龍が如く3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く3』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第3作目に相当する作品である。キャッチコピーは「伝説の龍が帰ってきた」。本作は前作『龍が如く2』にて近江連合との戦いを終えた桐生一馬が、生まれ育った沖縄へと帰ってからの物語を描いており、その物語の舞台として東京と沖縄のふたつが選ばれているのが特徴となっている。

『龍が如く3』の概要

『龍が如く3』とは、2009年に発売されたセガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第3作目。キャッチコピーは「伝説の龍が帰ってきた」。
本作は前作『龍が如く2』にて近江連合との戦いを終えた桐生一馬が、生まれ育った沖縄へと帰ってからの物語を描いており、生まれ育った沖縄の養護施設を巡る土地問題に直面し、施設とそこで暮らす遥ら子供たちを守るために再び戦いに身を投じる物語となっている。
舞台として東京の神室町の他にも、沖縄の琉球街が登場する。シンガーソングライターの泉谷しげる、俳優の中村獅童と藤原竜也、お笑いタレントの宮川大輔、雨上がり決死隊の宮迫博之、THE虎舞竜の高橋ジョージら豪華声優陣がメインゲストとして出演する。その他のゲストとして、セラピスト役としてファッションモデルの椿姫彩菜、キャバ嬢役としてファッション雑誌『小悪魔ageha』の7人のモデルも出演している。日本では初週で約37.2万本が販売され、発売当時のPS3歴代初週販売本数2位を記録し、発売3週間で日本国内出荷本数が50万本を突破するというヒット作として名を馳せている。また、当初は1人プレイのみであったが、PlayStation Storeでのエクストラコンテンツの配信によるアップデートで「Answer×Answer」やビリヤード、ダーツなどのミニゲームの対戦プレイができるようになった。そして、このエクストラコンテンツがほぼ全て収録された廉価版が2009年12月3日に発売されたが、オリジナル版のデータ引継ぎは不可能で、ゲーム中にさまざまな条件をクリアして入手できるトロフィーも別扱いとなっている。

ちなみに、本作より前に『龍が如く 見参!』が販売されており、そのタイトルに数字の3を表す大字の「参」が入っているが、後のファミ通のインタビューにて正当な続編ではなく、いわゆるスピンオフ作品であると宣言されている。なお、『龍が如く 見参!』のクリアデータがあると特典を得られるシステムとなっている。その後、2018年8月9日にPlayStation4に移植したリマスター版が発売されており、ゲーム内容は基本的に同じだが、以下の追加点と変更点がある。

キャバクラに登場していた『小悪魔ageha』のモデルたちの代役として、波多野結衣と桃乃木かなの2人のセクシー女優が追加された。さらにモデルたちが登場する店の名前も「club ageha」から「SHINE」、「club Koakuma」から「JeweL」にそれぞれ変更されている。また、玉城組の代紋のデザインが変更された。これは、当時の雑誌編集部がなくなって版権が消失してしまい、モデルたちを登場させることができなくなったからである。

ミニゲームの「Answer×Answer」、一部のサブストーリーが削除され、これらに伴ってコンプリートの達成条件やトロフィーの取得条件も一部変更された。

PS4に移植したことで描画とフレームレートがそれぞれ720pと30fpsから1080pと30fpsに向上している。
ディスク販売とダウンロード販売の両方に対応。同梱特典として本作のオリジナルサウンドトラックのプロダクトコードが付与されている。
モノクロパッケージからカラーパッケージになっており。パッケージデザインがPS3版と比べて桐生の咥えタバコが削除されている。

『龍が如く3』のあらすじ・ストーリー

プロローグ〜琉球街前編(第一章〜第三章)

前作の近江連合との戦いの後、桐生は自身が生まれ育った養護施設の経営者となり、遥と、彼女と同じ身寄りのない子供たちと共に静かに暮らすことを選んだ。

関西一円を束ねる極道組織・近江連合と、韓国系マフィア・真拳派との戦いから数日が経った後、桐生一馬(きりゅうかずま)は自分が生まれ育った養護施設「アサガオ」に引き取られた子供たちの世話をするべく、遥と共に沖縄へ向かう。アサガオの経営者となった桐生は、遥と様々な境遇の8人の子供たちと共に穏やかな日々を過ごしていた。しかし1年後のある日、桐生にアサガオからの立ち退きを一方的に迫る手紙が届いた。その差出人は、アサガオ一帯の土地の所有者である沖縄の極道組織・琉道一家だった。一方的なその立ち退き勧告を前に、子供たちとの平穏な暮らしを守るため、桐生は事情を探るべく琉道一家の縄張りである琉球街へと足を運ぶ。するとその道中、琉道一家の若頭・島袋力也(しまぶくろりきや)と、若衆の新垣幹夫(あらがきみきお)に出会う。この2人とは話にならないと諦めた桐生は、力也と幹夫を無視して琉道一家の事務所へ向かおうとする。すると力也はアロハシャツを脱ぎ捨てて、背中のハブの刺青をさらけ出し、桐生に勝負を挑んできた。
勝負の末、力也を下した桐生は、直接琉道一家の事務所へと乗り込んでいく。そこにいたのは、スケッチブックを手にして絵を描く1人の白いワンピースの少女・咲(さき)と、琉道一家の組長である名嘉原茂(なかはらしげる)だった。桐生を出迎えた名嘉原は、桐生にアサガオ一帯の土地が、沖縄で計画されている「大規模リゾート計画」の候補地となっていることを明かす。そして、自分と琉道一家は沖縄を愛し、仁義と地元民の気持ちと関係を重んじているからこそ、アサガオの立ち退きはやむを得ないことだと言った。しかし桐生は名嘉原のその言い分を「極道の勝手な都合」と一蹴。そこで桐生は自分も昔は極道で、他人の生活に土足で踏み込んでは何かと理由をつけていいように事を運ばせてきたことを明かした。そして「そんな俺たちの事情で振り回されてきた子供たちはどうなるんだ? 俺はな、ここで施設をやっているうちは、あいつらをそういう目に遭わせたくねぇ」と、締めくくって立ち去ろうとする桐生だが、名嘉原は桐生を呼び止め、そばに立てかけてあった刀を引き抜いた。「沖縄で生まれて60年…内地から来たガキに説教されるほど、老いぼれちゃいねえ!」と、威勢良く言い放って刀を突きつけてくる名嘉原だが、桐生は怯まずに「沖縄のことを愛しているなら、俺たちを立ち退かせることよりも、もっと他に考えることがあるんじゃないのか」と言い返す。名嘉原がそれに返す言葉もなく立ち尽くすのを一瞥した後、桐生はそのまま琉道一家を後にする。

