目次

  1. ブラック・ジャック『新装版』って?
  2. 新装版第1巻収録/第1話 医者はどこだ!
  3. 「この患者のために肉体を犠牲にする人間が要る!」
  4. 天使か悪魔か
  5. さいごに

▲《引用元 新装版ブラック・ジャック「第1話医者はどこだ!」より》
※”(クォーテーション内)”や《括弧内》は本誌からの引用になります。

ブラック・ジャック『新装版』って?

ブラック・ジャックの漫画を買おうとするとまずぶち当たるのが、『どのシリーズを買えばいいのか分からない』という問題です。
それもその筈、様々な出版社から異なる形(内容)で出版されている「ブラック・ジャック」は、その種類だけでも膨大なモノになります。
なのでまずは各シリーズの特徴的な情報を集めて比較し、『どれを読み始めるか』を決めなければなりません。

〈ブラック・ジャック単行本一覧〉
①秋田書店 少年チャンピオン・コミックス;全25巻
②講談社 手塚治虫漫画全集;全22巻+「鉄腕アトム」別巻1
③秋田書店 豪華版;全17巻+オールカラー版
④秋田書店 秋田文庫;全17巻+TreasureBook
⑤講談社 手塚治虫漫画全集DX版;全22巻
⑥秋田書店 少年チャンピオン・コミックス・スペシャル;全17巻
⑦講談社 手塚治虫文庫全集;全12巻+「鉄腕アトム別巻」
⑧復刊ドットコム「大全集」;全15巻

出典: DETAIL.CHIEBUKURO.YAHOO.CO.JP

ザッとまとめるとこんな感じ。
値段やサイズはもちろん、収録話数、掲載順、カラーイラストに違いがあったりします。

とりあえず1974年に出版された「①秋田書店 少年チャンピオン・コミックス;全25巻」が文庫本の原型の様ですが、今回ご紹介する・・・というか筆者が購入したのは2004年出版の「⑥秋田書店 少年チャンピオン・コミックス・スペシャル;全17巻」になります。これが「新装版」と呼ばれるものですね。

P1020858

⑥新装版表紙

筆者の場合は①と⑥以外の値段が高価過ぎて手が出なかったので、選択肢はこの2シリーズに絞られました(笑)
よって「ブラック・ジャック新装版」購入の際に決め手となった、双方の特徴比較したものが以下です。

全巻冊数・・・
①(コミックス)25巻
⑥(新装版)17巻
第1巻のページ数・・・
①(コミックス)p211
⑥(新装版)p312
1冊あたりの価格・・・
①(コミックス)421円
⑥(新装版)555円
未掲載収録話数・・・
①(コミックス)8
⑥(新装版)11
掲載順・・・
①(コミック)順不同
⑥(新装版)本誌連載順

冊数・ページ数は値段と釣り合っているとして、筆者は「正しい順序で読みたい」思いが強かったので「連載順に掲載されている新装版」を選ぶ事にしました。
未掲載収録話についてはどのシリーズも必ずあるので、全話コンプリートするのは難しいようです。

BJUNRELEASED.SBLO.JP

DETAIL.CHIEBUKURO.YAHOO.CO.JP

新装版第1巻収録/第1話 医者はどこだ!

さて本題に入りましょう。
第1話は当然ながら、主人公のブラック・ジャックが初登場する回になります。
後に助手として大活躍するピノコの登場はまだ先の先です・・・( ̄ー ̄)

~あらすじ~
ヨーロッパのとある国で起こった自動車事故。
その車を運転していたのは、大実業家の不良息子・アクドでした。
病院に運ばれたアクドの元へ駆けつけた父・ニクラは、「金はいくらでも出すから息子を直せ」と医者に詰め寄ります。しかし、頭の骨が折れ、首が折れ、肺が潰れて(ry
後3日と持たない容態のアクドを治療でき、尚且つ助かる保証をする医者など居ませんでした。
たった一人を除いては。
あちこち電話を駆け回ったニクラの部下は、「ブラック・ジャック」と呼ばれる素性不明の天才医師を探し当てます。
その怪しげな風貌に不信感を抱きながらも、ニクラはブラック・ジャックを息子のもとへ案内するのでした。

