつけ合うことにより絶頂が可能。
武器は手袋と一体化した小型の釜と足に仕込んだナイフ。
過去サーカスで鍛えた技を駆使してターゲットを斬り殺す。
「職業・殺し屋」ではナンバー2の実力。

小夜子(さよこ)

「職業・殺し屋」で依頼を受け壊滅させたカルト宗教教団に属しており、教祖の娘で内通者でもあった。
自らも死にたいと蜘蛛に訴えたところ、一笑に付されて「自殺者には手を貸さない」と言われてしまう。
教団の犠牲になった人生の「松田小夜子」としてではなく、ただの「小夜子」として生きていくため「職業・殺し屋」に入る。
「太陽の息吹」と呼ばれる治癒能力を持っていて、他人のひどい怪我や病気などを治すことができるが、それにはかなりの体力を消耗する。
その能力と引き換えに、成長のとまった幼いからだと盲目を持つ。
登録名は「卑し姫」。

詩織(しおり)

殺し屋名は「死織」。
エリートサラリーマンの夫と、「良い子」の息子がいる主婦。
二人目を作るために日々夫とは仲良くしていて、家庭環境は良好。
惨殺専門の殺し屋で、ターゲットを生きたまま電動ノコギリなどで切り刻み、大きな鍋で煮込んでシチューにしてしまう。
中村とは仕事を目撃された関係で知り合い、無事「良い子」になるため毎日食事を作って届け、中村が殺人を完遂して「良い子」になったのを見届けると、後ろの方を「ご褒美」として差し出した。
それ以来不倫関係だが、中村とは後ろでしかしないのであくまでご褒美だと言い張っている。

中村忠(なかむらただし)

殺し屋名は「モンド」。
不眠症で悩まされている最中にふらりと立ち寄った廃墟で詩織の「料理」を見てしまう。
その後詩織に殺されそうになるが、「僕はいい子です!」と言い張り、「ではいい子の証に殺人をして」と「職業・殺し屋」に入る。
初めての殺人の後、そのカタルシスで熟睡できたことをきっかけに、詩織のサポートとして殺人に精を出す。

Mr.AA(ミスターエーエー)

逆オークションで毎回1円という安値をつけて殺人権を競り落としている、誰も姿を知らない殺し屋。
知り合った風俗嬢の家を転々として、ノートパソコンとデジカメとケータイだけを持って暮らしている。
女性には天性のジゴロと呼ばれるが、その顔も年齢も本編では明らかにならない。
「殺すなら悪がいい」という信条がある。

You(ユー)

本来は「あゆみ」という女性だが、過去に受けた虐待が元で3つの人格が生まれ、そのうちのひとつがこの人格。
人を殺すために生まれた人格のため、身体能力も頭脳も人並み以上だが、活動時間が1時間と短く、その後他の人格も6時間の完全な眠りに入るため、かならずヘルプが必要。
他の人格に「一郎」「エミ」がいる。

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