数日後、力也がアサガオをひとりで訪れてきた。桐生は再び琉道一家が立ち退きに来たと思い、力也を追い返そうとする。すると力也は、この前とは打って変わって畏まった態度になりながら、桐生にこう話した。一昨日の夜、突然咲が琉道一家からいなくなってしまったらしく、琉道一家は組員総出で街中を探したが未だ行方が掴めていない。咲は今から3年前、琉道一家が借金の取り立てをかけた家に住んでいた娘であり、その実父がギャンブルと酒に溺れて借金を抱え、さらに母も男癖がひどく娘のことは毎日のように放ったらかしにしていたという。そしてその父は、琉道一家の取り立てに追い詰められ、幼い咲の目の前で首吊り自殺してしまい、咲はそれがショックで失声症を患ってしまった。それを不憫に思った名嘉原は、咲を引き取って育ての親となり、今では娘同然の存在として彼女を大切にしていた。しかし最近になり、行方をくらましていた母が咲を探し回っているということを知った。名嘉原は咲を事務所から出さないようにしていたが、その咲が事務所から突然いなくなってしまった。名嘉原は自棄酒に走って手がつけられない状態となってしまったという。そこで力也は、数日前の一件で名嘉原は桐生に一目置いている様子を見せていたことから、もう頼れるのは桐生しかいないと思ってここへ来たのだと語った。
力也が話し終えた後、桐生が「…さっきから聞いていると俺のこと“兄貴、兄貴”ってなに言ってるんだ? お前は琉道一家の若頭だろ。俺はお前の兄貴分でもなんでもない」と、思い出したように言った。それに力也は一瞬言葉につまり、その自分と桐生の立場上の関係の話はいいと誤魔化そうとするが、桐生は「お前みたいなヤツに兄貴と呼ばれたらウチの子供たちに悪影響だ」と、にべもなく言った。だがそれでも力也は、「俺は兄貴の強さと男気に惚れたんです! 俺にとっては、兄貴は兄貴なんです!」と、真摯な表情になって一歩も譲らず、強引に琉道一家の事務所へと桐生を案内するのだった。
桐生が事務所の奥へ向かうと、名嘉原は泡盛を何本も空けて酔い潰れていた。早速桐生が咲のことを尋ね、どうして自分で探しに行こうとしないのかと問うと、「それができたら苦労しねぇよ…咲は、俺と一緒にいるのが嫌で出てったんだ」と、名嘉原は言った。その理由に極道である自分と一緒にいるよりも、実の母親と一緒にいた方がいいだろうと不貞腐れる名嘉原に、桐生は自分も元々は咲と同じように当てのない子供で、自分も極道に育てられたことを明かした。驚きを隠せない名嘉原。そして桐生は、実の親の顔を知らない自分にとってはその極道が親で、極道だろうとなんだろうと感謝の気持ちを忘れたことは一度もないともさらに続けた後、「きっと咲もあんたに感謝している。ただ、あの子はまだ子供だ。実の親のことが恋しくなることもあるだろう。だから、あんたは安心して咲を迎えに行けばいい」と諭すようにして締めくくった。だが名嘉原は、咲が母親の顔を一目見たいだけだったとしても、いざ母親に再会したらまた前みたいに一緒に暮らしたいと思うかもしれないと力なく項垂れる。「俺みたいな極道と実の母親…並べて見比べりゃすぐに分かるこった。もうここには戻っちゃこねえよ…」と、口と腰を重くする名嘉腹を見て、桐生はならば自分が咲を探し出して話を聞くと申し出た。さらに驚きを隠せない名嘉原に「俺もあんたと同じで、目の前で困ってるガキがいると放っておけない性質(タチ)なんだ」とだけ言い残すと、力也と共に琉球街へ咲を探しに向かうのだった。
それから琉球街で咲を探し続けていると、琉道一家とは敵対関係にある沖縄の極道組織・玉城組の組員たちが現れて桐生と力也に襲いかかってくる。これを叩き伏せた桐生と力也は、咲が玉城組の事務所にいることを玉城組の組員たちから聞き出した。さらに、咲の母親が玉城組の組長の遊びの女のひとりであり、彼女が咲を玉城組の事務所へと連れてきたのだという。早速向かった玉城組の事務所の前で咲のスケッチブックを発見した桐生は、力也に名嘉原へ知らせに行くよう言った後、玉城組の事務所へと単身乗り込んだ。
玉城組の組員たちを蹴散らしながら、事務所の奥へと進んでいく桐生。奥の組長室に辿り着くと、咲と、その母親と思しき痩せた中年女、そして玉城組の組長・玉城鉄夫がいた。「琉道一家の新入りか…? 1人で飛び込んでくるとは、いい度胸だ」と、どす黒い笑いを浮かべて桐生を出迎える。桐生は自分は咲を取り返しに来ただけだと言うが、玉城は咲に用があるのは名嘉原で、彼女は名嘉原と取引をするためのただの材料だと言い捨てる。そして咲を見て、玉城は皮肉をこれでもかとばかりに浴びせる。それに驚いた咲の母が「ちょっとアンタ、何を言ってんの…? アンタこの前、咲と一緒に3人で暮らそうって!」と縋り付くと、玉城は容赦のない平手打ちをお見舞いする。そしてお前はもう用済みだと吐き捨ててくる玉城に愕然となりながら、咲の母は彼にさらに縋り付こうとするが、逆にナイフで顔を斬りつけられてしまう。さらに愕然となり、こちらを見据えてくる咲の母を嘲った後、玉城はナイフを手にしたまま桐生のほうへと向き直った。こうした目の前の一幕を目の当たりにして、桐生は舌打ちした後、「…気乗りしねぇな。殴る価値がねえヤツと喧嘩するのは好きじゃねえが、てめぇみてぇなヤツをのさばらせておくのはもっと好きじゃねえ」と、吐き捨てた。それに玉城が気色ばんだ瞬間、桐生は玉城を睨みつけて「来やがれ、この外道っ!!」と吠えた。
怒りの激闘の末、桐生は玉城を叩き伏せた。玉城は自分の敗北を信じられないまま、その場に崩れ落ちて気絶した。そこへ名嘉原と力也が駆けつけてきたのを見て、桐生は咲に名嘉原が心配してここまでやってきたと伝え、名嘉原と母親のどちらと一緒にいたいのかと尋ねる。すると咲の母がいきなり立ち上がって、「なにが娘よ…なにが母親よ…! バッカじゃないの、アンタたち!! 私はね、この子のせいで人生メチャクチャになったのよ!!」と、咲を指差して喚き散らした。咲の母は夫がいるにも関わらずに他の男の家に転がり込んでは浮気ばかり繰り返しており、それ故に咲が産まれた時点で邪魔者としか見なしていなかった。そして「咲と3人で暮らす」という条件で玉城による咲の誘拐に協力したが、玉城は自分を利用していただけだということに気づかされた今、咲の母は自暴自棄になってその絶望心を娘に転嫁したのだ。その身勝手極まりない振る舞いに激怒した力也に掴みかかられるが、咲の母は自暴自棄の勢いで力也を投げ飛ばすように振りはらい、最後に名嘉原に向かって「そんなにその子が欲しいんなら、アンタにくれてやるわ!!」と吐き捨てると、憤然とした面持ちのまま去っていってしまった。そんな咲の母の醜さをこれ見よがしに見せ付けられ、「くそ…なんて母親だ。これじゃ咲があんまりにも…」と舌打ちと共に溜め息をつく名嘉原。すると桐生が、名嘉原が拾ってきたらしい咲のスケッチブックを指差し、中を見てみろと言った。名嘉原がスケッチブックを開くと、そこには名嘉原の似顔絵と一緒に「いつもみまもってくれてありがとう」というメッセージが描かれていた。これに驚く名嘉原に「もう答えは出ていたんだ。咲は…あんたの本当の娘なんだ」と、桐生は言い、咲も名嘉原に向かって微笑みかけた。名嘉原は感涙し、咲を優しく抱きしめた。

神室町前編(第四章〜第六章)

突然の事態の急変についていけずにいる桐生に、柏木から「六代目(大吾)が撃たれた」という驚きの知らせが届けられる。

玉城組による誘拐騒動を経て桐生が名嘉原の信頼を得たことで、琉道一家もアサガオの立ち退きを強制することを取りやめた。そして沖縄を訪れていた桐生の舎弟にして東城会6代目会長・堂島大吾の立会いの元、桐生は名嘉原との兄弟の盃を結ぶようになった。アサガオで過ごせる平穏な日々を取り戻してから1年の月日が経ち、桐生たちの元に血相を変えた力也が現れ、「親父が、撃たれた…」という衝撃の報せを告げた。桐生と遥は、名嘉原が搬送された病院に駆けつけると、手術室の前で幹夫と咲と出会う。咲は銃撃の現場に居合わせていたらしく、その銃撃犯の似顔絵をスケッチブックに描いていたというのだ。そこに描かれていたのは、桐生の育ての親・風間新太郎(かざましんたろう)と瓜二つの男だった。衝撃の急展開に拍車をかけるように、桐生の恩師であり東城会の若頭を務める直系二代目風間組組長・柏木修(かしわぎおさむ)から「桐生…俺だ、柏木だ。六代目が撃たれた」と電話が入った。その言葉に驚きを隠せない桐生。今度は東京の神室町に戻った大吾が銃撃され、しかもその犯人は名嘉原を撃ったのと同じ、風間によく似た男だというのだ。この風間によく似た男の正体を突き止めるべく、桐生は再び神室町に戻ることを決意。咲をアサガオに預け、遥と子供たちに別れを告げた後、桐生は飛行機に乗って沖縄を発ったのだった。
桐生は神室町に着いて早々、戦友にして兄弟分の一輝とユウヤが経営しているホストクラブ「スターダスト」から聞こえてくる怒声を耳にする。早速行ってみると、三代目錦山組の若頭・長谷部と、彼に率いられた三代目錦山組組員たちが騒動を起こしているところだった。「せやから何が不満なんやねん、ああ!? 金やったら払う言うとるやろうが!!」と、札束を片手に一輝とユウヤに向かって声を荒げる長谷部。一輝とユウヤの目の前には、札束の山が積まれていた。長谷部は神田の命令で、スターダストを三代目錦山組の拠点とするべく、その経営権を一輝から奪い取ろうとしていた。さらに一輝とユウヤは、三代目錦山組はこのスターダストを拠点にして神室町で勢力を広げようとしていることを指摘し、その障害となる存在として風間組を挙げる。桐生がそれに驚くと、長谷部は獰猛な笑いを浮かべて、金を受け取らないなら力ずくで奪うだけだと一輝とユウヤに言い放つ。それから長谷部は桐生に向かって、自分たちの邪魔をせず大人しく帰ってくれと丁寧かつ穏便に済ませようとするが、風間組の名前が出たことに黙っていられない桐生は、首を横に振った。すると長谷部は突然嬉々とした態度になって「そういうことやぁ! お前ら、手加減は要らん!! ここにいる全員、殺したれやぁ!!」と、組員たちを桐生たちにけしかけた。大乱闘の末、桐生たちは長谷部を組員たち共々叩き伏せた。桐生は長谷部に三代目錦山組の目的は何だと問い質そうとするが、「も、もう遅いわ…柏木のおっさん、殺されるでぇ…。せ、戦争は…始まったんじゃぁ…!!」と、不穏な一言を残し、長谷部は気絶してしまった。
スターダストを後にした桐生は、柏木からすぐにでも会って話をしたいという連絡を受けて、ミレニアムタワーの風間組の事務所へと向かう。しかしその途中の路地で、サングラスと黒いコートを着た金髪の外国人の男と、その部下と思しきスーツ姿の外国人の男たちが現れ、無言で桐生の行く手を阻んできた。桐生が何者だと誰何しても、その外国人の男たちは答えることなく、桐生に襲いかかってきた。桐生はこれを撃退した後にさらに誰何するが、外国人の男たちは答えることなくどこかへ逃げ去っていった。不可解な気持ちになりながらも、桐生は風間組の事務所へと向かい、柏木と再会する。「よく来たな、桐生。あまり時間がない…お前とは色々と話しておかなければならないことがある」と、桐生を出迎えた柏木は、桐生が神室町に着いたのと同じ頃、東城会本部で開かれた緊急の幹部会のことを話し始めた。

