目次

  1. あらすじ
  2. 想像で語ることを許されない世界がここにはある
  3. 暗い生活の中で輝き続ける少年のひたむきな前向きさ
  4. まとめ

あらすじ

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8歳の少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)は、ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走。森へと逃げ込むものの寒さと飢えに襲われてしまう彼だが、ヤンチック夫人に助けられる。聡明で愛嬌(あいきょう)のあるスルリックに魅了された夫人は、彼にポーランド人孤児のユレクだと名乗るように諭し、架空の身の上話を頭にたたき込む。夫人のもとを離れ、農村を回りながら寝床と食べ物を求めるスルリック。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることがばれてしまう。

出典: MOVIES.YAHOO.CO.JP

想像で語ることを許されない世界がここにはある

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戦争をしてはいけない。なぜなら戦争は不幸しか生まないから。これはほとんど想像から出てきた言葉。あるいは書籍や映像資料、実際に戦争を体験した人から聞いたことから想像を働かせて、それを現実に落とし込んだ上で発する空虚な言葉。この映画を観れば安易にそのような言葉を投げることを恥ずかしく思うはずです。戦争の現実を知らない人がその辛さを我が身のように語ることはどうあっても許されない。それは戦争の犠牲者・被害者にとても失礼なことなのです。

戦争が何を生み出すのか、多くの人は漠然とした想像しか持っていないでしょう。私もその1人です。しかし、今作を観た後、その想像が全く生温いものであることを思い知らされました。それほどまでに主人公の少年が受けた仕打ちは過酷なものでした。映画を観ている最中に、ふとこれが実話なのだということを思い出して思わず涙してしまう。そんなことを繰り返しました。

暗い生活の中で輝き続ける少年のひたむきな前向きさ

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あらすじを観た時点でこの物語が暗い作品であることは分かるでしょう。少なくとも、決して笑い転げられるような作品であることは誰の眼にも明らかです。しかし、だからといって救いのない物語かといえば全くそんなことはありません。1人の少年にフォーカスが当てられた今作の中には、もちろん残虐非道の限りを尽くす人物も登場しますが、それ以上に善良な人々が多数登場します。

見ず知らずの少年を部屋に招き入れ、食事を与える。その行いにはキリスト教も関係してくるのですが、その要素を差し引いても尚、そのような無償の愛には涙が出てきてしまいます。戦争の最中にあっても、世の中にはこんなにも優しさが溢れているのかと。この映画には途方もない希望を感じられました。孤独に生きる少年が必死に生き延びて、そして最後には真っ当な幸せを見つける。たったこれだけのことが、きっと主人公の少年には最上の喜びだったのだと、そう感じました。

まとめ

絶対に観るべき作品の1つです。普段エンターテインメントやホラーものしか観ない人にもぜひ観て欲しい。それだけの価値がある映画です。これが児童文学を題材にしたものであることに驚き、さらに実話であることに愕然とするに違いありません。これほどまでに主人公の少年の幸せを祈りながら観た映画は他にありません。絶望ではなく、希望を描いた映画。どうぞご観賞ください。