デッド寿司(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

日々寿司職人としての修行に励んでいたケイコは、父に反発して家出をする。その先で働き始めた旅館は寿司が有名だった。大手製薬会社の一行が泊まりにきたが、そこに不審な男が現れて、旅館を「人食い寿司」によりパニックに陥れる。ケイコは旅館の客を、自分の身を守ることができるのか?前代未聞のアクション・パニック・コメディ・ホラー。2013年公開、監督は井口昇。

『デッド寿司』のあらすじ・ストーリー

ケイコは寿司職人の父の元で日々修行に明け暮れていた。
寿司の握り方から、武術まで徹底的に叩き込まれたが、父親からは「お前の作る寿司は女の匂いがしてだめだ」と言われてしまう。
反発し家出をするケイコ。たどりついた旅館で仲居の仕事にありつくが、職場の先輩にはいじめられる。
御用番の澤田がケイコを励ましてくれ、「ケイコちゃんの手をみると将来はなんでもできそうな気がする」と言ってくれる。
ある日とあるカップルが旅館を訪れると、浮浪者がカップルのキスを見ながら寿司を食べていた。それにカップルは怒るが、浮浪者は謎の薬を注入したイカでカップルを殺してしまう。
同じ頃、旅館には製薬会社の一行がやってきていた。
板前の土田の作る寿司をなんの疑いもなく「うまい」ということに疑問を感じたケイコ。それに対して反感を持った社長は、ケイコに「(疑問に感じた点を)言ってみろ」と言う。寿司の食べ方の問題点から土田の作り方まで全てに言及したケイコは、怒り心頭の社員たちと土田と乱闘騒ぎになってしまう。
そこに浮浪者が現れ、社長に「以前お前の製薬会社で働いていた山田だ」と名乗り、以前開発した薬の副作用を自分の責任にされ、職務を追われたことに怒りを持っていることをぶちまける。山田が開発していた薬は、死んだ動物を蘇らせる薬で、副作用として蘇った動物は非常に凶暴になるという難点があった。
それを利用して社長に復讐をしようと、山田が社長に近づいたその時、旅館の旦那が山田を銃で撃ち殺してしまう。
「このことは内々で処理しよう」という決定がくだり、仲居を使った女体盛りを希望する社長。
しかしその間も、薬を注入されたイカは寿司や刺身にその能力を移し、人食い寿司が旅館中で客に襲いかかっていた。
女体盛りの刺身も感染していて、仲居の一人は死んでしまう。
泊まり客も次々に寿司に襲われて死んでしまうが、ケイコは偶然飛び込んだ部屋にいた澤田を助けて寿司に立ち向かうことにする。そして部屋に紛れ込んでいたたまご寿司を潰そうとすると、そのたまご寿司はとても弱く震えていた。歌まで歌うたまご寿司。
「たまごちゃん」と名前をつけて肩に乗せ、泊まり客を救おうとするケイコ。
だが、逃げようとした屋外で寿司が交尾し、子供を増やしているのを目撃してしまう。
そして寿司に殺された人間はゾンビとなって、口からシャリを吐き出しながらケイコたちを襲う。
山田は実は生きていて、自ら蘇生薬をつかったマグロ寿司を食べ、頭部がマグロの怪人となって全員を殺そうとする。
ケイコ達は澤田が昔修行に使っていた小屋に逃げ込み、澤田は過去の包丁が握れなかった自分と向き合い、人食い寿司を普通の寿司に握り直し、ケイコはマグロ男といくらの軍艦(の集まった戦艦)を相手に戦い、たまご寿司の尊い犠牲のもと勝利する。
家に戻ってきたケイコは、父の謝罪を受け止め、寿司職人に日々邁進する。

主な登場人物・キャラクター

ケイコ

武田梨奈が演じる。
寿司職人として日々厳しい修行に耐えていたが、父親に反発して家出、旅館に身を寄せる。
先輩や女将からはいじめられるが、澤田に励まされてなんとか仕事をこなしている。
思ったことが隠せない性格で、それが原因でトラブルを引き起こしている。
寿司にかける情熱は誰にも負けない。
土田の寿司はケイコにとっては許せるようなものではなかった。

澤田

松崎しげるが演じる。
元旅館の板前で、浮気した妻を刺し殺してしまったことが原因で包丁が握れない。
今は旅館の御用聞きや御庭番のようなことをしている。
ケイコを励まし、「ケイコちゃんの手を見ているとなんでもできる気がするんだよな」と優しく見守る。
澤田の声に寿司を弱らせる効果があることが作中判明し、シャウトが響き渡るシーンがある。

野坂

須賀貴匡が演じる。
製薬会社のエリート社員。
冷静なように見えて非常に皮肉屋で、トラブルを起こすこともしばしば。
ケイコを面白いと思っているが、手を貸したりはしない。
人食い寿司の騒動の時もひとり冷静で、さっさと社長を見限ってマグロ男に差し出すと、自分は澤田の修行した小屋で「腹が減っては戦はできぬというからね」とカップラーメンを食べていた。

柄本

村田唯が演じる。
製薬会社の秘書。
社長にゴマをすってるだけの秘書だが、それが野坂には気に食わない。
宴会のシーンもまず社長と彼女が寿司を堪能し、その後他の社員に「おいしい」と勧めた。
人食い寿司の襲来によってあっけなく死ぬ上にホラーにありがちなお色気要員にまでなっている。

小松社長

手塚とおるが演じる。
通ぶった偉そうな社長で、本当は寿司のことなどなにもわからないのに気取っている。
女体盛りを要求したり傍若無人。
山田(浮浪者)の作った蘇生薬の副作用を知って開発を握りつぶした張本人であり、山田にひどく恨まれている。
ワンマン社長のため、周りにはなんとかご機嫌を取ろうという人間しか集まってこない。

山田(浮浪者)

島津健太郎が演じる。
小松社長の製薬会社を追われ、復讐の機会を狙っていた。
開発した薬のせいで地位も無くし、会社を追われた。
蘇生薬で頭部がマグロの怪人になる。
マグロ男になった後の狙いは社長を殺すことだったが、それを達成したのちにケイコたちにもその魔手を伸ばす。

土田

津田寛治が演じる。
現在の旅館の板前で、女将と不倫している。
客のことなど考えていない適当な寿司の握り方をするが、それをケイコに指摘されて怒り狂う。
包丁を振り回すほどの乱闘になるのだが、ケイコの武術の心得で全て未遂になる。
女体盛り用の刺身に人食い寿司が近づいていても女将とのキスに夢中で気づかない料理人として欠陥のある人間。

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