目次

  1. 原作『闇金ウシジマくん』
  2. 『やみきんっウシジマきゅん』
  3. 「かわいい」からこそ吐ける毒もある?
  4. まとめ・かわいさに包まれたもの

原作『闇金ウシジマくん』

真鍋昌平による漫画。『ビッグコミックスピリッツ』にて不定期連載される。

出典: JA.WIKIPEDIA.ORG

主人公丑嶋馨が「カウカウファイナンス」なる闇金会社を経営し、10日で5割という利子でお金を貸すんですが・・・。兎に角取り立てが容赦ない。飛び込み自殺を行おうとしている債務者に対して「生命保険入ってから飛び込め(大意)」ですからね。それはもう、昭和のドラマのごとく過激な方法で取り立てるんです。「客」を奴隷君なんて呼んで、人間扱いせず、社員にもそれを強要。

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言ってることは正論なんですけどね。

ギャンブルやおしゃれというドツボにはまってダメ人間になっていく。そんな人々の描写もまた凄まじい。そして、口に出すのもおぞましい行為を平然とやってのける外道集団も登場。「都会って怖い」感が満載の、しかし現実というものを突き付けてくれる作品なのです。

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『やみきんっウシジマきゅん』

そんな『ウシジマくん』がミニサイズの4コマギャグマンガになりました。何だかかわいくなってます。

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主婦にパチンコ代を貸して、取り立てるのが丑嶋氏のやり方の一つ。

絵柄こそキューティでも、随所に見られる原作の重い名言。それをいかに料理し、笑いにするか?

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原作読んだ後に読むと少しは癒される、かも。

原作ファンが思っているであろうことさえ漫画にしてくれちゃってます。

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「かわいい」からこそ吐ける毒もある?

「わー、かわいくディフォルメしてあるなー」なんて感想が思わず浮かんじゃいますが、頬が緩みっぱなしにならないのがこの作品の怖いところ。原作では十分以上に容赦ない描写が多々あります。それこそ読んでいてつらくなるような展開。「一寸先は闇」の言葉通りに、いつ闇金業のお世話になるかと異常な錯覚に襲われることも。だからこそ「しっかりせねば」と気合が入るんでしょうけども。

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『ウシジマきゅん』という作品は単なるギャグ化作品ではないように思われます。ギャグ化、ディフォルメという形をとることで、原作の持つダークな部分、それがもたらす恐怖心や不快感を多少緩和させているものの、完全に拭われているというわけでもないんですね。

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ハートマークついてても、絵やせりふがかわいくても、登場人物がコミカルに誇張されていても。原作という先入観のせいかどうにも拭い切れない凄み、モヤモヤがどこかに残っている。それをうまく笑いにしています。

まとめ・かわいさに包まれたもの

十分面白いのに、何故だろうか、と思ったら。最終回で何となくその理由が分かった気がしました。賛否両論ありそうな、でも原作を少しでも読んだ人なら納得のラストと言えます。

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原作は「現実」の徹底取材により生まれた作品です。登場人物、ことに丑嶋氏に名言が多いのは当たり前のこと。『ウシジマきゅん』のラストもまた、現実的と言えば現実的です。ギャグタッチにしてあるだけで、根底はきっちり守られていると感じました。キュートさのオブラートに包まれたもう一つの『ウシジマくん』、ご堪能下さい。