天外魔境II 卍MARU(MANJI MARU)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

天外魔境2とはPCエンジン用ソフトとして発売されたロールプレイングゲームである。その後、様々な媒体でリメイクされている。
架空の国「ジパング」を舞台に、宿敵「根の一族」の陰謀を阻止するために、「火の一族」の末裔、「戦国卍丸」が各地に散らばった暗黒ランを切り、仲間とともに悪神「ヨミ」に立ち向かう。

『天外魔境II 卍MARU』の概要

「天外魔境 ZIRIA」の発売から3年たった1992年3月26日にPCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフトとして発売される。前作同様、アニメーションシーンがふんだんに使われ、当時としては画期的だった。
音楽監督は久石譲であり、数曲は久石譲作曲のオーケストラ演奏の曲もある。
キャッチコピーは「我が道に敵なし」。
発売当時は、30分に一度は大きなイベントが発生するというふれこみで宣伝していた。
その後、2003年PlayStation2とニンテンドーゲームキューブ、2006年にはニンテンドーDSでリメイクされたほか、2008年にはPSPにて「天外魔境コレクション」にて収録されている。2011年にはゲームアーカイブスにて配信される。

『天外魔境II 卍MARU』のあらすじ・ストーリー

遙か昔、宇宙の果てにて「宇宙の創造主」が、「マリ」と「ヨミ」を生み出した。そして創造主は二人に「何者にも屈せず、強く新しい命を生み、育みなさい」と指名を与え旅立たせる。
マリとヨミはやがて青く美しい星に降り立った。

時は流れ、遠く東の果てに「ジパング」という国があった。四季折々の綺麗な国であり、その一つに火多の国の一つ白川村に一人のガキ大将がいた。名前を卍丸という。
15歳になったある日、卍丸の元に村の男衆がやってくる。どうやら卍丸の仕掛けたいたずらに我慢の限界を超え、怒鳴りにやってきたのだ。母親のお春は適当に男衆をあしらい、卍丸を外に逃がす。
その間、卍丸は子分達をつれて白川村にほど近い高山村の祭にやってきた。

卍丸は高山村の子分に席をとってもらう。町の衆、外から来た人たち、みんなが祭を楽しみにしていた。そして祭が始まる。山車、御輿は予想を上回るようなきらびやかさだった。
そのときだった。晴れた空が一気に曇る。そして地面を割る亀裂。メキメキと地面から生えてきたのは、赤い鬼の顔をした巨大な植物のランだった。そのツタはうねうねとうごめき、人々を襲っていく。
そしてそのランの花の口の中から、3匹の魔物「死神兄弟」を名乗り、宿の中にいる卍丸を呼びだす。
その魔物達は、卍丸の母親と高山の人たちをを誘拐したのだという。返して欲しくば、村のはずれにある両面窟へこいと言い残し彼らは去っていった。

苦心の末、死神兄弟のうち「キバ王」を打ち倒し、卍丸は母とともに家路につく。そして母はこの国でなにが起こっているのか、ゆっくりと語り出した。

1000年前、出雲の国という小国にある「根の一族」といわれる民族が、ジパングの征服を企み悪神「ヨミ」を蘇らせようとした。そのためには人の生気が必要であり、その生気を吸い取るために7本の巨大な「暗黒ラン」を植えた。それが今もまだ高山に咲いている巨大な植物である。
その暗黒ランを切るために、7人の若者が立ち上がった。彼らは「火の一族」「火の勇者」と呼ばれ、ヨミと対をなす神「マリ」の加護をうけたもの達だった。彼らはマリの加護を受けた聖域にて命を削り暗黒ランを切るための聖剣を作ったのである。それが唯一ヨミの成長を止めるため、暗黒ランを切る武器だったからだ。
7人は見事に全ての暗黒ランを打ち取り、聖剣とともに暗黒ランは地中深く封印され、火の一族の血も絶えたように見せた。
しかし、火の一族はまだ現存していた。その火の一族の末裔が、卍丸の父親だった。父は根の一族に殺されたのだという。母はそれを知っており、卍丸を危険な戦いに送りたくなかった。
「でもあなたは父さんの子…。」とつぶやき、母は父の形見である剣と陣羽織を卍丸に差し出した。
そして「どうせだったら、ジパング一のガキ大将になって返ってきてらっしゃい。」といって母は、卍丸を見送ったのだった

