暁のヨナ(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

草凪みずほが「花とゆめコミックス」で連載中の少女漫画およびそれらを原作としたアニメ作品。古代極東アジアを彷彿とさせる世界で、謀反によって城を追われた王女・ヨナが神託に従い、伝説の戦士・四龍(しりゅう)を探す旅に出る大河ファンタジー浪漫。

『暁のヨナ』のあらすじ・ストーリー

武器と戦争を忌避するイル王即位の時代。
高華国ただ一人の王女・ヨナは、父王や従者に囲まれながら、何不自由なく穏やかな日々を過ごしていた。

しかし、ヨナが16歳の誕生日を迎えた夜に事態は一変する。
国の弱体化を危惧する従兄弟のスウォンがイル王を弑逆し、その現場に居合わせたヨナまでをも殺害しようと試みたのだ。
その後、幼馴染で専属護衛のハク将軍の助けにより絶体絶命の窮地を脱したヨナだが、険しい山中での逃走劇は過酷を極めた。

父王の死と優しかったはずのスウォンに裏切られたショックで生気を無くし、抜け殻のようになってしまったヨナ。そんな彼女を連れるハクは、風の部族が治める故郷・風牙の都を訪れる。しばしの休息を経て、人々の優しさと暖かい気持ちに触れたヨナは活力を取り戻す。しかし、スウォンの王位継承を認めなかった風の部族は圧力を受け、他部族と一触即発の危機に陥るのだった。
部族間の衝突を避けるため、風牙の都を後にするヨナとハク。その別れ際、長老のムンドクは「未来を示す神官を探すべきだ」と進言する。
そして何とか神官と接触を果たしたヨナは、このまま逃亡劇を続ければ「ハクが死ぬ運命にある」と神官に告げられる。

自分の身を守るため。何より、大切な仲間を守るため――。
神託に導かれ、建国神話に名を残す伝説の戦士「四龍」の助力を請う事にしたヨナは、神官の世話役・ユンを新たな仲間に加え、四龍探しの旅を開始する。

高華国に伝わる2千年前の「建国神話」とは

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《――戦乱混迷極める人間界を憐れんだ赤い龍神が天界から地上へ下り、人間となり緋龍王と呼ばれるようになった。
人間となった緋龍はこれと言って不思議な力は持たず、普通の人間であったらしい。憎まれ裏切られても人間を愛しており、その身が打ち滅ぼされそうになろうとも、「人間など滅ぼし天界に帰ろう」と告げる四龍の求めには応じなかった。その為緋龍王を愛していた四龍により、せめて緋龍王を守れるようにと四龍の分身として四龍の戦士を賜った。また、戦のない永遠の平穏を夢見ていたが、終わらない争いに心を痛めていた。緋龍王最期、病がちになり、四龍を残して永遠の眠りに就いた――。》

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伝説の戦士「四龍」とは

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権力を欲する人間達によって緋龍王が打ち滅ぼされそうになった時に天界から舞い降りた白・青・緑・黄の四体の龍により、それぞれの血を与えられた人間の戦士。
ある者は何をも引き裂く鋭い爪を、ある者は彼方まで見通す眼を、ある者は天高く跳躍する脚を、ある者は傷つかない頑丈な体を与えられた。戦士達は部族を率いて緋龍王を守り国の混乱を鎮めた。
やがて役目を終えた戦士達は自らの力を人間の手に余るものと考え姿を消す。
だが四龍の戦士の力は子孫達へと受け継がれており、彼らは現在でも各地の隠れ里で生活しながら移動をしてきた。そのために四龍の戦士の居所は中々掴めないが、白龍の里だけは移動していないので所在が伝わっている。

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力の継承

龍神の力は里の人間の一人にしか発現しないが、新たに産まれた子が四龍の特徴を持っていると龍神の力は数年かけて古い龍(先代)から新しい龍(当代)に移る。先代が力を失うに連れて当代の力が増し、先代は龍神の力を完全に失うと死亡する。

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四龍に対する里人の扱い

同じ龍の血を継ぐ四龍だが、その扱いは里によって異なる。
白龍の里では緋龍王と共に神聖な存在として語り継がれ、崇拝されるが、青龍の里では「見た者を石に変える呪いの目を持つ者」として忌まれていた。また緑龍の里においては、能力が里外に漏れた際に里人が酷い目にあって以来、鎖に繋げて監禁状態にしていた。

高華国を構成する「五部族」とは

空・風・火・地・水から成る部族の総称。
五部族長の会議が国の最高意思決定機関であり、その時の最大勢力が王族となる。
現在の最大勢力兼王族は空だが、過去には火や水などの他部族が王権を握っていた時代もあった。なお現在の空の王権時代は250年前より続いている。

主要人物

主人公「ヨナ」

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この世界では珍しい赤い髪に紫の瞳を持つ王女。
国王の一人娘として空都の緋龍城で過保護なまでに大切に育てられ、外に出たことはほとんどなく、やや勝気だが無知でか弱い姫に育つ。幼い頃から従兄で幼馴染のスウォンに想いを寄せていたが、彼からはいつまでも子供扱いされており、父のイル王からは父方の伯父の息子で夫候補の最有力である筈の彼との婚姻を、なぜか反対されていた。甘やかされて育ったため、国の衰退や自身が住んでいた城の事情すら知らなかったが、ハクとの道中や四龍との出会いを経て自身の無知を自覚し、心身共に着実に成長していく。
彼女の凛々しく勇ましい姿と強烈な魅力に惹かれる者も少なくない。

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ヨナの専属護衛「ソン・ハク」

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ヨナの専属護衛を務める青年。
緋龍城の要である五将軍の一人で、風の部族の族長でもある。
ヨナとは幼馴染であるため、時に分不相応な軽口を叩いて彼女と漫才を演じるが、実は密かに好意を寄せ続けている。だが、身分が違うことを理解していると同時にヨナの幸せを願っており、スウォンによる謀反が起こる前は自分の気持ちは心に秘め、ヨナとスウォンが恋仲になれるように応援していた。また、スウォンとも幼馴染であり、彼にハクが目標だと告げられた際には王族で人を動かす実力と魅力を持ったスウォンと肩を並べて隣で歩いて行けるように、それに相応しい人間になろうと心に誓っていた。「愚王」「臆病者」だと囁かれていた亡きイル王に忠誠を誓い、ただの臆病者ではないと見抜いていた数少ない人物でもある。

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ヨナの父を弑逆した新王「スウォン」

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