「生きる」とは何ぞや。史群アル仙の持つ「力」

かわいい絵柄に重いストーリー。色々な意味合いでのシュールさを持った、漫画家にしてクレパス画家の史群アル仙氏。10歳にして人生の目標を決め、多感な時期に社会に出て表現者としての修行を始めた氏の作品は、そのプロフィールを知るまでもなく惹きつけるものがあります。なまじ「シュール」なために理解されない、しにくい部分もあるかもしれませんが、氏の作品には確かに力が宿っている…。

『迷うは君の世界』

kiske3氏の原作ホラーをコミカライズしたもの。といっても史群アル仙風味になってはいるようです。当初は「山小屋に住まう老人が、道に迷った、疲れた旅人に『昔語り』を始めて」という形式だったんですが、老人がストーリーに絡まない回もあります。ただ言えることは、「ホラー」テイストだということ。コミカワにて連載中ですが、氏のHPからリンクされています。

『メンタルチップス』

ADHDとはどういった症状か、そしていかにしてそれと戦ってきたかについて描かれたエッセイ漫画です。絵柄のかわいさや漫画的な表現でいくらか緩和されていますが、壮絶な戦いがあったことが伺えます。2017年5月に単行本発売予定。

クレパス画・詩

これまた息をのむような迫力です。そして、詩とそれに添えられた絵(というより、絵に添えられた詩といった方が近いかもですが)が涙が出るほど愛おしいんです。実際見た方がいいほどに。

エッセイ漫画によれば、最初に描いたクレパス画の登場人物は幻覚。「その子」と呼んでいた幻覚から「愛してる」と言われて絵を描くようになった模様。ただ、本業は飽くまで漫画であり、絵画の方はクレパスだけで描くと決めているようです。

総括

死生観、氏の得た人生訓から来る作品を見て「生きる」ということに思いを馳せるのもいいかもしれません。氏よりももっと若い人は特に。衝撃的で、シュール。そして愛しさ溢れる作品群。史群アル仙氏の今後に期待です。

shimurearusen.web.fc2.com

えどまち
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@edono78

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