ついに捉えた人間捕食の瞬間!? 映画「ディープ・インフェルノ」が新しい!

男女の若者が森に入り、そこで得体のしれない生物に襲われる。まさにテンプレートをなぞったような展開ながら、クライマックスにはこれまでになかった工夫が施されています。密林の奥深くに住む生き物の正体とは、一体なんなのか。映画「ディープ・インフェルノ」をご紹介致します。

あらすじ・ストーリー

スコットとその彼女のステフは、大学生活最後の記念にエレナ、チャーリー、トレヴァーら仲間たちとパナマのビーチに旅行に来ていた。
サーフィンや夜のパーティーを思い切り楽しむ彼らだが、スコットが偶然ネットで見つけたジャングルを冒険したいと提案、刺激がほしい彼らは更に盛り上がりをみせる。
しかし、それを聞いた地元の若者・フリオに「そこは危険だ、恐ろしい伝説がある。」と制止される。ところが、彼らは忠告を聞き入れるどころか伝説を馬鹿にし、禁断の地に足を踏み入れる。
ジャングルにある美しい滝にたどり着いた彼らは、そこで思い思いに楽しむのだが、案内役である地元の女の子・カルメンが行方不明になったことから事態は急変する。
助けを求めようと電波の届く高台を目指す彼らだが、その途中で奇怪な鳴き声がジャングルに響き渡り、得体の知れぬ何かが見え隠れする。
パニックに陥った彼らは散り散りとなり、遂にはチャーリーの絶望の悲鳴がとどろく。
駈けつけた彼らはチャーリーの無残な死体を発見、やがてジャングルは闇に包まれ、残された彼らは恐怖の夜を迎えることになるのだが…。

出典: www.amazon.co.jp

良点:SNSを使った救出劇という展開の妙

この手のホラー映画は登場人物が全員死ぬか、主人公が独力で助かるかのどちらかのエンドを迎えることが多いのですが、今作は違いました。危機的状況におけるSNSの力。助けを求める動画が瞬く間に世界に広がっていき、それによって救助の手が差し伸べられます。ちょっと拡散されるのが早すぎる嫌いもありますが、それはまあ致し方ないことでしょう。自分の力だけでなく、外の力にも頼って現状を脱する展開。今までにありそうでなかったように思えます。

助かったと思ったところでの転落ぶりもなかなかに見事でした。テレビ局のエゴで、助けるべきの要救助者をカメラに収め続けた結果、彼女は謎の未確認生命体に食べられてしまうのです。可哀想に。助けてやれよと思いながらその後の展開を予想できたので驚きはしませんでしたが。生中継だったのでグロテスクな生物がもろに映ってしまったので、私的にはその後の展開も気になるところでしたが物語としてはそこでおしまい。まあそういうものですよね。

悪点:謎の生物の正体と急ぎ過ぎた展開

まず謎の生物の正体なんですが、どうやらあのチュパカブラのようです。チュパカブラってこんな出で立ちなんですね、と納得するには及ばない造形。グロテスクな外見は普通に人間っぽかったのですが、そこはもう1歩踏み込んでほしかったです。ミステリーやSFではないのでそこに焦点が当たらないのは至極当然のことなのですが、チュパカブラの一言で片づけられるとどうにも肩透かしの感が拭えません。人間が突然変異したとかだったら良かったのに。

加えて、この作品ではSNSによって登場人物が助かるのですが、その拡散の仕方も正直異常です。SNS全盛期であるこの時代においてもあれだけの拡散速度はあり得ないでしょう。有名人などがこぞって拡散したならともかくとして。アイデアは良かったのですが、リアリティが足りませんでしたね。現に作品の序盤に登場する、似たような生物に襲われる動画もほとんど話題になっていなかったようですし。電波がひょんなことで繋がるのもご都合主義ですし。

まとめ

悪くはない。悪くはないんですけど、やっぱりこういった作品に現代の利器を持ち込むと世界観が崩れてしまいますね。似たような映画として「ディセント」というものがありますが、こちらの映画は洞窟の中という森林よりも緊迫感溢れる場所が舞台ですのでかなりの臨場感がありました。森だとやっぱり画面が明るすぎて恐怖感がどうしても軽くなってしまいますからね。しかし新たな可能性という意味では嬉しい発見でした。今後このアイデアがどのように膨らんでいくのか楽しみです。

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