目次

  1. あらすじ
  2. 退廃的な雰囲気と魅力的な登場人物たち
  3. 真相が明かされることはなく、全ては闇の中へ
  4. まとめ

あらすじ

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2011年イタリア。4年前にイギリス人女子留学生が殺害され、世界的に話題になった事件の控訴審が迫っていた。この事件の映画化を依頼された監督トーマス・ラング(ダニエル・ブリュール)はイタリアで調査をするものの、メディアは市民に対して扇情的な報道ばかりだった。被告のアメリカ人留学生は本当に被害者を殺害したのかわからない状況で、トーマスは創作に苦悩し……。

出典: MOVIES.YAHOO.CO.JP

退廃的な雰囲気と魅力的な登場人物たち

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実在の事件を題材にしているだけあってリアリティは抜群。特にドラッグの蔓延した退廃的な街並みや、真実を報道しようとはせず、あくまで視聴者の求めるもの、面白い画を求めるメディアの人間たちの麻痺しきった神経が主人公の眼から鮮やかに描かれていました。映画監督である主人公が、自分の撮りたいものを視聴者は求めていないというジレンマもその描写により一層の説得力を添えます。

この事件がこれほどまでに白熱したのは容疑者がキレイだったからと言われていますが、彼女を演じた女優は確かにむちゃくちゃキレイでした。というよりもこの映画に出て来る若い女性が漏れなくキレイで、その場にいるだけで画面を彩ります。汚れた街と醜いメディア、それと対比されるように描写される天使のような女性の演出が印象的でした。

真相が明かされることはなく、全ては闇の中へ

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ラストはかなり曖昧な形で終わります。それなりの結末を向けるものの、真相が明確に示されることはなく、視聴者としては少し消化不良。しかし、そもそも実在の事件を題材にしているのでこの終わり方はある意味仕方ないことなのでしょう。ラストだけオリジナルにして無理やり事件の解決を図るわけにはいきませんからね。世の中には曖昧なものが溢れていて、それは世界的な殺人事件であっても変わらないということでしょう。

まとめ

このような映画はどのような職業の誰を主人公に据えるかで評価がかなり変わってきます。ことこの映画に関していえば主人公の選定は成功していると言えるでしょう。事件から距離を置いた第三者的視点を持っていて、かつ事件に対して完全なる傍観者にはならない。明確なる個性を持って事件に切り込み、主人公との対比を通して事件の異常性を表現する。スピーディな展開やどんでん返しはないが、大変楽しめる作品でした。