目次

  1. 『チコタン』概要
  2. 衝撃ポイントその1・メロディが全部違う
  3. 衝撃ポイントその2・シビアな初恋の展開
  4. 衝撃ポイントその3・ラストが・・・

『チコタン』概要

歌詞はすべて関西弁。「ぼく」こと小学生の男の子による初恋物語なんですが、とにかく衝撃的。当時のみならず現代でもショッキングで、新鮮です。『みんなのうた』のごとく、かわいいアニメと歌で構成されていますが、アニメーションが「古い」分かえって新鮮かと。

『なんでかな?』
『プロポーズ』
『ほっといてんか』
『こんやく』
『だれや!』
の5つから成る。1969年度芸術祭優秀賞受賞。

出典: JA.WIKIPEDIA.ORG

衝撃ポイントその1・メロディが全部違う

この5つの合唱曲。すべてメロディが違うんです。展開や「ぼく」の心情によって曲調も変化し、子供特有の価値観、考え方。「今そういう心境なんだね」というのが、歌詞がなくても伝わってくる。というか、歌詞が更にメロディの力を強めているようにも思えます。

Maxresdefault

1番はワクワク感、2番は緊張感、3番は絶望感・・・といった具合に、ストーリーに合わせで変化するわけです。独自の展開による妙な臨場感と説得力。「考えたなあ」と感心するとともに思わず主人公に共感し、行方を見守りたくなります。

衝撃ポイントその2・シビアな初恋の展開

歌詞のストーリーは「ぼく」の初恋話。「チコタン」は想い人のクラスメイトです。初恋の胸の疼き、チコタンが気になる、好きだ。何でだろう、というのが1番。2番では思い切って告白というかプロポーズにまで至ります。頑張れ「ぼく」!しかし、初恋とはそうそう簡単に実るもんじゃありません。

Hqdefault

チコタンは魚が嫌い。「ぼく」は魚屋の一人息子。後を継がなくてはならない身。フラれちゃいます。大人の男性だったら飲みにでも連れてくところでしょうが、小学生じゃそういうわけにもいきませんし、子供の初恋が敗れた、というのは大人にとっては「微笑ましい」出来事。しかし本人には一大問題です。ふてくされる「ぼく」ですが、ある打開策が。「チコタンが好きな魚介類だけ売ればいい」。何じゃそりゃ、となりますが、ともかくも再アタックに向かう「ぼく」でした。

Bscap0031

「せめて兄弟が一人でもいれば」と思ったかもしれませんね。

子供の価値観、ある種の狭量というものをあくまで子供目線で描いています。一見すると滑稽、いやさ「かわいいねえ」と見える「ぼく」ですが、彼は真剣なんです。恋がシビアなものは大人も子供も一緒。「ぼく」の悩み、前向きに検討し見つけた打開策を「それでいいのか・・・」と一蹴する大人の方こそ狭量なのかもしれません。

衝撃ポイントその3・ラストが・・・

一番の衝撃、それはラストの5番です。「ぼく」の心境も何もかも、この5番の為にあると言ってもいい展開でした。アニメラスト部分は恐らく「ぼく」の心理風景。子供の柔軟な感性に不信感、絶望が加えられたかのようなシーンはトラウマ必至。あらゆる角度で「衝撃」を与えてくれる「チコタン」、一見の価値あり、です。

トラウマになるかもしれないので、5番に入る前に深呼吸を・・・。