その緊急の幹部会では、会長である大吾が不在となった今後の組の方針について話し合いが行われていた。その場に集まったのは柏木と、直系白峯会会長・峯義孝、直系三代目錦山組組長・神田強、直系浜崎組組長・浜崎豪、そして桐生の親友にしてライバルである直系真島組組長・真島吾朗ら4人の現幹部だった。倒れた大吾の代わりに桐生を呼び戻し、急ぎ東城会をまとめることを提案する柏木と峯に対し、神田と浜崎は大吾を撃った犯人だという風間によく似た男を探すのが先決だと主張する。そして神田は、初代組長・錦山彰と、先代組長・新藤浩二が桐生にやられたことを持ち出し、自らの手で桐生の首を取って東城会のトップに立ってやると鼻息荒くして宣言する。そうして収拾がつかなくなりかけた中、浜崎が思い出したように真島にも意見を出せと求めるが、真島は「アホくさ」と一蹴して席を立ち上がる。一瞬、愕然となるその場の4人に、真島は桐生を殺すなり風間によく似た男を追うなり好きにすればいいと言い、そしてもし真島組に敵として向かってくるなら容赦はしないと言い残した後、去っていってしまったという。そうして物別れに終わる形となった幹部会の話を聞いて桐生は閉口する。柏木は既に三代目錦山組や浜崎組、そして白峯会もそれぞれの思惑で動き出しており、自分は神田と三代目錦山組の動きを抑え、風間の偽者を突き止めるつもりだと言った。そこで桐生は、咲から借りてきた風間の偽者の似顔絵を柏木に見せ、自分がいた沖縄でも名嘉原が風間の偽者に撃たれたことを話した。それに驚きながらも、柏木は「これで少し見えたきたな」と、意味ありげな言葉を口にした。
柏木によると、沖縄で進められているリゾート計画の土地買収には東城会も絡んでおり、玉城組の誘拐騒動の後は一度は大吾がその話を白紙に戻したが、最近になって東城会のほうでまた急激に土地買収が進み出したらしく、大吾はその土地買収の件に巻き込まれて撃たれることになったのだろうと柏木は言った。そして、もし名嘉原と大吾を撃った犯人が本当に風間によく似た男だとしたら、どうやって名嘉原のいる沖縄と大吾のいる東京を移動してきたのかという謎に柏木と桐生が揃って頭を抱えると、突然、部屋の電気が落ちた。その直後、軍用ヘリと思しき1台のヘリコプターがどこからともなく飛来してきて、突然2人に向かってガトリングガンの掃射を浴びせてきた。桐生は辛うじて回避したが、柏木は避ける間もなく掃射を浴びて倒れてしまう。そして、ヘリコプターがどこかへ飛び去っていった後、桐生は倒れている柏木に駆け寄った。柏木は自分の血に染まった似顔絵を桐生に差し出し、この風間の偽者と繋がっている人間が東城会の中にいて、その人間が沖縄のリゾート開発の裏で利権を狙っていると言った。そして最後の力を振り絞って「この男と繋がってるヤツを、探し出せ…いいな…」と、桐生に伝えた後、事切れてしまった。

ミレニアムタワーを後にした桐生だが、柏木の血がスーツについてしまったことで、騒ぎを聞いて駆けつけてきた警察に不審者と間違われて追いかけられる。そして途中で身を隠していたところへ、一輝とユウヤと同じく親友で協力者である元刑事の伊達真が現れた。親しげに声をかけてきた伊達は、桐生を自分の行きつけのバーであるニューセレナへと案内した。ニューセレナで一息つけた桐生に、伊達は神田ら4人の東城会の現幹部の情報を教え、彼らのうちの誰かが沖縄のリゾート開発の土地買収に絡み、利権を狙っている可能性があることを伝えた。その伊達の情報から桐生は、この4人のうちの誰かが風間の偽者と繋がっており、柏木の襲撃にも噛んでいると踏み、まずは神田の元へ向かうことに決めたのだった。
ニューセレナを出ると、桐生の携帯に電話がかかってくる。「…力也です。酷いじゃないですか、兄貴…!」そう、電話の向こうで悲しそうな声を投げかけてきたのは、力也だった。実は沖縄を出る前、桐生は力也から自分もお供させてくれと頼まれたが、桐生は力也を危ない目に遭わせたくないと思い、彼に黙って一人で神室町へ向かった。しかし力也は、名嘉原を撃った犯人をどうしても見つけたい一心で、幹夫にアサガオを任せる形で桐生の後を追って神室町へやってきたのだ。そこで桐生は、神室町の公園で力也と落ち合う約束を取り付け、すぐに向かった。するとその公園で、力也が三代目錦山組の組員たちと対峙していた。その力也の後ろには怯えている1人の女性がいた。彼女は神田の命令を受けたその組員たちに無理やり連れて行かれようとしており、それを目撃した力也がすぐさま女性を助けに入ったのだった。そして桐生は力也に加勢して三代目錦山組の組員たちを叩き伏せ、神田が神室町の「赤レンガ」と呼ばれるラブホテルにいることを突き止め、力也と共に向かった。
赤レンガへ到着した桐生と力也は、すぐに神田の部屋へ向かう。桐生がいきなり自分のところに現れたことに神田は慌てふためき、組員たちを桐生と力也にけしかけ、ホテル内のどこかへ姿をくらました。そこで桐生は上の階、力也は下の階と二手に分かれることに決め、組員たちを蹴散らしながら神田を探す。そして桐生が最上階の特等客室に辿り着いた先で、神田が隠れていた客室の浴槽から不意打ちをしかけてきた。不意打ちをかわした桐生は「お前とは、ゆっくり話す訳にはいかないようだな…力ずくで話聞かせてもらうぜ」と、身構える。対する神田も「上等じゃ!! 俺とサシの勝負したこと、後悔さしたるわぁ!! 行くでぇ…四代目ぇ!!!」と、威勢良く吼えた後に桐生へ向かってきた。そして激闘の末、桐生は神田を叩き伏せた。下の階での戦いを終えた力也が駆けつけてきた頃には、桐生は神田の頭を踏みつけにして、知っていることを話せと迫っているところだった。何も知らないと苦しげに首を振る神田に「この期に及んで、何も知らないとは言わせねぇ…柏木さんを弾いたのは、お前の組だろう!?」と、さらに踏みつける力を強くする桐生。神田は悲鳴をあげながらも「ホンマや…ホンマに知らんのじゃ!! 頭弾いて、何のメリットがあるんじゃ…!? 多分この絵描いたんは、浜崎や!!」と、浜崎の名前を出した。神田によると、浜崎も自分と同じように神室町を手に入れようと動いていて、活動の拠点にしている横浜で力を溜めて攻める機会を狙っていた。だからこそ、浜崎なら柏木を襲う動機もあるというのだ。そして、これ以上は何も聞き出せないと桐生が諦めて足を離し、背を向けた隙に、神田は最後の悪あがきとして隠し持っていたドスを引き抜いた。怒声と共に桐生に突っ込む神田だが、逆に桐生の回し蹴り一発で呆気なく撃沈させられるのだった。

神室町後編(第七章〜第九章)

真島は桐生に真実を話す条件として、地下闘技場での決闘を挑む。

神田と三代目錦山組との戦いを終えた桐生は、束の間の休息として力也に神室町の観光案内をした後、彼と共にニューセレナに戻った。そこで待っていた伊達から、ある1枚の写真を渡される。そこには、リゾート開発を推し進めている国土交通大臣の鈴木善伸と真島がリゾート開発についての密談を交わしている場面が写っており、真島組がリゾート開発の利権を得ようとしているらしいと伊達は言った。言葉を失う桐生だが、真相を確かめるために真島へと会いに行く決心を固めた。そして、ニューセレナに力也を残してから、桐生が神室町の一角の更地にある真島組の事務所へ向かう。中には誰もいなく、あるのは「御用の方は“007”まで」という置き手紙と電話だけだった。桐生はその置き手紙に従い電話をかけてみたが、見知らぬ誰かの奇妙な笑い声が聞こえてくるだけで真島に繋がる気配がない。仕方なしに桐生が外に出ると、いつの間にかやってきたのか、大勢の真島組の組員たちが事務所を取り囲んでいた。驚く桐生に組員たちが一斉にお辞儀をした後、「すまんのう、桐生ちゃん。驚かせてしもうて」という言葉と共に、真島が姿を現した。東城会で跡目争いが起きている今は真島も危ない立場に置かれていて、先ほどの無人の事務所と電話は彼なりの防御策だという。真島は桐生を連れて神室町の地下にある大規模な歓楽施設「賽の河原」へと向かった。そして真島に賽の河原の一角にある闘技場のリングへと案内された桐生は、早速リゾート開発のことについて彼を問い詰めるが、真島は「大吾の為や…何とかして、大吾の奴を楽にしてやろうと思うて、俺はあの話に乗ったんや」とだけ答えた。
しかし、そこから先は桐生がどれだけ尋ねても、真島は答えようとしない。桐生が痺れを切らした瞬間、真島が不意にこう言った。「桐生ちゃんよ…こんな俺にもな、極道としての筋っちゅうもんがあるんや。たとえ俺がそいつに嵌められたとしても、タダで口割るようなことは出来へん」その言葉の後に真島が指をパチンと鳴らすと、突然、闘技場の明かりが一斉について、リングの周囲にはいつの間にかやってきたのか、大勢の観客が現れ、桐生と真島に拍手喝采を浴びせてきた。この様子を見て、桐生は詳しい話を聞きたければ、ここでの真島との勝負に勝つしかないと理解した。「俺の口を割らせたかったら…喧嘩で白黒つけてからにしようやないかぁ!!!」嬉々とした面持ちでそう吠えて、真島は上着を勢い良く脱ぎ捨てて背中の般若の刺青をさらけ出す。それに対し、「…そうだったな。俺らはいつも、そうやって生きてきたんだったな」と、不敵な笑いで応じながらも桐生も上着を脱ぎ捨て、背中の龍の刺青をさらけ出した。その瞬間、ゴングが鳴り響き、桐生と真島の勝負が幕を開けた。
勝負の末、桐生は真島を下した。最後に拳で思い切り吹っ飛ばされながら、真島は「や、やっぱりゴツイなぁ…桐生ちゃんよぉ」と、桐生の強さに満足した表情になる。その後真島は、賽の河原の奥にある自分の部屋へと場所を変えて、桐生に改めてこう話し始める。真島を鈴木との密談に引き合わせたのは浜崎で、彼は東城会が沖縄のリゾート開発の土地買収に関わっていることを嗅ぎつけ、その利権を狙っていた。そして大吾が土地買収から手を引いたのを知り、浜崎は陰で鈴木に近づき、浜崎組が東城会に代わってリゾートの土地買収を引き受けると申し出て、さらに自分が鈴木と繋がっていることを隠すためにあえて真島を鈴木と引き合わせ、その時に撮った写真をリークさせたのだ。そしてその密談がスキャンダルになって真島と鈴木が逮捕されるようなことになっても、浜崎はその後のリゾート開発を一手に引き継いで大儲けできるということだった。そんな浜崎の狡猾さに桐生は舌を巻かされるが、浜崎にはもうひとつ別の狙いがあると真島は言った。すると突然、真島と桐生のいる場所の床が下へと動き出し、神室町の様子を映し出した無数のモニターが立ち並ぶ部屋へと降りて行った。そのモニターの前の席に腰掛けたひとりの男が、煙草を燻らせながら「久しぶりじゃねえか…桐生」と、会釈してきた。彼の名は、サイの花屋。神室町いちの情報屋で、桐生の協力者のひとりだった。

