ついに上映開始、魅惑の二階堂ふみが魅せる「密のあわれ」

ついに4月1日公開となる「密のあわれ」。金魚少女とおじさまの生活を描いた本作。艶やかで色っぽい二階堂ふみを見ることができると前評判が立っているこの作品の内容を、映画館に行く前に予習しておきましょう。

原作は室生犀星・著「密のあはれ」

原作は室生犀星が書く「密のあはれ」。原作の物語は、金魚の”あたい”と、赤子が”おじさま”と呼ぶ初老の作家との会話で紡がれたストーリー。”あたい”は時々金魚から若い人間の女の姿へと変身し、おじさまと取り留めない会話をしています。たまには街へ買い物に出かけたり、子供のようにも、若い恋人のようにもふるまっています。

この作品は教科書に載っていた室生犀星のような堅い文章ではなく、妖艶で優しくエロティックで人間っぽい室生犀星の世界を観ることができます。映画では二階堂ふみによって、おじさまを翻弄しまくる金魚の赤子はどのように演じられるのか、注目が集まっています。

この作品にはそれほど多くの登場人物は存在しません。金魚の赤子とおじさま、さらにおじさまの昔の恋人であり既に亡くなっている田村ゆり子こと、田村のおばさま。原作では、赤子は田村のおばさまをどうにかしておじさまに会わせようと尽力します。映画ではこの不思議な三角関係がどのように展開していくのでしょうか。

「密のあはれ」は晩年の室生犀星によって書かれ、登場人物やその作品の雰囲気はその当時の室生犀星を重ね合せることができます。日常ではありえない金魚との恋愛や、昔の女性の幽霊の出現などは、死の影を感じながら室生犀星が己の理想をおじさまと赤子に重ね合わせたのではないかと言われています。

男性の理想・赤子

原作が発売された当初から、赤子は男性の理想の女と言われてきました。その赤子を演じるのは、若手で最も注目されている二階堂ふみさん。近年は少女から大人の俳優へと変貌し、映画映画でその個性を発揮しています。「密のあわれ」でも、その純粋で妖艶な姿を熱演しています。

晩年の室生犀星を投影したおじさまを演じるのは大杉漣さんです。最近は優しい父親役などを演じる印象があった大杉漣さんですが、赤子に翻弄されつつも、若い恋人との生活を楽しむ老作家をどのように演じるのか期待が高まっています。

元恋人の幽霊・田中ゆり子役に真木よう子さん、彼らを見守る友人で文豪の芥川龍之介役に高良健吾さんが脇を固め、さらに原作の幻想的な世界を再現しています。

密のあわれは2016年4月1日より全国でロードショー!!

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