セント・オブ・ウーマン/夢の香り(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

1992年制作。アメリカ映画。監督はマーティン・ブレスト。主演のアル・パチーノは本作でアカデミー主演男優賞を受賞。名門高校に通う苦学生のチャーリーは休暇中のアルバイトで全盲の退役軍人フランクの世話をすることになる。気難しく毒舌なフランクとニューヨークを旅することになったチャーリーは、フランクに振り回されながらも、彼と年齢を超えた友情を育んでいく。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のあらすじ・ストーリー

アメリカ・ボストンの名門高校に通うチャーリー。彼はお金持ちの生徒たちに囲まれる中、奨学金で通う苦学生だった。
休暇中のアルバイトを探すチャーリーは、全盲の退役軍人フランクの家を訪れる。
フランクの家族が旅行に同行するのを彼が拒否したため、その旅行の間チャーリーはフランクの世話をすることになったのだが、フランクは家族が旅立ってしまうと、待ってましたとばかりにチャーリーを連れてニューヨークに旅立つ。

毒舌でエキセントリックなフランクに振り回されるチャーリー。
ニューヨークでのフランクは、ボーイフレンドを待つ女性に声をかけて見事なタンゴを踊ったり、最高の女性と夜を過ごし、最高の酒をあおる。
奔放なフランクに疲弊しながらも次第に心を許し、チャーリーは学校での問題をフランクに話し始める。
チャーリーは、学校で校長へのイタズラを目撃し、犯人の正体を問われていた。
同級生を売って名前を言えばハーバードへの推薦を、言わなければ退学を迫られる。
フランクは相談に乗り、二人は徐々に年齢を超えた友情を育んでいった。

フランクはチャーリーを連れて、親族が集まるパーティーに行く。
呼んでいないのに突然現れたフランクに戸惑いと不快感を隠せない親族たち。
そこでもフランクは歯に衣着せぬ物言いで親族と喧嘩になってしまう。

ある時、チャーリーはフランクの様子がいつもと違うことに気づく。
ふさぎこんでいるフランクを、チャーリーは元気づけようとフェラーリの試乗に行く。
全盲にも関わらず、チャーリーと代わり運転するフランク。
猛スピードで車を走らせ大声を上げるフランクは一瞬幸せそうに見えたが、またふさぎ込んでしまう。

ホテルに戻り休んでいたチャーリーは、フランクが軍隊の制服に身を包み自殺しようとしているのに気づく。
フランクは軍隊にいた頃、酒に酔ってハメをはずし、手榴弾で失明したのだ。
そんな情けない自分を嫌い、暗闇に生きることに絶望していた。
必死で止めるチャーリー。もみ合いになるも、チャーリーは食い下がる。
「足が絡まっても踊り続けて」
フランクはとどまった。

二人はボストンに戻る。フランクはチャーリーの学校まで送った。
学校では校長の諮問による公開懲戒委員会で、校長へのイタズラが裁かれる。
全校生徒が見ている中、チャーリーの友人は裕福な父親を頼りチャーリーを裏切る。
後ろ盾のないチャーリーは無実の罪で退学を言い渡されるところ、フランクが乗り込む。
見事なスピーチで喝采を浴びるフランク。チャーリーは救われた。

外に出た二人に女性教師がフランクに声をかけ、スピーチの感動を伝える。
フランクは女性教師の香水を当てる。
「これでいつでもあなたを探せます」
チャーリーとフランクは清々しい足取りで歩き始めた。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』の登場人物・キャラクター

フランク・スレード中佐(演:アル・パチーノ)

盲目の退役軍人。気難しく、誰をも拒絶し、離れで一人生活する。
毒舌家でエキセントリックだが、自分の信念を貫くチャーリーと友情を結ぶ。

チャーリー・シムズ(演:クリス・オドネル)

裕福な同級生たちに囲まれながら、奨学金で通学する苦学生。
故郷に帰るための旅費を稼ぐため、退役軍人のフランクの世話をすることになる。
学校で、校長の愛車にイタズラした同級生を目撃。
校長から犯人の名前を言えばハーバードへの推薦を、言わなければ退学を迫られる。

トラスク校長 (演:ジェームズ・レブホーン)

チャーリーの同級生たちに愛車ジャガーをイタズラされて激怒する。
プライドが高く、自分の威厳を保つために罪のないチャーリーを退学に追いやろうとする。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「足が絡まっても、踊り続ければいい」

フランクが、ボーイフレンドを待つ美しい女性ドナ(演:ガブリエル・アンウォー)に声をかけてタンゴを踊るシーン。
タンゴを習いたいけれど、間違えるのが怖い、というドナにフランクは言う。
「タンゴは人生と違って間違わない。足が絡まっても踊り続ければいい」
生バンドの演奏をバックにドナを見事にリードして踊る。

「俺が生きねばならん理由が?」「タンゴとフェラーリの運転は自慢できます」

拳銃自殺をしようとするフランクを必死に止めようとするチャーリーが放った言葉。
「どうやって生きていける?」と問うフランクに
チャーリーは「足が絡まっても踊り続けて」と返す。
短い間に深まった二人の信頼関係が伺える感動的なシーン。

「チャーリーも岐路に直面した。そして彼は正しい道を選んだ。真の人間を形成する信念の道だ。彼の旅を続けさせてやろう」

公開懲戒委員会で窮地に陥ったチャーリーを救うためスピーチをするフランク。
「学校の名を汚した」という名目でチャーリーを罰して自分の立場を守ろうとする校長や委員に言う。

「私も何度か岐路に立った。どっちの道が正しい道かは判断できた。いつも判断できた。
だが、その道を行かなかった。困難な道だからだ。
チャーリーも岐路に直面した。そして彼は正しい道を選んだ。真の人間を形成する信念の道だ。
彼の旅を続けさせてやろう。彼の未来は君ら委員の手中にある。価値ある未来だ。保証する。
潰さず守ってやってくれ。愛情を持って。いつかそれを誇れる日がくる」
迫真のスピーチに満場喝采となる。

「これでいつでも、あなたを探せます」

女性教師がフランクに声をかけ、スピーチの感動を伝える。
フランクは女性教師の香水を当てる。
「"フルール・ロカーユ"」
「そうよ」
「 "岸辺の花"」
「そうよ」
「これでいつでも、あなたを探せます」
歩き出すフランクとチャーリー。
「何も言わんでいい。身長170、髪は赤褐色、美しい茶色の目」
自殺を思いとどまったフランクと、退学を免れたチャーリーの明るい未来を思わせるシーン。

『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

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