サイの花屋は、真島に代わって浜崎の別の狙いについて語り始めた。浜崎はその手に入れたリゾート開発の利権を中国に売り払おうとしており、その第一歩として、かつて桐生が4年前に神室町で争った中国マフィア「蛇華」の日本支部総統・劉家龍(ラウ・カーロン)とも結託したという。ラウは4年前の桐生との戦いの後、中国へ引き揚げてからは復活の機会を虎視眈々と窺っており、そこで当時横浜の市外を仕切っていた浜崎組に目をつけた。そしてラウと結託することで蛇華のバックアップを受けた浜崎は横浜全体を手中に収め、さらにリゾート開発が成功した暁には、リゾートの地下に自分が経営するカジノを作るのと引き換えに、その経営権を蛇華に任せるという契約書をしたためたらしいというのだ。桐生はどうしてここまで浜崎について調べていたのかとサイの花屋に尋ねると、これは大吾からの依頼だと答えた。大吾は1年くらい前から東城会内部にリゾート開発の利権目当てで鈴木とつるんだ裏切り者がいると踏んでおり、サイの花屋と協力する形でその裏切り者の行方を徹底的に追い、浜崎と蛇華の密談に辿り着いたのだ。大吾と柏木を撃った犯人は浜崎なのかと桐生と真島がサイの花屋に尋ねようとしたその時、モニターのひとつに、青龍刀や長刀で武装した多数の蛇華の構成員を引き連れたラウの姿が映し出された。4年ぶりに訪れる神室町の街並みを見てどこか不敵な笑いを浮かべた後、ラウは懐から力也の写真を出して、中国語で力也を探し出せと命令した。そして構成員たちが一斉に神室町の各所へと散らばっていくのを、モニターで真島やサイの花屋と共に目の当たりにした桐生は、すぐに力也に電話をかけた。しかし力也は電話に出た直後に蛇華の構成員たちに襲われたらしく、電話は途切れてしまった。
力也を助けに桐生がすぐさま神室町へと飛び出すと、そこで待ち受けていた蛇華の構成員たちが一斉に襲いかかってきた。次々と迫り来る構成員たちを倒しながら、桐生はラウが中道通り裏の神室町ビルディングの屋上にいることを突き止めた。そしてビルの屋上に辿り着いた桐生は、その隣のビルの屋上に立つラウと対峙する。そのそばには、武装した幹部構成員に捕らえられた力也もいた。「久しぶりだな…キリュウカズマ。こうすれば、お前に会える。だからコイツ、さらった」と、悠然とした表情で語りかけてくるラウ。桐生はラウたちの目的は知っていると叫び、力也は関係ないから解放しろと要求するが、ラウは桐生のいるビルの屋上へと飛び移ってきた後、こう言った。「分かってないナ、お前は。俺が、浜崎という男に協力したのは、お前への復讐…それだけ」ラウはリゾート開発の利権目当てで浜崎と協力関係を結んだが、それは表向きのことだけでリゾート開発の利権は眼中にはなく、桐生に復讐することが本当の目的だったのだ。そして、幹部が投げて寄越した武器を受け取り、桐生に決闘を挑んできた。激闘の末、ラウに勝利した桐生は力也を助けに行こうとするが、ラウは最後の悪足掻きに桐生の足を掴み、幹部たちに力也を殺すよう命令する。ラウが勝利を確信した笑いを浮かべると、幹部たちは力也を殺そうと武器を高く振り上げた。絶叫する桐生。すると突然、銃声が連続して響き渡り、どこからともなく胸や腹を撃ち抜かれた幹部たちが絶叫と共にビルから転落していく。驚きに目を見張った桐生が銃声の方向を向くと、近くのビルの屋上に、ひとりの男が拳銃を手にして立っていた。その男の風貌は、あの似顔絵にあった通り、風間によく似たものだった。さらにラウもその風間によく似た男を見て、驚きを隠せない。そして風間によく似た男は無言でラウに銃口を向け、その眉間を撃ち抜いてとどめを刺した後、何事もなかったかのように立ち去ろうとする。我に返った桐生が「親っさん!あんた…風間の親っさんじゃないのか!? どうして大吾を、名嘉原を撃ったんだ!!」と、呼び止めると、風間によく似た男はゆっくりと振り返った。「Youが、桐生一馬か」と、英語混じりの言葉でそうしゃべってくる風間によく似た男。桐生が耳を疑うと、風間によく似た男は「Beautiful eyes……Like I heard from my brother before」とだけ言い残し、どこかへ去ってしまった。

その後、解放した力也を連れて、桐生は真島とサイの花屋の元へと戻った。そこには知らせを受けた伊達もいて、彼も力也や真島たちと共に桐生から風間によく似た男の話を聞いていた。するとそこへ、アタッシュケースを手にした峯が現れた。「まさか神室町の地下に、こんな場所があったなんて…驚きです」と、初めて訪れる賽の河原を興味津々に眺め回しながら歩いてくる。そして自分がここへ来た理由として、今回の跡目争いにおける三代目錦山組の一件には白峯会も少なからず影響していたと言い、自分はそのけじめを取りに来たと語った。アタッシュケースに入っていたのは、切断された神田の頭部だったのだ。時は遡ること昨夜、桐生との戦いに負けた神田が白峯会本部に乗り込んできて「なに澄ました顔しとんじゃ…おう峯!? おのれがチンタラしとるから、桐生の阿呆がウチに攻め込んで来たんやろうが!!」と、峯に八つ当たりしていた。それに呆れた峯は「幹部会で言ったでしょう。別に俺は桐生さんに牙向けるつもりはない。あなたが喧嘩ふっかけるようなことするから、こんなことになるんです」と一蹴すると、逆上した神田は負けた鬱憤を晴らすかのようにその場で大暴れし、総額10億は下らないコレクションを破壊する。そして挙句に神田は、桐生との再戦のために白峯会の構成員と金を要求し、自分が桐生の首を取って東城会の跡目を継いだ暁には若頭にしてやると言い放つ。すると峯は冷笑して「…本当に状況の見えない人だ」と、さらに一蹴する。それに気色ばむ神田だが、峯はこれまでにも一方的に神田から金銭の要求をされたことで既に愛想を尽かしており、神田の要求を呑むつもりは毛頭なかった。そして破壊したコレクションの総額を挙げても、金だけは腐るほど持っているからどうってことないだろうと神田に返されたことに峯は呆れ果てて、物の価値よりも金のほうしか考えていないのが神田の問題だと挑発するように指摘した。さらに逆上して殴りかかろうとする神田だが、次の瞬間、峯は神田の急所に鋭い拳の一撃を叩き込んだ。「あなたに一つ言ってなかったことがあります。私、こう見えても結構…強いんですよ」と、恫喝するように言った後、峯は神田に容赦のない連打をお見舞いした。その場に崩れ落ち、たちまち虫の息になる神田を冷ややかに見下ろし、「あんたとの縁もこれまでだ。俺は、桐生さんに義理…通してきます」と、吐き捨てるように言った後、駆けつけてきた部下たちに神田の処刑を命令した。部下たちに囲まれて、恐怖に表情を歪めた神田が何度か助けを求めるように呼んできたが、峯は一瞥もくれずにその場を後にした。
そして神田は峯の部下によって処刑され、彼の死体のうち頭部はアタッシュケースに納められ、峯の桐生たちへのケジメとして桐生たちへの見せしめとされたのだ。「神田のような男、必要以上に大きくしてしまったのは私です。手荒い方法を取りましたが、錦山組の一件、これでケジメとさせてください」そう桐生に詫びながら、峯はアタッシュケースを閉じ、それから浜崎組についてこう話した。浜崎組は協力関係であったラウが死んだことで蛇華の中国本部の報復に遭い、全ての構成員が横浜港から死体で上がり、浜崎も蛇華に捕まったか、もしくは殺されたかで行方不明のままだと言った。そして、自分はこれから他の東城会の直系組織に召集をかけて、事態の収拾を図ると言い残し、峯は去ろうとした。すると桐生が突然「お前はそういう教育をされたのか? 内輪の落とし前、大吾がそんな付け方を命令したのか」と、呼び止めてきた。それに対して峯は、大吾は錦山組の騒動のケジメとして神田の首を持っていけという命令は多分しないだろうと言いながらも、命令する大吾がいない今、この落とし前こそが自分の判断にしてやり方で、大吾の意志と東城会の未来を背負っているつもりだと言い切り、その場を後にした。その後、伊達が浜崎の行方を、サイの花屋が風間によく似た男と峯の白峯会の動きをそれぞれ追い、真島が柏木を失った風間組の組員たちをまとめることになり、力也は桐生の判断でひとまず沖縄へ戻ることになった。そして桐生も行動に出ようとした時、桐生の携帯に突然電話がかかってきた。桐生が電話に出ると、その電話の相手は「桐生一馬だな? 防衛大臣の田宮だ」と、名乗った。鈴木が沖縄のリゾート開発を進めている一方、国土防衛大臣として沖縄の基地拡大を進め、彼と対立関係を築いている人物である田宮隆造(たみやりゅうぞう)。「あんたに頼みたいことがある。まだリゾートの土地買収を止めたいと思っているなら、議事堂まで来てくれ」と言い残し、電話を切った。伊達に連絡を入れて彼にも来てもらい、田宮が寄越した迎えの車に乗り、桐生は議事堂へと向かった。