「この患者のために肉体を犠牲にする人間が要る!」

アクドを一通り診終わったブラック・ジャックは、非道とも取れる言葉を口にします。

《 治せるが別の肉体が必要だ――どうしようもない部分を切除して取り替えるのだ 》

それでも”治せる”と断言してしまうブラック・ジャック(笑)
漫画の中の人物とわかっていても、畏怖の念を感じてしまいますね。

そしてそこで白羽の矢が立ったのが、仕立て屋の好青年・デビイでした。
「アクドが自動車事故を起こした時に傍に居た」「運転を妨害した」という謂れのない濡れ衣を着せられ、殺人未遂の疑いで逮捕されてしまいます。
もちろん、この裏で手を引いていたのはアクドの父・ニクラでした。
大実業家の権力と金を使って、警察だけでなく裁判に関わる者までをも買収していたのです。
合法的にデビイを殺そうとするニクラは、正しい証言をする証人たちの口も塞ぎます。

どうしようもない不良息子でも、彼にとっては唯一無二の大切な息子なのです。

事の一部始終を見ていたブラックジャックは反感的な表情を抱きながらも、
どうこうするでもなくニクラの言い分を最後まで聞いていました。
モグリの医者であることを指摘され、脅しとも取れる言葉を浴びせられながら・・・。

そしてニクラの策にハマってしまったデビイは、死刑を宣告されてしまうのです。

天使か悪魔か

死刑宣告を受けたデビイは自分の体がアクドの体に移植されることを知らされます。
『悪魔の手先め』
ブラック・ジャックに放ったこの言葉が、デビイの精一杯の抵抗のようでした。

アクドの隣に眠らせたデビイを並べ、手術が始まります。
この時、ブラックジャックはニクラに対してさりげなく
『助けたあとは責任を負わないぜ』といいます。
これは何か企んでいる予感・・・。
おまけに自分以外の全員に退出を求めるもんですから、予感は確信に変わりましたww

数時間後。手術が終了し、成功します。
『内臓と手足をほとんど使っちまった バラバラになってもう人間の形をしてないよ 見るかい?』
興味本位でデビイはどうなったのかと聞くニクラに、ブラックジャックは平然と答えました。

2ヶ月後――。
全身を覆っていた包帯を取ると、そこには事故を起こす前の姿になっている(元通りになった)アクドがいました。
感激して我が子に抱きつくニクラ。ブラックジャックは報酬を受け取ってその場を立ち去ります。
しかし、ニクラに対するアクドの様子が妙によそよそしいのです。しばらくしない内にアクドは病院から姿を消し、行方不明になってしまいました。
そしてデビイの母親が居る仕立て屋にひとりの青年がやって来るのです。
『ぼくだよ デビイだよ! ママ・・・帰ってきたよ!』
そういう青年の姿は不良少年のアクドそのものでしたが、
布を切るハサミ使いを見て母親は目の前にいるアクドがデビイだと悟ります。
『ママ 死んだのはアクドの方だよ ブラック・ジャック先生はね 僕の顔をアクドの顔ソックリに整形手術しただけなんだ。体も心もくさってる奴は手術したって無駄だとさ!』
そう言うとデビイはアタッシュケースいっぱいに入った札束を見せ、母親を驚かせます。
『先生にもらったんだ これで外国へ逃げろってさ』
その大金はおそらく、ブラック・ジャックがニクラからぶん取った手術代の全額なのでしょう。
『あの先生はきっと天使だね ママ』
デビイが持ち出した言葉は、2か月前とは正反対のものでした。


そして急ぎながらも仲睦まじく仕立て屋を後にする2人の姿を、ブラック・ジャックは人知れず見送りました。

さいごに

”ブラック・ジャック―――日本人である以外、素性も名まえもわからない。
だが、その天才的な手術の腕は神業とさえ言われている!!”

この妙にミステリアスな設定も読者を虜にする一因でしょうか?

「医師免許を持たないのに天才的な腕は認められている」という、実力一本勝負のBJ!
まさに自らの手で道を切り開いていくその姿が、現代にも通ずる魅力的な主人公像になっているのかもしれません。

漫画でしか味わえない巧みな描写も多々あるので、漫画版BJはとてもオススメの作品ですよ。

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