アムネシア / AMNESIA

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アムネシア / AMNESIAのレビュー・評価・感想

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アムネシア / AMNESIA
9

ミステリアスな乙女ゲーム

ミステリーのゲームは一度プレイしてしまうと登場人物の人間関係や犯人もわかってしまい周回プレイ要素が充実していないと繰り返しのプレイは苦痛になってしまいます。
乙女ゲームも同じで攻略対象を変えてもう一度同じストーリーをなぞるのはあまり楽しい作業ではありません。
AMNESIAはその難点をクリアした作品です。
攻略対象は5名(最初に選べるのは4名)ですが途中で分岐するのではなく、始めに誰の世界を選ぶのか選択肢が与えられます。そして攻略対象ごとにストーリーは全く異なります。攻略対象とだけでなく、周囲の人のキャラクターや関係性も異なります。したがって計5回違ったストーリーを楽しめますし、それぞれエンディングも複数あります。特にBAD ENDの種類は豊富です。
主人公は記憶喪失の状態で始まります。他の乙女ゲーム同様選択肢でストーリーは分岐しますが、他のゲームでは主人公が発するセリフや心情を選ぶ事が多いですが、AMNESIAは主人公のセリフを選ぶ事はほぼありません。相手の名前をどう呼ぶか(さん付けか呼び捨てかなど)はありますが基本的にはどう言うか、どうするかといった行動を選びます。また、主人公のセリフがなく「○○をした」などの説明の文章も一切ありません。場面転換と主人公以外の登場人物のセリフだけでストーリーが進みます。主人公の気持ちや状況説明については冒頭に登場する「オリオン」と言う精霊が担ってくれています。ファミコンゲームの探偵物ではよくあった行動を選ぶと「助手が代わりに話したり調べたりしてくれる」といった感じです。この精霊がずっと主人公のそばについていてくれるのですが、誰を信じればいいのかわからない世界で唯一の味方なのでとても心強いです。オリオンとの会話(主人公のセリフはありませんが)シーンだけでも楽しく癒されます。
精霊が出てくるファンタジーでもありますが、このミステリアスな世界はぜひおすすめしたいです。