議事堂へ向かった桐生と伊達は、早速田宮と面会を果たした。田宮は自分が進めていた基地拡大法案については、最初から通すつもりはなかったと言い捨てる。それに驚く桐生と伊達に、田宮は自分はアメリカのCIAと協力関係を結んでおり、世界的に名を知らしめる武器密売組織「ブラックマンデー」を追跡し、その首領である「アンドレ・リチャードソン」という男を捕まえ、この組織を壊滅させることが本当の目的だと語った。そして、世界中に武器を売りつけており、あらゆる国の最先端の技術を欲しがっているブラックマンデーだからこそ、その為の囮としてアメリカと日本の最先端の技術を駆使したBMD(弾道ミサイル)を沖縄に配備すると大々的に宣伝する必要があった。しかし、単独での法案可決は地元住民やその内容から反対される可能性も高く、そのために対立する鈴木にリゾートの話を提案し、彼に利権を一手に渡すと持ちかけ、リゾート開発とあえてセットにして推し進めたというのだ。しかしながら、結果的に基地拡大を進める前についにブラックマンデーの正体を掴むことに成功し、基地拡大法案を通す必要がなくなったと語った。次に桐生が、風間によく似た男について心当たりがないかと尋ねると、田宮はその男は風間新太郎(かざましんたろう)の双子の弟である風間譲二(かざまじょうじ)で、CIAの極東担当の諜報員だとも語った。驚きを隠せない桐生と伊達に、田宮は今回の沖縄に絡んだ一連の事件も、すべてはブラックマンデーを潰すために自分と譲二が裏で仕組んだことだと言った。桐生が田宮の頼みについて尋ねると、田宮は「2人の男を救ってやってほしい」と言った。そのうちのひとりは、自分の秘書であり大吾との連絡役だった當眞昌洋で、當眞は田宮の基地拡大法案の本当の目的を知り、2週間前に自分の秘書を無断で退職した。そこで沖縄出身であることから沖縄をより豊かにしたいあまり、當眞は鈴木と、鈴木と癒着した東城会の人間である峯をリゾート開発計画を別に動かせる存在だと注目し、峯にも擦り寄ったのだという。そうなってしまった以上、當眞から峯に基地拡大法案の目的が漏れる危険性が高い。CIAはこれを危惧しており、譲二に命じて口封じに當眞を消させようとしている。だからこそ田宮は、當眞が消されるのを止めてほしいと桐生に頼んできたのだ。
また、田宮は今回の一件でCIAが諜報員へ下した命令には、ブラックマンデーの動向を追う他にも、そのために障害となる対象を悉く排除することも含まれていると言った。さらにCIAが日本に派遣した諜報員は譲二だけではなく、桐生も既に会っているはずだと田宮が言う。桐生の脳裏に神室町の路地で襲ってきたあの外国人の男たちが思い浮かぶ。そう、桐生を襲った外国人の男たちは譲二と同じCIAの諜報員で、その理由は桐生が沖縄の基地拡大と連動しているリゾート開発を中止させようと動いていたからであり、さらに柏木を襲ったヘリコプターもCIAのものだと田宮は言った。そして大吾と名嘉原についても、土地買収を断ることでリゾート開発を止めようとしたからこそ、譲二に撃たれたのだろうと桐生と伊達も推測した。

桐生は當眞が協力者として擦り寄った峯について田宮に尋ねた。以前の玉城組が起こした誘拐事件にて、彼らが咲を使って名嘉原と取引することで行おうとしていた土地買収が失敗してからは、リゾート開発の土地買収は行われていなかったことを話した。リゾート開発の土地買収が進まなければ基地拡大法案も止まってしまい、ブラックマンデーの行方を追うことはできない。だから譲二は基地拡大法案を進めるべく、名嘉原を撃って彼が持っているアサガオの権利書を奪い、さらに大吾と会って東城会にも協力を取り付けて、土地買収を強引に推し進めようとした。しかし大吾も土地買収を断ったことで、譲二に撃たれることになり、そこで當眞は利権全てを渡すという条件で、峯にリゾートの土地買収に協力するよう話を持ちかけたのだった。そして最後に譲二がどうして日本人なのに、大吾や名嘉原を撃ってまでCIAの任務に徹しようとするのかと桐生が不可解に思った時、「譲二にとっては、CIAは己の生きてきた人生のすべてだ」と田宮は言い、もう1人の救ってほしい男として譲二を挙げた。かつて譲二は兄が東城会の顔役というだけで日本の警察にいられなくなり、路頭に迷うことになったが、そこへ救いの手を差し伸べたのがアメリカのCIAだった。そしてCIAで新たな人生を手に入れることができたからこそ、譲二はCIAの為ならばどんなことでもやる覚悟を持つようになったという。しかし田宮は譲二とは警察庁時代での親友でもあり、さらにすでに秘書を止めた身であるとはいえ當眞が政治家として将来を期待できる人間だと信じている。だからこそ、親友が自分の部下の将来を奪うのは見過ごせられないから、田宮は桐生に譲二と當眞を救ってほしいと頼んだのだ。そんな田宮の人情に心を打たれた桐生は、田宮の頼みを引き受け、田宮も桐生が當眞を譲二から守ってくれたら、沖縄のリゾート開発は自分が止めると約束した。
そして、當眞が地元の県議会議員との会合のために沖縄へ向かったことを聞いた桐生は、沖縄へ向かうべく議事堂を後にしようとした。しかしそこで「問題はここからだ」と田宮が窓の外を見て言った。桐生と伊達も外を見てみると、議事堂の外には鈴木直属のSPたちが集まってきていた。田宮によると、このSPたちは當眞の差し金だという。しかし、目的が決まった以上、もう後戻りはできない。桐生は伊達を裏口へと行かせた後、自分はSPたちが集まる正門の強行突破を決意する。だが、倒しても倒しても次から次へと押し寄せてくるSPを前に、桐生も次第に追い詰められていく。万事休すかと思われた次の瞬間、真島がダンプカーに乗って救援へと駆け付けてきた。そして、桐生は真島のダンプカーに飛び乗り、無事議事堂を脱出することができたのだった。

琉球街後編(第十章〜第十一章)

ポールダンサーたちで賑わう店で豪遊する當眞の前に堂々と現れた譲二は、無言でいきなり拳銃を突きつけた。

真島の助力で窮地を脱することができた桐生は、急いで東京の空港へ向かい、沖縄へと戻った。そこで田宮から、當眞が会合を終えてプライベートで飲みに出かけたという電話がかかってくる。早速Canal Grandeへ向かうと、セクシーな衣装を身につけたダンサーの女性たちがポールダンスを各所のステージで踊っている店内の一角で、當眞を見つける。酒ですっかりできあがった當眞はキャバ嬢たちに豪語していた。そして桐生は、その當眞のいる席に向かって、あの風間によく似た男・譲二がゆっくりと進んでいくのを目撃した。譲二は當眞のところへ辿り着くと、ゆっくりと銃を取り出し、無言で突きつけた。當眞は一瞬で酔いが覚めて恐怖に表情を歪め、キャバ嬢たちが悲鳴をあげて逃げ出した。そこへ駆けつけてきた桐生が、譲二に待ったをかける。振り返る譲二に、「田宮は俺に、あんたを止めるように頼んできた。たとえCIAの命令だろうと、こんなことするのはあんたの本心じゃないはずだ」と、訴えた。その桐生の言葉を聞いて、當眞は慌てて逃げようとするが、譲二が威嚇射撃を行って止める。本気で當眞を殺す気かと尋ねる桐生に、譲二がようやく口を開いた。「桐生一馬だったな…お前もかつて極道に生きた男なら、親の命令がどれだけのものか分かるだろう」そう切り出した譲二は、自分にとってCIAは親のような存在で、殺せと命令されたら例え相手が誰だろうと殺すしかないと言い切った。そして當眞へ向き直った譲二は、恐怖におののく彼に向かって「一緒に地獄で会おう」と、言い放つと共に引き金を引いた。しかし桐生が譲二に突進して、その銃撃の軌道をそらした。そして桐生が逃げろと叫ぶと、當眞は悲鳴をあげてその場から逃げ出した。それから桐生は、譲二と対峙した。自分は當眞と譲二も救うと田宮と約束したとさらに訴える桐生に、「田宮め…相変わらず甘い男だ」と、譲二は田宮を謗った。それでも桐生は譲二にこれ以上人を殺してほしくないとさらに訴えるが、譲二は自分は命令に従うだけだと姿勢を変えない。そして桐生は、もう説得は無駄だと悟り、拳を構える。その桐生の心構えに流石は兄が見込んだ男だと讃えながら、「兄貴と同じ血の通った俺を…お前は殴ることが出来るのか?」と、譲二も拳をゆっくりと構えた。「さあな。だが重要なのは血じゃない。俺と親っさんは、絆で繋がってる」と、桐生が怯むことなく返した後、「その絆、しっかり見せてもらおうか。桐生一馬…覚悟!」と、譲二は桐生に向かってきた。
壮絶な一騎討ちの末、桐生はついに譲二を下した。桐生の渾身の一撃を受け、吹っ飛ばされる譲二。自分も歳のようだと自嘲しながらも敗北を潔く認める譲二に、桐生も息を荒くしながら譲二の実力を称賛した。そして譲二が「田宮の望み通り…そこのboyのことは、忘れよう」と言ったので、桐生が後ろを振り返ると、當眞が立っていた。「桐生さん…あなた先生に本当に頼まれてここに…?」と、浮かない表情で尋ねてくる當眞に、桐生は頷いた。それに當眞は、自分は田宮を裏切って鈴木と峯についたのに、どうして田宮が自分を助けるようなことをしたのかと桐生にさらに尋ねる。それに桐生は「田宮にとって、お前が裏切ったかどうかは問題じゃない。お前の沖縄を救いたいという熱い想い、田宮に伝わっていた…お前がいい政治家になると、言っていたぞ」と、答えた。その言葉に當眞は泣き崩れて膝をつき、田宮への謝罪の言葉を繰り返し続けたのだった。その後、當眞は田宮に直接会って謝るために最終便で東京へと帰っていき、桐生は譲二から大吾と名嘉原の銃撃事件について聞くことになった。譲二は大吾と名嘉原は基地拡大法案を通過させるために巻き込まれたが、本来は撃たれる必要はなかったと言った。さらに譲二によると、大吾と名嘉原を撃ったのは自分のCIAの同僚で、その同僚は桐生を神室町で部下と共に襲ってきた金髪のコートの男だということだった。大吾の時は、譲二がその金髪のコートの男と共に土地買収の件で彼と面会することになったが、大吾が譲二が上着のポケットに手を入れたのを見て、拳銃を出そうとしたと勘違いした。そこで焦って大吾が拳銃を出した瞬間、金髪のコートの男は大吾に向けて発砲したのだ。そして一方の名嘉原は、大吾の時と同じく土地買収の件で譲二たちが琉道一家の事務所を訪れた時、譲二がアサガオの土地の権利書を取り上げようとしたのを見て銃を取り出してきた。それを見た金髪のコートの男が、名嘉原に向けて発砲したのだという。譲二はこれらの一件について、CIAも作戦のためとはいえ人命を奪うことはなるべく避けて通る方針をとっているが、相手が銃を持ち出してきたあれらの場面では仕方がなかったと語った。しかし、その金髪のコートの男に代わるように、任務とはいえ本当に申し訳ないことをしてしまったと、譲二は桐生に頭を下げたのだった。

