『ふしぎ遊戯』七星士と二十八宿まとめ

続編が出るほど人気を誇った『ふしぎ遊戯』。巫女を守る七星士の名前が「二十八宿」からとられていることは有名ですが、本当は一体どんな星なんでしょうか?各神獣の七星士及び、元ネタについてまとめました。

『ふしぎ遊戯』の世界観

主な舞台は『四神天地書』(または『天地書』)という書物の中。元々は唐の時代のもので、世界観も大体その辺りに似ています。大正時代に奥田永之介によって訳されました。東西南北に、玄紅南国(朱雀)、倶東国(青龍)、北甲国(玄武)、西廊国(白虎)が存在。時折、各国が祀る守護神獣の巫女が異世界から送り込まれてくる、との伝説があるようです。主人公の美朱(みあか)が吸い込まれた時点では玄武、白虎は召喚済み。美朱は「どんな願いも叶う」という言葉につられて朱雀の巫女になるのでした。

巫女

本に吸い込まれた少女を指します。その役目は表向き神獣を呼び出し三つの願いを叶えるというものですが、実際には強い精神力がないと、願いを叶える度に神獣に体内を食い荒らされ取り込まれる生け贄のようなもの。絶対条件の一つは、清らかであること。この条件が、想い人と結ばれないなど、物語に彩りを添えていました。願いを全て叶え終わると巫女は強制的に元の世界に戻されます。白虎の巫女が七星士と結ばれることを願ったものの、叶わなかったとのこと。

七星士

四つの国に生まれる、巫女を守るための存在です。作者のわたせ氏曰く、巫女がやってくる時代に生まれ合わせるのは「運命」とのこと。巫女とは違って清い身を保っていなければならない、という条件はなく結婚も許されています。事実、星宿は結婚して世継ぎを遺し、房宿は元遊女でした。二十八宿と同じ字が宿命の星、もしくは巫女を守るための証として体のどこかに浮かび上がり、何らかの能力を持っています。神獣が封印されるなどすると字が現れず、力も使えません。字の色は国によって異なります。

二十八宿とは?

地上から見た月の通り道を、28のエリアに分けたもの。月宿ともいう。

出典: ja.wikipedia.org

東西南北に、青龍、白虎、朱雀、玄武の神獣を置き、七宿ずつに分けられた星々は神獣を形作るとされています。神獣召喚時、巫女の体に字が浮き出るのはそういった意味もあるのかもしれません。

朱雀七星士

鬼宿(たまほめ)

貧乏子だくさん家庭の長男坊なためか、金にガメツく飄々とした性格。しかし白虎七星士に鍛えられた武術の腕はかなりのもので、七星士の力を抜きにしてもゴロツキ数名は簡単にのしてしまえる達人。ヒロインにして朱雀の巫女、美朱と恋仲になりますが、神獣召喚の条件の為清い交際にとどまっています。しかし青龍側の卑劣な罠により家族を皆殺しにされるなどの憂き目に合うのでした。見た目は今でいうイケメンというか美形。原作では現実世界にやって来て現実世界の服を着て町を歩くシーンがありますが、道行く女性が皆見惚れてました。美朱の兄奎介(けいすけ)曰く「そこらの芸能人よりカッコいい」。額という目立つ箇所に字が現れる上、幽霊や魂を意味する「鬼」の字である為、少年時代は「オバケちゃん」とからかわれた過去を持ちます。原作、アニメ共に鬼宿として美朱と結ばれることはなかったものの、転生という形で再会が叶いました。転生後の名は宿南魏(すくなみ・たか)。

かに座のθ(テータ)に当たる星。朱雀の「目」に相当する。古代ペルシャでは、この星は「人の魂が行き来する通り道」とされていた。勇猛果敢な獅子座の影響を一番強く受けてもいる。七曜においては「日」。栄光を表し、バイタリティーや優越願望を表す。海蛇座の中央六つの星からなる星座であり、ギリシャ神話に置いては女神ヘラに使わされた化け蟹。