尾張の国にて、火の一族の末裔である「カブキ団十郎」と出会う。火の一族として得したことなんか一度もないと言い放ったカブキは、卍丸に手を貸す気はさらさらなく、ただ自分が火の一族として目立ちたいだけだった。
しかし、卍丸が「鬼骨城」の死神兄弟が合体した「死神将軍」を打ち倒したあと、聖剣を取り戻した。すると聖剣の中に封じられている1000年前の火の勇者の魂が卍丸の心の中に語りかけてくる。彼は「紅丸」といい、1000年前、火の勇者として戦った一人であった。紅丸は卍丸に彼の編み出した「紅丸斬」を卍丸に託す。そして卍丸は聖剣とともに高山村の暗黒ランを切ることに成功する。そして卍丸は暗黒ランの根が無くなったことで行けるようになった伊勢の国の手前で、卍丸の後を追ってきたカブキから怒鳴られてしまう。彼は自分を取り巻いていた女性達が全て卍丸になびいてしまったことに腹を立て、石ころと宝石が並んでいればみんなの価値がわかるだろうと無理矢理仲間になってしまう。
伊勢の国に渡り、派手好きな根の一族の「菊五郎」が城主の「密林城」を撃破し、伊勢神宮にあった2本目の暗黒ランを切った卍丸達は京の国を通り、近江の国の西側のルートから琵琶湖をわたり、越前に乗り込んだ。
しかし越前の国のお殿様が、暗黒ランを切ったものの顔を城の隣にある山に彫る」と言い放ったことから、カブキは卍丸と一緒に彫られるのは嫌だと言い出し、一人で行動するため卍丸と別れてしまう。

そして越中の国にて、人魚の国に1000年監禁されていた「極楽太郎」と出会う。極楽も、1000年前に火の勇者として戦った一人だった。しかし、彼は人魚の恋人であり予知能力のある「千代」に「あなたは1000年生きるべきだ」と言われ、人魚が死ぬ間際に流すという人魚の涙を飲んだのだという。それは人間の命を1000年伸ばす効能があったのだ。
しかしそのため千代は死に、人魚の涙を飲んだという重罪を犯した極楽は、そのほとんどを人魚の国にて魔法をかけられた檻に閉じこめられていたのである。
そしてその1000年後、極楽は千代の「1000年生き、火の一族として戦う」と言った通り1000年後、卍丸の手を借りてその檻を出ることになる。
卍丸と極楽は、越中のヨミが自ら改造したという根の一族である「はまぐり姫」が城主の「幻夢城」を攻略すると越前に戻り3本目の暗黒ランを切る。

暗黒ランの根が無くなった京の国から、近江の琵琶湖を挟んで東側のルートでやってきた卍丸達は、ある少女の噂を聞く。火の一族の母と鬼族の首領であった酒天童子の子供である「絹」という娘だった。
近江山の中に鬼の村があり、その中にひっそりとすんでいるのだという。そこは根の一族に滅ぼされ、荒れ果てた状態だった。
絹は卍丸と出会うことを予知していた。だが彼女は父と母が死んだ日、「誰もこの手で傷つけない」と墓前に誓ったのだという。
そして彼女は卍丸達に比叡山から取ってきてもらった「純血の鎖」という、着けてしまうと一切攻撃ができない鎖で自分の両腕を縛り、彼女と一緒に育ったという犬のシロと一緒に卍丸達の仲間になる。

隣の国因幡の国まで行くのに、暗黒ランの根があって行けなかった。しかし絹が昔、父親の力で「天橋立」より鬼の力を用いて天に光の橋を作りそこから因幡の国へ渡っていたことを思い出す。自分ではやったことがないし、自信がないという絹。しかし卍丸達は絹を信じ、その力を用いて天橋立より因幡の国に入ることに成功する。
因幡の国では1000年前の4人の火の勇者の魂が、霊魂になり卍丸達を助け砂神城に行くまでの流砂を見事に乗り切りる。そして根の一族の城である「砂神城」の夫婦「マダム・バーバラ」と「デューク・ペペ」と戦闘する。そのうち妻のマダム・バーバラを打ち倒した。しかし夫婦のうち夫のデューク・ぺぺは戦闘中に逃げ切り、再び卍丸達の前に姿を現すことになる。

出雲の国に入った卍丸達は、出雲の国にある離れ小島にある「出雲大社」に暗黒ランが2本咲いていることを知る。
そして出雲の国から石見の国に抜ける洞窟「縁切洞」にて根の一族である「暗闇情」城主「地獄釜のニック」の手によってシロが連れ去られてしまう。しかし絹は自分の持つ予知能力から「シロは2度、私たちを助けてくれる」と言う言葉を残す。
犬神寺にてシロと対峙する。しかしシロはニックによって洗脳されていて卍丸達に襲い掛かってくる。シロを倒したとしても、シロの後ろには100体もの1000年前の火の一族の遺産である土偶ロボが襲い掛かるようにしてあった。
絶体絶命のピンチだった。しかしシロの前にシロがつけていた首輪を差し出すとシロは正気を取り戻す。そしてシロは100体の土偶ロボの中につっこみ自分の命と引き替えに、卍丸達を助けたのだった。