譲二は、自分はCIAの諜報員として極秘の任務に就いているからこそ大吾と名嘉原に直接会って謝ることはできないと言い、桐生に2人にすまなかったと伝えておいてくれと頼んだ。しかしその際、譲二は桐生が大吾の入院先について何も聞かされていないことに疑問を覚える。そこで「もしもあの峯が堂島大吾が生きているということを知っているとしたら、どうするだろう?」と、譲二は峯の名前を出した。そして譲二は、峯は鈴木だけでなくブラックマンデーとも結託している可能性があることを挙げ、もしブラックマンデーの力を借りてでも東城会のトップを狙っているとしたら、大吾の命を狙っている可能性もあることを否定できないと言った。それから大吾が入院しているのが神室町の付近にある「東都大医学部附属病院」であることを譲二から教えてもらった桐生は、すぐさま大吾の元へ向かおうとした。しかしその時、アサガオで暮らす孤児のひとりである太一が、慌てた様子でその場に駆け込んできた。「大変!! 大変なんだよ…おじさんっ!! アサガオが…アサガオがっ!!」ひどく慌てた表情で桐生に縋り付いてくる太一が持ってきたその知らせに、桐生は驚愕した。桐生がCanal Grandeに向かったのと同じ頃、アサガオでは一命を取り留めて退院してきた名嘉原、そして力也と幹夫が遥ら子供達と一緒にサッカーをして遊んでいた。するとそこへ、ハンマーやツルハシなどの工具で武装した玉城組の組員たちだけでなく、玉城、峯が現れたのだ。何の用だと叫びながら前に進み出る力也と幹夫に、玉城はいきなり発砲して手傷を負わせる。それから峯が、アサガオと子供たちに向けてゆっくり足を進めていくと、遥がアサガオと子供たちを守るかのように両手を大きく広げてその前へ飛び出してきた。極道である自分を前にしても怯むことなく真っ直ぐに見返してくる遥に、峯は恫喝とも取れる言葉を口にした。さらに桐生を偽善者だと謗り、遥たちもある意味桐生の被害者かもしれないとも嘲ってきた。
それに怒った遥が峯の頬を叩くと、峯も容赦なく遥を殴り飛ばした。地面に倒れながらも真っ直ぐに自分を睨んでくる遥に、その威勢がいつまで続くのか楽しみだと言いたげに嘲笑った後、峯は玉城たちにアサガオを破壊しろと命令を下す。そして玉城組の組員たちが次々とアサガオへ足を踏み入れてくるのを見て、力也と幹夫はアサガオと子供たちを守ろうとするが、多勢に無勢で押し切られてしまい、幹夫は深手を負ってしまう。それを見て幹夫を助けに向かおうとする名嘉原だが、そこへ玉城が立ち塞がった。名嘉原は自分の命が欲しいなら差し出すからアサガオと子供たちに手出しはしないでくれと土下座をする。しかし玉城は、名嘉原の頭を踏みつけて蹴飛ばした後、組員たちに彼を取り押さえさせる。玉城が号令すると、アサガオの塀を破壊して、巨大なブルドーザーが姿を現した。ブルドーザーはアサガオに突っ込み、建物は破壊されてしまった。遥たちと力也は無事だが、幹夫は意識不明の重体となってしまい、名嘉原は連れ去られてしまった。そして幹夫を急ぎ病院へと搬送した後、桐生は名嘉原が連れ去られたのは琉球街外れの闘牛場だと力也から聞いて、すぐさま名嘉原の救出へ向かおうと動き出す。力也もお供させてくれと頼んできたが、足を銃で撃たれた今、ついてきても犬死するだけだと桐生は取り合わない。「でも俺は、琉道一家の若頭です…子分やられて、親拉致られて、大人しくしてる訳にはいかないんだ!! 俺だって、一人前の…一人前の男になりたいんだ…!」と、泣きそうな顔で訴えてくる力也に、「気持ちは分かるが、死ぬと分かってて闘うのが一人前の男って訳じゃない。男なら、命を張る場面はきっと来る…お前にその時が来たら、思い切りやればいい」と、桐生は優しく諭した。

桐生が街外れの闘牛場へと向かうと、中央のリングの中には獰猛な4頭の闘牛がいて、奥の観客席には玉城がいた。高笑いと共に桐生を出迎える玉城。玉城は1年前にこの闘牛場をアジトとして活動を続ける一方、自分を打ち負かした桐生への復讐の機会を望んでいた。そんな中、沖縄へ突然やってきて協力関係を結ぶことになった峯から、桐生に会わせてやると聞いた時は嬉しすぎて鳥肌が立ったという。そして峯から与えられた役目はアサガオの破壊と桐生の足止めで、桐生を殺せば白峯会から10億円の報酬が与えられ、琉道一家も壊滅させれば沖縄は全て自分のものになる、と、玉城は言い放った。その直後、名嘉原が玉城組の組員たちによって、闘牛のいるリングへと放り出される。それを見た桐生が助けに向かおうとするが、玉城が拳銃を取り出して制止をかける。そして、自分が拳銃を撃てば闘牛が一斉に名嘉原に向けて突進すると桐生へ脅しをかけると、玉城は組員たちを観客席へと呼び出して桐生へと向かわせた。「名嘉原の始末は後回しだ…まずは、お前を血祭りにして、その後たっぷり闘牛と遊ぶとしようじゃねえか」と、玉城が勝ち誇ると、「そうはさせねえ!!」と、どこからともなく力也の叫び声が飛んできた。玉城と桐生が振り返ると、力也が咲と一緒に別の観客席に現れた。力也は咲がどうしても1人でここへ行こうとするのを止められなくて、言いつけを破ってでも彼女と共にここへ来るしかなかったことを詫びた。そして続けざまに、玉城に向かって警察には連絡済みで、10分もすればこの闘牛場に雪崩れ込んでくると力也は言い放った。それに顔を怒りと驚きに引き攣らせる玉城に力也は啖呵を切った。この啖呵に楽しみを邪魔されたことに玉城は気分を壊すが、「そうかぁ…お前ら名嘉原が死ぬとこよっぽど見てぇらしいなぁ〜? それなら望み通り、見せてやるよぉ!!!」と、不敵で獰猛な笑いと共に拳銃を空に向けて発砲した。その瞬間、拳銃の音を聞いて一斉に興奮した闘牛たちが、物凄い勢いで名嘉原の周りを走り出した。絶叫する力也と桐生。そして玉城は再び勝ち誇り、「名嘉原ぁ!! テメェと琉道一家は、これで終わりだぁー!!!」と、盛大に高笑った。するとその時、闘牛の一頭が名嘉原に狙いを定めたのを見て、咲が「お父さん…!!」と、声を絞り出した。それに名嘉原、桐生と力也が驚いて咲を振り返ると、彼女は悲痛な表情で「お父さんっ…!! 危なぁぁいっ!!!」と、叫んだ。その咲の悲鳴を聞いた瞬間、名嘉原は向かってきた闘牛の角をガシッと受け止め、渾身の力で闘牛を投げ飛ばした。意外な事態の展開に驚く玉城と桐生たち。そして名嘉原は玉城に向かって「玉城ぉ…! 久々に思い出したぜぇ〜! 街で暴れまわってた頃の、自分をよぉー!!」と、闘志漲る雄叫びをぶつけた。これに玉城が怯んだのを尻目に、名嘉原は自分なら大丈夫だから玉城と組員たちの相手を任せると桐生に叫んだ。そして桐生も玉城組の組員たちへ向き直り、啖呵を切ったと同時に、玉城が再び不敵で獰猛な笑みを浮かべ、組員たちに全員始末するよう、命令を下す。

大激闘の末、桐生は組員たちを薙ぎ倒し、さらに玉城も打ち破って、名嘉原の救出に成功する。闘牛との戦いをなんとか乗り越え、力を使い果たした名嘉原は、リングの隅にへたり込みながら「これくらいでへたばっちまうなんて…お互い歳だなぁ」と、桐生に笑いかける。それに桐生が「一緒にするな」と、笑い返した後、満身創痍となってその場に倒れこんでいた玉城が、最後の力を振り絞って拳銃を手に取る。そして、苦悶と憎悪の叫びと共に一気に立ち上がった玉城は、桐生が振り返った瞬間、彼めがけて発砲した。しかしその時、力也が桐生をかばい、その胸に銃弾を受けた。血を吐いて、その場に崩れ落ちる力也に駆け寄り、抱き止める桐生。玉城がさらに桐生に向けて発砲しようとした瞬間、どこからともなく飛んできた銃弾が、玉城の頭部を貫いた。絶命する玉城。桐生が振り返ると、そこには後から駆けつけてきたらしい譲二が拳銃を構えて立っていた。「…一足、遅かったか」と、桐生と力也を見て表情を暗くする譲二。桐生は力也の胸を両手で押さえ、必死に血を止めようとしながら、しっかりしろと呼びかけ続ける。「あ、兄貴…お、俺は…兄貴を…守ったん、すよね? これで…俺も、一人前の、男、かな…?」と、苦しげに呻きながら、力也は桐生に笑いかけた。そして、桐生に会えて楽しかったと別れの言葉までもを口にしてきた力也に、桐生は涙を溢れさせた。その桐生の涙を見て、力也は最後の力と思いを振り絞って、彼にこう訴えた。「兄貴は…カッコいい…最高に…! ぜ、絶対に、あの…峯って、ヤツに…負け、ないで……その訴えを受け止めた桐生は、わかったから死ぬなと声を涙に濡らして叫ぶが、力也はそのまま事切れてしまった。その瞬間、桐生は頭が真っ白になりそうになりながらも、動かなくなった力也を抱きしめて叫び続けた。「力也…い、力也!? お前なに勝手に死んでんだおい!! 俺は許さねえぞ…力也っ!! 力也ぁぁぁぁああああ…!!!」桐生の悲痛な叫びが、闘牛場に静かにこだました。

