目次

  1. ところで、全集の定義ってなんでしょう?
  2. 現代の『全集』の出版意義とは
  3. 『日本文学全集』続々刊行中! いま、日本文学を読み直す意味とは

ところで、全集の定義ってなんでしょう?

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■全集 
代表的な作家らの小説や評論、詩などの名作を収録した「文学全集」と、個別の作家や思想家の作品を網羅的に集めた「個人全集」とに大別される。
文学全集は、明治文学全集や児童文学全集などのように、特定のテーマで編まれたものも多い。
個人全集では、「太宰治全集」(筑摩書房)や「小林秀雄全集」(新潮社)など人気作家の場合、新資料の発見や研究の進展などに応じて改訂が繰り返されることもある。

ちなみに筆者が小さい頃には、祖父母が買ってくれた世界文学全集が自宅にありました。
他にも「世界全集が家にあった」という方もいるのではないかと思いますが
全て読んだことのある方はごく少数なのではないでしょうか。
時々気に入った話も出てくるのですが、興味のない話は飛ばして読んだり、最後には本棚の飾りと化してしまったり......

現代の『全集』の出版意義とは

先ほども少し触れましたが、かつては「読まずに飾る」と揶揄されていた全集。
ここ数年で出版されている全集は、「飾るのではなく全部読める」ことを目的にしているということです。

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池澤夏樹さんが個人編纂を続けている『日本文学全集』の第2集です。
日本文学というと堅苦しいイメージを持たれる方もいるのではないかと思いますが
写真家・蜷川実花さんの艶やかでビビットな写真が、文学への敷居を低くしてくれています。

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日本文学全集編集部の東條律子編集長(52)は「過去の文学全集は発行数が多い半面、実際に読むのは購入者の10%ほどとも言われる。今回、目指したのは最後まで読める全集。現在の読者には、誰かから『こういうのがいいよ』と勧めてもらいたいというニーズがある」と指摘する。

文学史上に影響を与えたような作品に触れたい、と考えていても、難しそうだと気がひけることも多いものです。
ここ最近編纂された全集は、現代人が読みやすい文章に改定されていることもポイント。
気軽に手に取ることができそうですね。

『日本文学全集』続々刊行中! いま、日本文学を読み直す意味とは

9784309728926

先ほども少し触れた河出書房の『日本文学全集』は
池澤夏樹さんの個人で編纂を行っています。
最新刊は画像の大江健三郎全集。

編纂者である池澤夏樹さんは、「日本とは何か」「日本人とは何か」を改めて考える必要がある、と語っています。

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今、「日本」のイメージが揺れているというか、ばらけているというか、以前に比べて大きく変わってきています。3・11以降、今に至るこの間、大きな政治の変動がありました。日本とは何なのか、本来どういう国だったのか、そもそも日本人を名乗る我々とはいったい何者なのかという問いが湧いた。それはぼくだけでなく、世間全体にあった気がします。

日本文学のルーツを深く追い求めていくいくことで、ぼやけていた日本のルーツ、日本人のルーツが見えてくる。
読書好きの人なら、日本文学全集を読み、思考することで、これ以上ない幸せを味わえるのではないでしょうか。

日本の情勢が大きく揺れ動く現代だからこそ、世界文学全集や日本文学全集に人気が集まるのかもしれません。