ジパングで2番目に広い洞窟を抜け、暗闇城にて「地獄釜のニック」と対峙。ニックから3人は豚に変えられてしまう。そのピンチを救ったのはカブキだった。そして4人でニックを撃破することに成功する。
そのあと、国引の弓綱と国引の長綱を使い、4人で小島を引き寄せることに成功し出雲大社に向かう。
出雲大社の地下には根の国があった。そこには根の戦士になり損ねた弱い根の一族がいた。彼らは生気だけを暗黒ランに吸い取られ、ゆっくりと死を待っていた。彼らはヨミに作られた生命体であったが、その心情は複雑だった。
ヨミはマリとともに宇宙の創造主から命じられた「何者にも屈せず、強く新しい命を、育む」という使命を抱えていた。しかし、双方の意見の食い違いからマリとヨミはそれぞれ「火の一族」「根の一族」と違う生命体を作り、それは争うことに発展していったと語る。ヨミが復活することは根の一族の望みではあった。しかし、そのために彼らが死ぬというのは、なんのために生まれてきたのかと自問自答することにつながっていた。
彼らは暗黒ランを切れば死ぬ。それを知って上でも卍丸はそこに住む人たちのために暗黒ランを切らないといけない。
出雲大社に卍丸は入り、そして4、5本目の暗黒ランを一気に切ることに成功した。

暗黒ランの根が無くなった石見の国へ向かった卍丸達は、因幡の国にて戦闘の途中に逃亡した「デューク・ぺぺ」にしつこく戦いを申し込まれる。
そして石見の国唯一の村「鹿の子村」にて京都の貧民街で出会った「ホテイ丸」が仲間になる。
そして一行は、波華の国にはいる。
紀伊の国でも世話になったイヒカの民に再び世話になり、海の中にある「魔海城」に入ることに成功し、根の一族である城主「右のガーニン」を撃破する。そして住吉大社にある6本目の暗黒ランを切ることに成功した。
そのときだった。

戦闘中に逃げだした裏切り者として根の一族にとらわれていた「デューク・ぺぺ」が空に浮かぶ「鋼鉄城」の城主になって卍丸の前に現れたのだ。ホテイ丸を人質に取られ、卍丸達は鋼鉄城の中に入る。
人間としての生活を捨ててまで、卍丸に勝つことだけを考えていたデューク・ぺぺだったがあえなく撃沈してしまう。
そして助けたホテイ丸は、鋼鉄城の中をうろうろしていたおかげでその操作を理解し、卍丸達の足になると申し出たのだ。
これで卍丸達は、国のどこでも行けるようになったと思われたのだった。

吉備の国に入った卍丸達は、行く村々で「絹」に似た女性がいたと口々に言った。その真相を確かめるべく、卍丸達は鬼の村である矢喰城へ向かう。
そこには根の一族に捕まっていた絹の母「綾」の姿があった。絹は思い詰めて、根の一族の後を一人で追っていった。
絹がいなくなった3人は、長門の国にて弁慶という眠ったままの巨大な亀を起こすと弁慶に乗り、綾と絹のいる「白銀城」へ向かう。
そこにいたのは「白銀城」の城主だと思われた、「百貫丸」だった。苦心の末やっと百貫丸を倒し、彼の後ろにある扉が開いた。
しかしそこにでてきたのは、綾に変装していた本当の白銀城城主「吹雪御前」という絹の父と母、そして卍丸の父を殺した根の一族だったのだ。それを知った絹は、純血の鎖を自らの手で引きちぎると自分の中の鬼の力を解放し、吹雪御前を惨殺する。
我に返った絹は3人を解放し、恐ろしい力を見せてしまい生きる気力もないと吹雪御前を倒した後に出てきた聖剣を卍丸に託す。城主のいなくなった白銀城は、崩壊直前だった。そのまま、絹も崩壊する城の中で死ぬと言いだしたのだった。
絹の力により城の外に連れ出された3人だったが城の中に引き返す。そして卍丸の説得により絹は死ぬことを諦め、再び一緒に戦うことを決意する。

