双星の陰陽師(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『双星の陰陽師』とは、助野嘉昭によるマンガ作品。2013年からジャンプスクエアにて連載中である。
主人公・焔魔堂ろくろ(えんまどうろくろ)は、かつては最強を目指した陰陽師である。しかし、2年前の雛月の悲劇をきっかけに陰陽師を拒むようになる。そんなある日、化野紅緒(あだしのべにお)と出会う。この出会いにより、焔魔堂ろくろはもう一度、陰陽師として立ち上がるのであった。

『双星の陰陽師』のあらすじ・ストーリー

化野紅緒(あだしのべにお)との出会いと双星(そうせい)の陰陽師

ケガレと戦うことが陰陽師の使命である――

主人公「焔魔堂ろくろ(えんまどうろくろ)」は、陰陽師が暮らす「星火寮(せいかりょう)」に住む中学生である。かつては最強の陰陽師になることを目指しており、周囲が認めるほどの実力を持っていた。しかし、2年前の事件「雛月の悲劇(ひいなつきのひげき)」により「死んでも陰陽師をやらない」と思うようになる。なお、雛月の悲劇とは、陰陽師の候補生を育てる施設・雛月寮にケガレが現れ、候補生のほとんどが死亡した事件である。そして、ろくろは唯一の生き残りであった。

そんなある日、おつかいの途中で「化野紅緒(あだしのべにお)」と偶然に出会う。紅緒は引っ越してきたばかりで道に迷っており道案内をろくろに頼むのであった。2時間ほど歩き回った(案内人のろくろも道に迷ったため)後、どこからかケガレの声が。さらには、すれ違ったばかりの幼い兄妹の姿がなくなっていた。ケガレにより「禍野(まがの)」に連れて行かれたのである。紅緒はすぐさま、札を使って禍野への道を開く。そこにはたくさんのケガレがおり、幼い兄妹の姿も。助け出すことに成功したが、紅緒にピンチが訪れる。そのピンチを助けるべく立ち上がったろくろ。黒い霊符(れいふ)を使うとろくろの右腕はケガレのような見た目になり、一撃でケガレを倒した。無事に禍野に戻ってこれた二人だったが、紅緒は「気に入らない」(自分が苦戦したケガレをろくろが一撃で倒したため)、ろくろは「もう関わりたくない」とお互いに思いながら別れた。

しかし、帰宅したろくろが見たものは、なんと紅緒。実は、紅緒の探していた目的地は星火寮であった。同じ星火寮で暮らすようになってから数日後、陰陽師のトップである「土御門有馬(つちみかどありま)」が幹部を招集。何故かろくろも行くことになる。有馬が召集した理由は「紅緒とろくろが双星(そうせい)の陰陽師である」と神託があったという驚くべき内容だった。双星の陰陽師とは、最強の神子(みこ)を生むための夫婦の称号である。つまり、有馬は夫婦になって子供を作れと言っているのであった。お互いに夫婦なんて認めない紅緒とろくろであったが、有馬は強行手段に出る。それは、二人を一緒に住まわすことであった。

紅緒の仇敵となるケガレ

嫌々一緒に暮らすことになった紅緒とろくろ。学校からの帰宅途中でケガレの声を聞いた紅緒は、禍野へ向かう。そこで出会った婆裟羅(ばさら)「神威(かむい)」は、なんと両親の仇敵であった。戦いを挑む紅緒だったが圧倒的な強さに歯がたたない。そこにろくろが現れる。危機一髪、禍野から脱出した二人であったが、紅緒はもう一度禍野へ戻ると言う。止めるろくろに「両親は私を庇うために死んだ。二人は私を恨んでるのかもしれない。恐怖もあるし力が及ばないことも分かってる。でも、ここで逃げたら私の生きる価値はひとつも残らない」と涙しながら言う紅緒。そして、もう一度、禍野に戻り戦うことに。二人の力はやはり及ばなかったが、紅緒とろくろが双星の陰陽師だと気付いた神威は、自分を楽しませてくれる存在だと認識し、二人を見逃して立ち去るのであった。

雛月の悲劇の真実とさらなる真実

紅緒と出会いケガレと戦ったことにより、もう一度陰陽師としてケガレ祓いを…と思い始めたろくろ。その気持ちを伝えるべく星火寮を訪れたろくろだったが、そこには十二天将「天若清弦(あまわかせいげん)」がいた。清弦はろくろのかつての師匠であり、超絶スパルタな指導をした人物。「もう一度陰陽師をやるなんて言わないよな」とろくろに問う清弦。「傷つく人に手を差し伸べたい」と答えたろくろ。清弦は、ろくろに覚悟を見せてみろと禍野へ連れて行ってしまう。