出典: kosei-do.com

暦中での意味:万事、進むのに大吉の日。

出典: ja.wikipedia.org

目とは大事な部分です。巫女と相思相愛な鬼宿にはぴったりではないでしょうか。おまけに、「鬼」(中国語で魂などを表す)の字通り。キャラクターとしての鬼宿の字が現れるのは額ですが、これは演出だとして鬼宿と、ギリシャ神話の蟹、何かかぶりません?望みがかなわないと知りながらも自分のなすべきこと(美朱を守る、女神の命令を守る)に命を懸けるあたり。結局蟹の方は潰されちゃいましたが、家族を殺されたり、「美朱と結ばれない」ことを知った鬼宿の絶望と被ります。ちなみに、辞書によっては「鬼」を引くと「鬼宿」の説明が書かれているようです。

星宿(ほとほり)

美朱が女性と間違え、自ら「宮廷の女より自分の方が美しい」と言ってのけるほどの美形&ナルシスト。紅南国(こうなんこく)皇帝で七星士という、巫女も国も守らなくてはならない重要な立場です。それ故に人知れぬ孤独を抱えており、異界から来るという「巫女」なら、一人の人間としてみてくれるだろうかと期待をかけていました。剣術が得意。美朱に想いを寄せていましたが鬼宿と相愛であることを知って身を引きます。後述の柳宿に似た女性と結婚し一子を授かりますが、青龍側の国、倶東国(くとうこく)との戦に参加、我が子の顔を見ることなく致命傷を追います。鬼宿共々現実世界に戻っていた美朱から『天地書』越しに「星宿みたいな綺麗な男の子だよ」と励まされての死でした。原作第二部で、魏の体を借りて、息子と対面。「私に似て利発で愛らしい」と親馬鹿ぶりを発揮していました。

朱雀の「喉」にあたる。十二星座ではしし座の足に属し、しし座の意欲的かつ勇猛果敢な影響を最も強く受ける星。七曜においては栄光を象徴、優越願望やバイタリティーを表すとされる。

出典: kosei-do.com

星座としての星宿は孤独な者を表すそうです。確かに皇太子時代はそんな感じですし、語られていない孤独もあったんでしょう。喉という重要な部分といい、しし座に属することといい、皇帝という立場にうまく当てはめています。

柳宿(ぬりこ)

今でいう男の娘です。星宿曰く「私の他にあんな綺麗な男がいたとは、信じられん」。当初女装して登場したため、アクシデントで胸元がはだけるまで男性だと分かりませんでした。女装を始めたのは、死んだ妹を想ってのこと(一緒にいてやる、との気持ちから)。武器は馬車をひょいひょい持ち上げるほどの怪力で、鬼宿からは「お前の小突きは普通の人間の鉄拳」と称されるほど。初期は星宿への思慕の情から、巫女である美朱への報復として鬼宿を誘惑していましたが、男性として生きることになって以降は美朱に好意を寄せます。酒場で絡まれて「女に見えなきゃいいんでしょ」とあっさり断髪するなど結構思い切りはいい方です。青龍七星士と戦い戦死しますが、安らかで満足げな死に顔でした。

朱雀の「嘴」に当たり、料理の味付けを司る。母性的で目的意識の強いかに座の影響を受ける。七曜においては変化する心、繊細で敏感な感受性を表す。海蛇座、ヒドラの頭部に位置する。

出典: kosei-do.com

どっちでも違和感がないのが凄い。というか女装時だと男性っぽく見え、男性時は女性に見えるという。しかし嘴ですか。そういえば言葉巧みに鬼宿を誘惑したりしてました、最初。変化する心は、モロに描かれてました。皆それなりに成長、変化してはいますが、女から男へ戻る様などが特に顕著で分かりやすいかと。

翼宿(たすき)

えどまち
えどまち
@edono78

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