残る暗黒ランは1本。咲いている場所は、長門の国。ジパングで一番の広さを誇る洞窟、秋芳洞の奥深くだった。
4人は巨大な暗黒ランの根本に立ち、やっと、7本目の暗黒ランを切ったのだった。
しかし秋芳洞を出た卍丸達は、鋼鉄城でやってきたホテイ丸の言葉に愕然とする。京の都が全滅したというのだ。
京の都にある花の御所というタイクーンの住処の跡に、京の都は血の海になりその跡地に、巨大な暗黒ランが咲いていたのだ。花の御所の入り口ふさがれ、入る場所も無い。
1000年前に暗黒ランを封印するために作られた聖剣は、7本。暗黒ランも7本だった。8本目の暗黒ランがあることは予想外で8本目の暗黒ランを切るための聖剣もない。卍丸達は途方にくれ、7本の暗黒ランを切ったのちに訪れるべきと言われていた小屋を尋ねる。そこには1000年前、琵琶湖に構えていた「火の都」の住人の魂が卍丸達を待ち構えていた。彼は、卍丸が火の一族の血が濃いことに着目し、聖剣を自分で作ることを提案する。聖剣を作るには吉備の国にある火刃村を訪れるべきだと、彼は言う。
火刃村は暗黒ランの根によって断絶されていたが、根がなくなり卍丸達はそこを訪れる。そこで得た情報は、聖剣を作る方法だった。聖剣を作るには場所、元になる剣、剣を打つ鎚が必要だった。剣は母に渡された父の形見の剣。そして鎚は聖剣を打つことの出来た場所であるいろは宮に保管してある。
いろは宮は琵琶湖の底に眠っているのだという。琵琶湖はかつて火の都という聖域であり、鍛冶場だったのだ。それを水に沈めたものこそ、根の一族最強の戦士である「剛天明王」だったのだ。
黒縄洞窟、冥府の穴を抜け、地獄城へやってきた卍丸達は、剛天明王を見事打ち倒し、琵琶湖の水を引き上げるための「竜の勾玉」を手に入れる。

琵琶湖に戻ってきた卍丸達は道具をそろえ、鍛冶場である「火の都」を復活させる。
そして父の形見の剣を手に聖剣を打ち付け、見事「聖剣大霊院卍丸」を作り上げた。
火の都を出た卍丸のそばに、ホテイ丸の運転する鋼鉄城がやってくる。ホテイ丸は8本目の暗黒ランを切るアイデアがあると、卍丸達を鋼鉄城に乗せて京都に向かう。
鋼鉄城の攻撃は暗黒ランをかすりもせず、根の一族の攻撃に逆に追いつめられていく。そこでホテイ丸は卍丸達をおいて、最後の攻撃にはいる。「グッバイ!卍丸さん!」といってホテイ丸は鋼鉄城ごと暗黒ランにつっこんだのだった。鋼鉄城は爆発とともに砕け散ったにも関わらず、暗黒ランは無傷だった。そのかわり根本に「花の御所」に向かう入り口が開く。

卍丸達は「花の御所」を通り、悪神「ヨミ」と対峙する。しかしヨミは、まだ復活していなかった。その成長を止めるため、暗黒ランを切る卍丸。しかし、その瞬間「ヨミ」は復活してしまい、卍丸達は最終決戦に挑む。
ヨミは卍丸達の力に驚いていた。1000年の月日の中で、根の一族と火の一族の血は混ざり合い、根の一族の闘争心と、火の一族の愛が混ざり新たな命が誕生していたことに気が付いたのだった。
倒されたヨミの中からマリが復活し、「もう自分たちは必要ないのだ」と悟る。そして今まで死んでいった人たちを復活させるため、マリは卍丸達に祈りを捧げるように言った。そしてヨミとマリは天に帰っていく。
気が付けば、死んでいった人たちが目の前で復活していた。
カブキの周りには女性達が。極楽の周りには恋人だった千代が。絹の周りにはシロを始め、鬼族の父、火の一族の母がそれぞれ復活をしていた。
卍丸のそばには、根の一族に殺された父がそこにいた。
そしてジパングは平和を取り戻したのである。

『天外魔境II 卍MARU』のゲームシステム

物語の舞台は架空の国である「ジパング」の「大和」と言われる地方が舞台である。現実の世界に共通する地名が出てくるほか、村の名前や町の名前も共通している。

天狗の庵

天狗は元々、根の一族だったが根の一族に嫌気がさして火の一族の味方になる。
各地に点々とある小さな小屋の中にいて、話しかけると自分の持っている術の説明や豆知識を語った後、「術」を使うことのできる「巻物」をもらうことが出来る。
巻物の種類は様々であり、使用するためには体の数の下の技の数を使用する。
また、天狗の中には巻物を持っておらず持っている巻物から一つ使用する技の数を減らしてくれるレアな天狗もいる。

根の一族、火の一族

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