目次

  1. 第1章「少年ひとり、騎士ひとり」
  2. 第2章「領主と奴隷」
  3. 第3章「血縁の臣下」
  4. 第4章「旅人たちの四行詩」
  5. さいごに

第1章「少年ひとり、騎士ひとり」

【 概要 】
パルス歴320年。
アトロパテネの大戦で無敗を誇ったパルス軍は、突如現れた謎の濃霧と万旗長カーラーンの裏切りにより、異教国ルシタニアに敗北。
黒衣の騎士・ダリューンの助けによりカーラーンの凶刃から逃れ、戦場を逃れたアルスラーンは、彼の旧友であると言うナルサスを尋ねる道中であった。

ナルサスはどのような男かとアルスラーンに尋ねられたダリューンは、講じた奇策により敵を退けた者である事と、現在は厭世の軍師である事を簡潔に説明するが…。
「ナルサスは絵が好きなのか?」
不意に口にしたアルスラーンの問いかけに、ダリューンは思わず口を濁すのだった。

大将軍ヴァフリーズが銀仮面に謀殺され、パルス国王アンドラゴラスが囚われの身となった事を、二人はまだ知らない…。
敗残の王太子ひとりと、それに付き従うは騎士ひとり。

これより暗黒の時代を迎えるパルスと等しく、彼等には想像を絶する苦難が待ち受けているのであった…。

アトロパテネ平原からナルサスのもとへ向かうシーンは本編にもありましたが、会話の内容が異なるだけで新鮮なエピソードに感じます。

1期終了から間が空いての収録ということで、声優陣も中々苦戦した場面があった様子ですが、さすがはプロ!
違和感を何一つ感じさせない名演技で、聞く者を作品世界に引きずり込んでくれますね。
本編を見るだけでは分からない声優陣の工夫や、役を演じる上での心境にも興味深いものがあります。

第2章「領主と奴隷」

【 概要 】
パルス歴320年、12月。
欲に憑かれた城主・ホディールの首を討ち取った王太子一行は、カシャーン城塞を脱出する。
だが、アルスラーンは開放したホディールの奴隷から向けられた憎悪の意味が理解できず、未だ困惑の中にあった。
この事態を予測していたと言うナルサスに、なぜ教えてくれなかったのか、とアルスラーンは問う。

未だ未熟な王太子を前にした天才軍師は、自らの過去を語り始めるのだった。

5年前、良かれと思って自領の奴隷達を開放したにも関わらず、その大半が戻って来た事。
そして長年に渡って鎖に繋がれていた彼らが、自由民として生きる目的も技能も有していなかった事を…。
「寛大な主人のもとに奴隷である事ほど、楽な生き方はありません。」
当時の自分には、これが分からなかったのだ――とナルサスの口から聞いたアルスラーンは、己が目指す奴隷解放への道に暗雲が立ち込めたような気がしていたのだった。

その夜。ナルサスの侍童エラム少年の奴隷時代の話を聞きいたアルスラーンは、湧き上がる希望と共に奴隷問題解決に向け、ひとつの結論を見出すが…。

こちらもアニメ本編にあったシーンですが、エラムの回想などはカットされていたので新鮮味がありますね。

声優陣のトークも本編とは一転した態度で繰り広げられるので、中々に笑いを誘います。
なぜ花江さんがヨダレを垂らし始めたのかは不明ですが(笑)
浪川さんから漂うポンコツ感(褒め言葉)が、ナルサスを演じる時の物とは真逆の魅力を醸し出します。

第3章「血縁の臣下」

【 概要 】
パルス歴320年、11月。
王都陥落の折に重傷を負い、長らく眠っていたパルス万旗長・サームが次に目覚めた時、目前にはルシタニアの客将・銀仮面卿の姿があった。

跪いて挨拶せよと言う蛮族ルシタニアの一頭を前に、サームは言い放つ。
「パルスの万旗長が跪くのは、地上にただ一人。パルスの国王あるのみ!!」
”敢えてそれを望むなら、俺を殺して死体の膝を曲げてみせるがいい”――その剛直な言葉に感心を示す銀仮面卿は、おもむろに仮面を取り、素顔を露にする。
サームは、その顔に見覚えがあった。
右半分はひどい火傷の痕に覆われているものの、それは紛れもなく、前国王オスロエス5世の遺児・ヒルメス王子の姿…。

銀仮面の正体を知り、正統の王を前にしたサームは、ヒルメスに忠誠を誓うのだった。

そして、あくる日。非業の死を遂げたカーラーンの息子・ザンデが、ヒルメスのもとに馳せ参じており…。

ザンデが情報収集能力にも長けている事が明らかになり、感心した矢先の「殿下!殿下!銀仮面卿ッ!!!」には、やはり脳筋感を覚えました。

しかし、各キャラの欠点を踏まえた上での声優陣トークには思わず吹き出してしまうような笑いどころが多かったですね。
「ただそこにね、ヒルメスのね、あの~残念な…」
という家中さんの言葉からは、忠義と正義の狭間で苦しむサーム(の心中)らしい雰囲気が漂っていましたし、
「基本的にうちのチーム、基本一本気だよね」
という発言に、思わず共感してしまった方も多いのではないでしょうか。

本編では中々引き締まっているヒルメス陣営ですが、それ故に中の人のフリートークが面白かったりします。

第4章「旅人たちの四行詩」

【 概要 】
パルス歴321年、5月。
王都エクバターナ奪還に向け、王太子アルスラーンが率いる軍は出陣。
軍内の諍いを鎮める役を担い、ナルサスからの密命を帯びて軍内から離脱したギーヴは、目的地のデマヴァント山に旅立とうとしていた。
軍を前進させる途中、本隊から離散してしまったザラーヴァントの居場所を、アルスラーン達に琵琶の音色で告げたギーヴの側には、ファランギースの姿もあった。
彼女を通じて届けられるアルスラーンの伝言を聞き、意味ありげに呟くギーヴ…。

「アルスラーン殿下…本当に面白い御仁だ。」
ファランギースが去った後、彼はデマヴァント山までの道中で、王太子を歌った四行詩(ルバイヤート)を作ろうか…、と思案していた。

アルスラーン視点で物語が進行する中、ギーヴとファランギースはこんなやり取りをしていたんですね。

ファランギースを演じる坂本さんですが、アルスラーン戦記本編ではかなり大人びた演技をしているのだなと思いました。
素で会話した方が可愛らしい声なんですね。
良いとこ取りが止まらないギーヴに対する「おいしいなぁ」という意見にも、思わず同調してしまいました(笑)

さいごに

”アニメとはちょっと違った視点で”描かれたアルスラーン戦記 朗読劇。
現在は全4章までがYouTubeで配信されていますが、もしかすると今後新しい章が更新されるかもしれませんので、公式twitterをチェックしておきたいところ。

また、第2章・第3章の朗読劇版は荒川弘先生作画のアルスラーン戦記漫画版でも読むことが出来ます。
多方面に展開する本作を、それぞれの媒体で楽しむのも面白いかもしれませんね。

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