目次

  1. あらすじ
  2. 感情を知るごとに世界がモノクロからカラーへと変化する描写が秀逸
  3. よくある設定ではあるが、魅せ方の妙により差別化に成功している
  4. まとめ

あらすじ

The giver movie

文明が荒廃した社会から、人類は完全に平等で争いもない平和な理想郷を作り上げる。その社会で育ち次世代に記憶を伝える「記憶を受け継ぐ者」に選ばれたジョナス(ブレントン・スウェイツ)は、全ての記憶を持つ「記憶を注ぐ者」(ジェフ・ブリッジス)と対面したことで、恐れや憎悪といった人間の本能的な感情や、理想社会に隠された暗い過去に気付いていく。社会の秩序を守る主席長老(メリル・ストリープ)は、そんな彼の存在を注視しており……。

出典: MOVIES.YAHOO.CO.JP

感情を知るごとに世界がモノクロからカラーへと変化する描写が秀逸

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序盤の物語はモノクロ画面で展開していきます。これも立派なメタファーとなっており、無味乾燥な世界観を分かりやすく表現しています。全てがコントロールされた世界はこんなに味気ないものなのだという実感を視覚から訴えることにより、かなりコンパクトな形で荒廃した世界という実情が伝わってきました。

主人公が感情を得ることになるのですが、その時の感動は圧巻の一言。モノクロの世界に突如現れた赤いリンゴだったり、女性の茶色い髪が大変新鮮に映りました。シンプルな手法ですが、その分効果は抜群。色彩が広がっていくと共に主人公の内面も豊かになっていき、そして記憶が内側に流れ込んでくる様はなんとも美しい。様々なシーンが順繰りに流れていくのですが、そのどれもが印象深く、何かを得るというのはこういうことなのだと感じましたね。

よくある設定ではあるが、魅せ方の妙により差別化に成功している

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全てを管理された世界。この設定は現代においてはかなり使い古されたものでしょう。様々なメディアで物語になっています。しかしこの映画そのどの作品とも違う、情緒あふれる物語となっています。感情を知り、それを取り戻すべく戦う。でもそこに派手な演出はありません。アクションで敵をなぎ倒しながら信念を貫くシーンもなく、静的なSFという印象。そもそも犯罪的な言葉や行動が認知されていない世界観ですので、暴力沙汰になるはずもないのです。痛いという感情も、人は知りませんから。

完全に管理された世界では犯罪は起こらない、というのは些か言い過ぎだと思いますが、この世界はおそらく善の世界の完成形なのでしょう。答えの出ない問いになんとか答えを出そうとして、そうして作られた世界。人間は皆良かれと思ってこの世界を作ったのでしょう。しかし、良かれと思ってやったことが全ての人に良いことであるとは限らない。ラスト、人々が過去を思い出して涙を流すシーンは必見です。

まとめ

あいにくと私は音楽に疎く、前情報なしでこの映画を観たのでテイラー・スウィフトが出ているなんてことにも気付きませんでした。メインキャストなのですが、そもそも顔も知らないくらいだったので。しかし、特別違和感を抱くことなく観ることができたので演技は上手かったのでしょう。普通にキレイでしたしね。日本映画のアイドル出しときゃいいんだろ的な商法とはまた別次元の話です。静かな物語ですが引き込まれる作品です。ぜひご観賞ください。