エピローグ(第十二章)

大吾の病院に到着した桐生の前に、峯の命令で待ち受けていた白峯会の構成員たちが現れ、総攻撃をしかけてくる。

闘牛場での戦いの後、譲二が手配したCIAのジェット機で、桐生は遥と共に東京へ戻ることになった。譲二は大吾と名嘉原が撃たれた日、同僚で2人を撃った犯人である金髪のコートの男と共にこのジェット機で東京と沖縄をわずか1時間で行き来していた。譲二から自分はCIAに救助のヘリを要請して迎えに行くから、病院で大吾を見つけたら屋上へ向かえという指示をもらった後、桐生は遥と共にジェット機に乗り込み、東京へ向かう。そして病院へ行けば峯との戦いが待っていて、二度と戻れないかもしれないと覚悟した桐生は、遥と神室町をもう一度見て回って過ごした後に彼女を伊達に預けた。その直後、譲二から電話がかかってきた。譲二は先ほど、CIA本部を通して自分以外の東京にいる諜報員たちに桐生の支援に回れと通達を出したが、その通達を出した諜報員たちの中で、何人か連絡が取れないということだった。また譲二は、自分たちの任務はあくまでリチャードソンの逮捕であり、譲二からの通達を受けていない諜報員たちにとって、桐生はその任務の障害でしかなく、彼らと接触した場合交戦は避けられないと警告してきた。その譲二の警告から、CIAが全員味方ではないと理解した桐生は、さらに覚悟を固めて病院へと向かった。そして病院に到着すると、峯の命令で待ち構えていた白峯会の構成員たちが現れ、桐生の行く手を阻んできた。桐生は拳を構え「死にてぇヤツだけ、かかってこい!!!」と叫び、白峯会の構成員たちへ向かっていった。
各所で待ち受ける白峯会の構成員たちと激しい戦いを繰り広げ、この悉くを薙ぎ倒した桐生はついに大吾の病室へと辿り着いた。しかし、病室に大吾の姿はなく、そこにいたのは彼と名嘉原を撃ったあの金髪のコートの男だった。思わぬ再会に驚く桐生に、「少し遅かったようだな…堂島大吾なら屋上だ。峯が連れて行ったよ」と、金髪のコートの男は上を指差しながら英語で言った。その言葉は英語ではあったが大吾は屋上にいると確信した桐生だが、直後に金髪のコートの男がゆっくりと身構えたのを見て、彼がこのまま自分を黙って通すつもりはないと悟った。金髪のコートの男は「ここで終わりだ…桐生一馬!」と、英語で言い放ち、桐生に向かってきた。そして金髪のコートの男と、彼が部下として呼んだCIAの諜報員たちとの戦いも見事に切り抜けた桐生は、屋上へと向かう。そこで桐生はストレッチャーの上で意識不明となっている大吾を発見すると共に、ついに峯と対峙するのだった。「やっぱり来てくれましたか…流石です。嬉しいですよ、桐生さん」と、桐生を出迎える峯。桐生は峯にこれから大吾をどうするつもりだと問い、大吾を殺して東城会の跡目につくのが目的ではないのかと叫ぶ。それに峯は、跡目なんて本当はどうでも良かったが、大吾が撃たれて目を覚まさない状態になってしまった以上、こうするしかなくなったと言った。それに桐生が訝しげになると、峯は「俺はね、あんたと同じ…孤児だったんですよ」と、言って、自らの過去をこう語った。

幼少時代の峯は成績が優秀だったが、貧しい孤児であった為に他の子供たちからいじめを受け続け、さらに唯一の身内として「おじさん」と呼ぶ男性がいたが彼にも死別されてしまい、人との繋がりを知らないまま生き続けた。そんな孤児としての過去がトラウマとなった峯は、成り上がって富を得ることを決意し、ベンチャー関係の会社員になった。それから峯は、金を得るためだけに必死に働いた末に膨大な富を手に入れたが、周りは金のことしか考えない人間しかいなく、人間不信に陥った。そんな中、峯は自分が求める人との繋がり、人情や絆というものが存在するといわれる仁侠の世界に足を踏み入れた。そこで神田からの紹介で東城会に入ったところ、大吾が暖かく迎えてくれたことで、峯は初めて人との繋がりを知った。それからは大吾のためにと弱体化した東城会を再建させるべく、峯はリゾート開発を引き受けて多額の報酬を得ようとしていたが、その矢先に大吾が撃たれて意識不明となり、死人も同然な状態になったことに絶望した。そこで峯は自分が自分が大吾のために最大限にできることとして、ブラックマンデーの協力を得て東城会のトップに立ち、そして大吾を安楽死させることを決意したのだった。そうして自分の過去と目的の全てを話した峯は、大吾に向けてゆっくりと拳銃を向けた。大吾はまだ生きていると叫ぶ桐生に「こんなチューブを付けて生かされているのは…人間じゃない。俺にとっての大吾さんは、こんな姿をした人じゃない。こんな大吾さん、俺はこれ以上見たくないんですよ!」と、峯は吐き捨てながら、ゆっくりと引き金に手をかけようとする。すると桐生は「お前、何か思い違いしてんじゃねぇのか?」と、言った。それに峯が手を止めると、桐生は人間はしがみついたり這いつくばったりしても生きることに価値があり、大吾だってまだ必死に生きようとしていると言い、そんな大吾を殺そうとするのかと訴えた。
その桐生の訴えを峯は嘲り笑った後、勢いよく銃口を桐生に向けた。「俺はね、あんたみたいな義理人情だけで生きてきたみたいな奴が大嫌いなんだよお!!! なんであんたはそうなんだぁ!? あんたも俺と同じ孤児だろうが…!! なのにどうしてそんなことが言えるんだあ!!!」と、峯は鬼の形相で吼えた後、桐生の周りに向かって連続で発砲する。だが桐生は動じることなく「お前は何にも分かってない。お前の周りから人が去っていく理由、俺にはよくわかるぜ」と言い放つ。それに逆上した峯が何を知っているとさらに吠えると、桐生はその根拠をこう語った。峯も結局は過去に金のことしか考えなかった周りの人間と同じで、峯も彼らも金に振り回され、人間そのものと向き合うことをしなかった。そして峯は自分しか信じようとしないから、人から愛されることはないのだ、と。逆上した峯が「黙れぇ!!!」と、吠えてさらに威嚇射撃を浴びせることで桐生の言葉を遮った。これに対し、桐生は上着を勢いよく脱ぎ捨ててゆっくりと身構える。何をする気だと叫ぶ峯に、「お前みたいな人間には、口で説明しても伝わらない。だったら俺が、俺なりのやり方で…お前に教えてやる」と、桐生は言い放つ。これに峯は馬鹿にしたように大笑いした後、拳銃を放り捨てた。「いいでしょう。気持ちだけで人間どこまでやれるのか、教えられるもんなら俺に教えてくださいよ」と、峯も上着を脱ぎ捨て、背中の麒麟の刺青をさらけ出した後、桐生へと向かってきた。こうして、桐生と峯による最後の決戦の火蓋が切って落とされた。