一方、紅緒はケガレ祓いのために禍野に来ていた。そのため偶然にも清弦とろくろの会話を聞いてしまう。その内容は、雛月の悲劇についてだった。表向きは、ケガレにより候補生たちが亡くなったことになっていたが真実は違う。ケガレなど現れておらず候補生たちを殺したのは、ろくろであった。会話を聞いた紅緒は「本当なのか」とろくろに詰め寄る。実は、紅緒の兄「石鏡悠斗(いじかゆうと)」は雛月の悲劇によって亡くなったのである。

その後、ろくろに対して怒りをあらわにした紅緒だったが、さらなる真実を知ることになる。ろくろが他の候補生を殺さなくてはいけなかった理由は「ケガレ堕ち」したためである。さらには、ケガレ堕ちさせたのは紅緒の兄である悠斗であった。

石鏡悠斗(いじかゆうと)現る

雛月の悲劇の際にろくろが祓ったはずの悠斗が紅緒、ろくろ、清弦の前に現れる。紅緒は、悠斗との会話によりショックのあまり戦闘不能。清弦は双星の陰陽師である2人を守るために戦うものの、悠斗の圧倒的な強さに敗れて右腕を失う。ろくろもまた歯が立たない状況だった。悠斗はろくろに自分の手駒になるように告げ、明日のこの場所で返事を聞くと去って行った。

双星の陰陽師としての初陣

悠斗出現の次の日、ろくろと紅緒は悠斗と戦う。しかし、双星だけが使える秘術「共振(レグナス)」を使っても悠斗に敵わなかった。なぜならば、悠斗は陰陽師でありながらケガレの力も自身に取り込んでいたからであった。戦いは続き、紅緒は悠斗の攻撃により両足を失う。そこに紅緒の仇敵である婆裟羅(ばさら)「神威(かむい)」が現れた。神威は、強い者と戦うことが好きなことと(双星の陰陽師である紅緒とろくろと戦うことを楽しみにしている)、悠斗が気に入らないことから、紅緒の失った両足をケガレで繕った。その後、ろくろに異変が起きる。ろくろの呪護者(しゅごしゃ)「安倍清明(あべのせいめい)」が現れて攻撃力が数段に上がったのである。しかし、悠斗には一歩及ばず。

悠斗を倒すことは出来なかったが、紅緒もろくろも無事に帰還することができた。この戦いが双星の陰陽師としての初陣となる。こうして、ろくろは再び陰陽師として立ち上がり、紅緒と共に戦っていくのである。

『双星の陰陽師』の登場人物・キャラクター

焔魔堂 ろくろ(えんまどうろくろ)

本作の主人公で陰陽師。8年前に禍野(まがの)で倒れているところを清弦に発見される(ろくろは記憶を失っている)。その後、雛月寮で保護されて陰陽師の候補生となるが、雛月の悲劇による自責の念から陰陽師を拒むようになった。しかし、紅緒との出会いをきっかけにもう一度、陰陽師として戦う決意をする。また、紅緒とは「双星の陰陽師(そうせいのおんみょうじ)」であり、運命的に夫婦である。呪護者は安倍清明(あべのせいめい)。なお、安倍清明はろくろの母である。(ろくろのことを我が子と呼ぶシーンがある)

化野 紅緒(あだしのべにお)

陰陽師の名門・化野家の時期当主であり、双星の陰陽師。両親を目の前で婆裟羅(ばさら)・神威(かむい)に殺されたことにより、仇を討つべく強くなる努力をしたが力及ばず。その後、兄である石鏡悠斗(いじかゆうと)の戦いの際、両足を失うことになるが神威により両足をケガレで繕うことになる。しかし、本作を進めるとケガレで繕ったはずの両足は、もともと隠してあったものが外に出てきただけだと判明。さらには、婆裟羅・氷鉋(ひがの)との戦いの際に氷鉋から「お前はこちら側の人間だったか」と言われた。呪護者は法師(ほうし)。

音海 繭良(おとみまゆら)

ろくろの幼馴染で清弦の娘。陰陽師としての素質があり、強い呪力の持ち主。雛月の悲劇により苦しむろくろを知っているため、もう一度ろくろが陰陽師として戦うことを心配していた。しかし、紅緒とろくろが戦いにより傷つく姿を見て、大切な人達を守るために自身も陰陽師となる。斑鳩小夜(いかるがさよ)救出の戦いで、清弦に渡された霊符(白虎)と契約を交わし、十二天将となり清弦の後を継ぎ白虎となる。

石鏡 悠斗(いじかゆうと)

紅緒の兄で雛月寮にいた元陰陽師候補生。雛月の悲劇の元凶であり候補生たちをケガレ堕ちの実験台にした。その際に悠斗はケガレの力を自身のものにした。優しかった兄の記憶を持つ紅緒に対して、両親を肉塊を呼ぶなど目的(陰陽師の陽の呪力とケガレの持つ陰の力を合わせ持つ究極の存在(陰陽師)になること)のために家族にさえ本性を隠して生きてきた。なお、両親の死後、石鏡家に引き取られたため紅緒と名字が異なる。

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