伊藤計劃の遺作が劇場版「屍者の帝国」として遂に映像化。その内容を公開!

若くして亡くなった伊藤計劃の小説「屍者の帝国」の劇場版映画がDVDリリースされました。たった2年の作家活動の中で名作と言われたその小説と、映画の中身を徹底公開します!

小説「屍者の帝国」

小説「屍者の王国」は34歳の若さで亡くなった伊藤計劃の遺作となった作品だ。当時、未完成だったこの小説を、親交の深い友人だった芥川賞作家、円城塔が続きを書き上げたSF小説である。鬼才、そして奇才と呼ばれた小説家がタッグを組んだこの小説が「Project Itoh」の第一弾としてアニメ映画化された。

物語の舞台は19世紀末のロンドン。屍者が労働力として扱われるその時代、ワトソンはまだ医学生だった。ひょんなことから、ある任務を負い、屍者化した秘書フライデーとともに世界中を旅することになる。フィクションではありながら、実際の出来事や、有名な物語のパロディなどが物語のあちこちにちりばめられ、読んでいてとても心が躍る。

伊藤計劃のデビュー作となった「虐殺器官」もこの後に映像化を控えている。たった2年間の作家活動となっていたが伊藤計劃のファンは多い。同じく映像化される「ハーモニー」ではSF大賞を受賞し、その後の活躍が非常に期待されていた作家だった。

「屍者の帝国」の見どころは、その計算されつくした設定にある。もともと設定に厳しい伊藤計劃だが、円城塔がその意思を引き継いで生み出したこの作品は、シャーロックホームズやカラマーゾフなどの有名小説ファンにも馴染みのある名詞がチラホラ登場する。日本においても19世紀末の歴史を絶妙にアレンジしながら物語が進行していく。

彼らの旅の果てには一体どのような結末が待ち受けているのでしょうか。屍者として蘇った者に未来はあるのか。様々な陰謀が渦巻く中でワトソンはどこに行き着くのか、読めば読むほど面白くなる小説「屍者の帝国」。非常におススメの小説です。

アニメ版「屍者の帝国」

2015年10月2日に公開された劇場版「屍者の帝国」がついにDVDリリースされた。原作とは多少設定は異なるものの、屍者が蘇る世界を描いている。屍者化したフライデーに魂を宿らせる方法を探りながら、ワトソンは任務のため世界中を旅する。

改めて映像で物語を振り返ることで、その世界観をさらに理解することができる。原作と大きく異なるのは、ワトソンとフライデーの関係性で、フライデーの死をきっかけに失われた彼の魂を探そうとワトソンは奔走することとなる。同じ研究者としての尊敬、大切な友人を失ってしまった喪失感が、物語全体に広がっている。

監督は牧原亮太郎、主人公のワトソンの声を大人気声優である細谷佳正、フライデーを村瀬歩が担当するなど、スタッフも非常に豪華だ。劇場版「屍者の帝国」は若くして亡くなった小説家、伊藤計劃の作品をアニメ化する「Project Itoh」の第一弾だが、この作品のエンディングが、あとに続く二作にどのように続いていくのかも注目したい。

「Project Itoh 」もお見逃しなく!

もちろんこれから公開される「虐殺器官」・「ハーモニー」をお見逃しなく!

project-itoh.com

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