大決戦の末、ついに桐生は峯に勝利する。「負けた…のか。俺が…?」と、満身創痍になった峯はその場に倒れこみ、自分の敗北が信じられないと言いたげな顔になる。その直後、峯のポケットに入っていた携帯が鳴り出した。峯が電話に出てみると、「片瀬です…会長、私、どうしたら良いか…」と、弱々しく縋ってくる女性の声が聞こえてきた。その女性は峯の秘書である片瀬で、峯も自分の率直な判断を受け入れ、それを実行するなど自分を中心に考えてくれることから、彼女のことを厚く信頼していた。自分の身を案じて連絡してきたと僅かながらに期待した峯だが、片瀬が口にしたのは、峯が仕事として扱う株取引における数千億規模の案件における決定だった。自分を心配しての連絡ではないことに失望した峯は、片瀬の言葉を最後まで聞き終わらないうちに携帯を放り捨てた。「金か…結局、金しか、残らなかった…」と、峯は溜め息をついた。自分は、自分の力と金だけを信じてここまでのし上がってきたが、自分が心から求めた人との繋がりは結局手に入らなかった。自分も含めた人間は結局誰かを信じたい、または誰かから信じてもらいたいだけだったのかもしれない、と、峯は自嘲する。しかしその自嘲の後、何か吹っ切れたみたいに穏やかな気分だと峯は言った。「すべてが終わる時って…こんな気分なのかな…?」と、語りかけてくる峯に、「人間生きてりゃ、終わりなんてない。いつだってやり直せるんだ」と、桐生は手を差し伸べる。それに縋るように峯が桐生の手を取り、ゆっくりと立ち上がった瞬間、金髪のコートの男が部下たちを引き連れて現れた。峯によると、あの金髪のコートの男こそがアンドレ・リチャードソンであり、彼と一緒に居る部下たちはブラックマンデーの構成員で、彼と共にCIAに潜り込んだスパイだという。さらにリチャードソンから得た情報で、峯は桐生がここに来ることも知っており、さらにCIAや譲二の動きもリチャードソンには全て筒抜けだったと峯は言った。「お前の役目は終わったようだ」と、英語で言いながら、リチャードソンは峯に向けてゆっくりと銃を向ける。リチャードソンは桐生に負けた以上峯はもう利用価値がないと判断し、桐生共々ここで始末してから基地拡大法案を実現できる人間を探すつもりなのだ。「お前の代わりはいくらでもいる。すまないが…私の素性を知ってしまった以上、ここで2人とも殺すしかない」と、英語で吐き捨てながら、リチャードソンは桐生たちに向けて引き金を引こうとした。すると当然、ストレッチャーから大吾が転げ落ちた。それにリチャードソンが驚いて振り返ると、先ほどの桐生と峯の一騎討ちの間に意識を取り戻していたらしい大吾は、身を起こしながら隠し持っていた拳銃をリチャードソンの部下たちに向けて連射する。意外な事態にさらに驚くリチャードソンに向かって、「まだ、死ぬ訳にはいかないんだよ…俺はっ!!」と、大吾はリチャードソンの胸めがけて銃弾を浴びせた。胸を撃ち抜かれ、その場に倒れたリチャードソンは、大吾に短い罵声を浴びせた後、そのまま動かなくなった。
そして大吾も、力尽きて再び倒れこんだ。桐生が駆け寄って抱き起こし、大丈夫かと問うと、大吾は頷きながら何があったのかと桐生に問おうとした。その時、峯ががくりと両膝をついた。傷だらけの峯を見て大吾は驚き、大丈夫かと聞こうとした瞬間、リチャードソンの高笑いが聞こえてきた。桐生たちがそちらを向くと、口から血を溢れさせ、表情を苦悶と赫怒に歪めながら、リチャードソンが起き上がってきた。大吾の銃撃で致命傷を受けたが、まだしぶとく生き残っていたのだ。「お、お前ら…皆殺しだぁ…!!」と、激しい英語の罵声を浴びせながら、リチャードソンは再び拳銃を手に取り、桐生と大吾に銃口を向けて迫る。その瞬間、峯が雄叫びをあげ、渾身の力を持ってリチャードソンに向かって突進した。リチャードソンが気付いて銃撃をこれでもかとばかりに浴びせてくるが、峯はそれでも足を止めず、リチャードソンの手から拳銃を叩き落とし、羽交い締めにして屋上の縁まで引きずった。それでもまだ足掻こうとするリチャードソンを押さえつけながら、峯は大吾の方を向いて「会長…すみませんでした」と、まず一言詫びた。大吾が「何を言っているんだ!? 何をしている! こっちに来いっ!!」と叫ぶが、峯は今の自分に大吾のそばにいる資格はないと言った。そして峯は桐生に「もう少し早くあんたに会って、教えてもらいたかった…」と名残惜しみながら、自分も極道として最後まで自分なりの筋を通させてもらうと言った。この峯の言葉から、桐生と大吾は、峯がリチャードソンを道連れにすることでけじめをつけようとしていると知り、さらに制止を叫んだ。しかし峯は二人の制止を無視し、リチャードソンを引きずりながら屋上の縁へと立った。最後に桐生と大吾を見て「生まれ変わったら…俺もそっちにいれるかな…?」と、笑いかけた後、峯はそのままゆっくりと身を躍らせた。桐生と大吾の絶叫、そしてリチャードソンの断末魔の叫びが響き渡る中、峯はリチャードソンと共に転落していった。最後にその場に残された桐生と大吾が峯の最期に呆然としていると、そこへ譲二と遥の乗った救助のヘリが迎えにやってきた。そんな中。大吾が思い出したように「桐生さん…まさか、東城会を裏切ったのは…峯、だったんですか」と、桐生に尋ねた。これに桐生は首を横に振り「あいつは…峯は、裏切り者なんかじゃない」とだけ言った。こうして、戦いの幕は閉じたのだった。

次の日、桐生は遥と共に飛行機に乗って沖縄に帰ることになった。見送りに来た一輝とユウヤに別れを告げた後、空港へ向かうためにタクシーを探そうとする桐生。すると彼の背後に「おう…桐生…」と、ひどく沈んだ男の声が投げかけられた。振り返ると、暗い色のコートと帽子に身を包み、うらぶれた雰囲気となった浜崎が立っていた。「全て失っちまったよ…お前のせいでな」と、桐生を睨めつけながら、浜崎は深く嘆息し、捕まるくらいならもう首でも括るしかないと吐き捨てる。それに桐生が「死ぬくらいなら、生きて罪を償えよ。死ぬ覚悟があれば、なんでも出来るはずだ。お前に信じる物があってやり直すつもりがあるなら…力を貸すぜ」と言うと、浜崎は懐に隠し持っていたナイフを桐生に突き刺した。これに周りの通行人が次々と気づき、悲鳴をあげ、どよめき出す中、浜崎は桐生に向かって怒りと恨みの言葉を爆発させた。「死ぬ気になりゃ、なんでも出来るってか!? 人間死んじまったら、信じるどころじゃねえんだよぉ…!! お前は甘ぇんだよお!! 死んじまう時は、信じるとかどうとかどうでもいいってよお…!!!」そんな、憤りとやり切れなさが綯い交ぜになった顔で叫び続ける浜崎だが、桐生は弱々しいがはっきりとした声と表情で「俺は…信じる…」とだけ答えた。するとそこへ、「おいっ!! テメェなにしてんだよぉー!!!」と、絶叫しながらユウヤが一輝と共に浜崎に突進し、浜崎を取り押さえるが、同時に桐生も力尽きてその場に倒れこんだ。悲鳴をあげて駆け寄ってくる遥。「おじさん…おじさんっ!! そんな…嫌だよ…! ねぇ、おじさんっ!!!」と、泣きそうな顔と声で縋り付いてくる遥を見て、桐生は最後にこう言った。「俺は…峯に、教わったんだ…。信じる心ってのは…人間、死ぬ間際でも、持てるんだってことを…」その言葉の後、桐生は意識を失った。
それからしばらくした後、一命を取り留めた桐生は、再建したアサガオにてまた以前のような穏やかな日々を過ごしていた。同じく一命を取り留め、退院した幹夫、咲や他の子供たちが元気良く駆け回る中、桐生は遥と共に、晴れ晴れとした青空を見上げていた。

『龍が如く3』のゲームシステム

シームレスバトル

前作まではアドベンチャーモードから戦闘シーンに入る場合、一度ロードして画面を切り替えるシステムとなっていた。しかし本作ではアドベンチャーモードでのイベント発生、もしくは街を探索している中で敵と遭遇した時に、バトル開始の合図が発生するとロードなしに即座にバトルが開始される。敵がうろつく街の中というアドベンチャーの緊張感がそのままバトルへ繋がることで、スムーズで臨場感あふれる戦闘を楽しむことができるようになる。

チェイスバトル

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『龍が如く2』とはSEGAから発売された裏社会を舞台とするアドベンチャーゲームである。主人公の桐生一馬は、堂島の龍と呼ばれた伝説の極道であり、極道組織東城会に所属している。『龍が如く2』のヒートアクションとは、ゲーム内で敵と戦う時に使用可能な攻撃の種類のことである。ヒートゲージが溜まった状態で、コマンド△を押すと発動可能。通常攻撃では見ることのできないムービーが流れるのが特徴で、中にはムービー中にコマンドを選択するアクションもある。

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わくぷよダンジョン決定盤(わくわくぷよぷよダンジョン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

わくぷよダンジョン決定盤(わくわくぷよぷよダンジョン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『わくぷよダンジョン決定盤』とは、1999年にコンパイルから発売されたPlayStation用ローグライクゲーム。落ちものパズルゲームの代表作『ぷよぷよ』の名前がタイトルに付けられているが、パズルゲームではない。3人のキャラから主人公を選んで、ダンジョンの攻略を目指すRPGとなっている。 「すっごい魔法のアイテム」がどこかにあるというテーマパークに足を踏み入れた3人の主人公・アルル、ルルー、シェゾ。それぞれは期待を胸に、不思議なダンジョンが建ち並ぶテーマパークで大冒険をする。

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ぷよぷよテトリス2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ぷよぷよテトリス2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ぷよぷよテトリス2』とは、『ぷよぷよ』と『テトリス』という2つの落ち物パズルゲームによるコラボレーション作品で、2014年発売のゲーム『ぷよぷよテトリス』の続編である。2020年にセガから発売されたアクションパズルゲームだ。 前作同様『ぷよぷよ』同士・『テトリス』同士・『ぷよぷよ』対『テトリス』の対戦などが行える他、演出が強化され、「スキルバトル」という全く新しい対戦形式が実装されている。ルールが簡単な対戦ゲームとして、配信者の間でも人気となった。ストーリーは前作の続きとなっている。

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サクラ大戦3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』とは、2001年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。『サクラ大戦』シリーズの3作目であり、タイトルにもある通り物語の舞台をパリへと変更し、登場キャラクターも一新。極めて美麗なOPアニメーションが話題となった。 日本で帝国華撃団が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため帝国華撃団の隊長である大神一郎がパリに派遣される。新しい仲間たちと協力しながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件に挑んでいく。

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サクラ大戦2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サクラ大戦2 〜君、死にたもうことなかれ〜』とは、1998年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。大ヒットを記録した『サクラ大戦』の続編であり、仲間キャラクターはほぼ全員が続投。売上本数は50万本を超え、シリーズの歴史の中でも最大のヒット作となった。 叉丹との戦いから1年。演習航海を終えた大神一郎は、再び帝国華撃団の隊長に就任。前作の仲間たちに2人の新メンバーを加え、大神たちは新たに現れた大敵「黒鬼会」に立ち向かう。

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サクラ大戦(初代・無印)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦(初代・無印)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サクラ大戦』(サクラたいせん)とは、1996年にセガ・エンタープライゼスから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。プロデューサーに広井王子、イラストレーターに藤島康介、脚本にあかほりさとると実力派スタッフをそろえ、売上本数46万本という大ヒットを記録した。後にアニメや舞台へとメディアミックス展開していく『サクラ大戦』シリーズの最初の作品である。 時は太正十二年。帝国軍人の大神一郎は、秘密部隊「帝国華撃団」の隊長に就任し、その隊員である少女たちと共に悪しき黒之巣会に立ち向かう。

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