寄生獣(岩明均)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『寄生獣』とは、岩明均による漫画作品、及びそれを原作とするアニメ、実写映画。人間に寄生し、人間を食らう寄生生物。そんな生物(ミギー)が右手に寄生してしまったため、数奇な運命に翻弄されることになった泉新一。単なるモンスター物、ホラー物ではなく高度な哲学性、テーマ性が物語を彩っており、今なお根強い人気を誇っています。

人格等ではなく、絵のモデルです。手の形から少しだけ変形している時などのミギーは、鏡に映した作者自身の左手がモデルになっています。作者曰く「キャラクターを描くときモデルは用いないが、ミギーは例外だと気付いた」そうです。

執筆終了後、作者に起きた出来事

最終話の執筆も終わり、友人と飲んでいた作者。浦上が使っていたナイフの資料の切れ味を試すため、コンビニの袋を切って遊んでいたら自分の小指の一部も切ってしまったとか。「酔って刃物を扱うものではない」と述べていましたが、その後の肉が盛り上がって指紋まで再生した指というか人体の回復力にも驚いたとのこと。コミックス10巻巻末に記載。

後藤は死ぬ予定ではなかった

本編では涙と共に新一に討たれた後藤ですが、作者は当初新一に彼を殺させるつもりはなかったそうです。新一が去った後の案として、二つあったと10巻巻末に書かれていました。

【案その1】完全復活。巨大な翼に変形。汚染された日本を嫌って、美しい自然を求め飛び去っていく。

【案その2】完全復活できず、無害な生き物としてひっそり生きていく。

どちらも「何か違うし、甘っちょろい」と感じ、現行の最期となったのです。

『寄生獣』の名言・名セリフ

・シンイチの言っていることはよく分からん。私の仲間は、ただ食っているだけだろう。生き物なら当然のことだ。(ミギー)

・シンイチ。悪魔というものを本で調べたが、それに一番近い生き物は人間だと思うぞ。(ミギー)

・こいつ、何で泣くんだ?本当に人間てのはよく分からねえな。(ジョー)

・三人いれば勝てると思ったのか?(田村玲子)

・我々はか弱い。それのみでは生きていけない、ただの細胞だ。だからあまりいじめるな。(田村玲子)

・この前、人間の真似をして鏡の前で大声で笑って見た。なかなか気分がよかったぞ。(田村玲子、最後の言葉)

・人間どもこそ地球を蝕む寄生虫。いや、寄生獣か。(広川剛志)

・君は悪くなんかない。でも、ごめんよ。(泉新一)

・みんな地球(ここ)で生まれてきたんだろう?そして何かに寄り添い、生きた。(泉新一)

・そりゃ人間がそれだけ暇な生き物だからさ。でもな。それこそが人間の最大の取り柄なんだ。心に余裕(ヒマ)のある生物。何と素晴らしい。だからなあ…いつまでもメソメソしてるんじゃない。疲れるから、自分で持ちな。(ミギー。ビルの屋上から落下した村野里美を恐らく救っての一言。ちなみにこのセリフは新一の心理風景の中で語られたものです)

他作家による『ネオ寄生獣』

20年以上の時を経て、人気漫画家が『寄生獣』を独自の手法、目線で執筆したアンソロジー本です。ギャグあり、シリアスあり、ホラーあり。萩尾望都先生や真島ヒロ先生等も執筆なさっています。

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