目次

  1. 初版は1987年
  2. ヒューゴー賞ネビュラ賞のダブルクラウン
  3. 当時、驚きの世界観とキャラクター設定
  4. 驚愕の展開
  5. 続編が沢山
  6. 読んでから映画がオススメ

初版は1987年

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「エンダーのゲーム」(オーソン・スコット・カード著)は初版はハヤカワSF文庫から野口幸夫氏の訳で出版されました。表紙の感じや題名からして、今で言うところのライトノベルのイメージを抱く方が多かったようです。スターシップ・トゥルーパーズやスター・ファイターのようなイメージですね。一度絶版になりましたが、映画化に伴い新訳版が田中一江氏の訳で上下巻で発売されました。

ヒューゴー賞ネビュラ賞のダブルクラウン

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この作品はアメリカのヒューゴー賞とネビュラ賞のダブルクラウンに輝いています。ヒューゴー賞とは、SFファン投票により決定されるもので、ネビュラ賞(星雲賞)とはSFファンタジー作家協会に所属している作家達が選考する賞です。この2つの賞を受賞しているということは、すなわち文句なく「最高!」の称号を与えられているということです。

当時、驚きの世界観とキャラクター設定

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ストーリーは侵略者バガーから3度目の攻撃が始まる前からスタートします。バガーとは一切の意思疎通が出来ず、人類も甚大な被害を受けている為、徹底抗戦の準備として宇宙にバトル・スクールなる施設を作ります。
まずここで目を引く設定が、3つ。世界情勢が戦争中や開戦直後ではなく、インターバル中という変わった時間設定。これにより、直接的な戦闘シーンがありません。題名が「バトル」ではなく「ゲーム」なのはそのせいかと想像しますが、実は凄い含みがあります。次に、このスクールに集められる男女の年齢が幼いこと。主人公のエンダーはその中でも特例で、6歳で入学します。戦争ものの主人公は10代後半から20代の少年・青年が一般的な中、この低年齢の主人公には驚きです。そして、敵「バガー」の情報の少なさ。戦争ものでありながら、敵の姿がほとんど出てこないという特異さは「宇宙戦争」に匹敵すると思います。

驚愕の展開

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将来敵を叩く為に編成される艦隊の指揮をとる為に組まれるカリキュラムは過酷で非常です。頭脳明晰とはいえ、6歳の少年に課せられる重圧は常識レベルを遥かに越えています。元々争う事が嫌いなエンダー少年が、それでも逃げ場が無くて進んでゆく様は、後に「エヴァンゲリオン」の主人公、碇シンジのモデルとなったと言われています。この時にもう「サードの少年」という言葉が出来ていました。
この後はネタバレなので注意!
一番衝撃的なのは、最終試験と称して行った戦闘シュミレーション。敵の母星を叩くそのシュミレーションは非常に難しく、エンダーはチームの艦隊を率いて正面から攻撃を仕掛けますが、次々と仲間の艦が撃破されていきます。それでも残った艦で強硬突破をかけ、敵母星を消滅させてミッションは終了。今日もようやくシュミレーションが終わったと思ったエンダー達に驚愕の事実が襲いかかります。今までシュミレーションと思ってやっていたものは、全て本物の艦隊のミッションだったのです。シュミレーションで大破した艦は本物の人間が乗り込んだ宇宙艦隊、攻撃して消滅させたのは敵の母星。この時、エンダーはまだ11歳。あまりのショックに引きこもってしまいます。
それでも、ほとんど知ることがなかった敵のことを調べ、エンダーは知らなかったとはいえ自らが滅ぼした敵の母星に赴き、自分が出来る贖罪を求めます。
一つの種の存続をかけた戦いであり、少年の成長記録であり、更には自分や他の人間そして別の種族の存在価値を問う深いストーリーです。

続編が沢山

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「エンダーのゲーム」は実は続編が沢山出ています。「死者の代弁者」「ゼノサイド」「エンダーの子どもたち」。その中でも、「エンダーのゲーム」の次に出版された「死者の代弁者」は、これまたヒューゴー賞・ネビュラ賞のダブルクラウンという凄い作品です。
他にもスピンオフ作品として「エンダーズ・シャドウ」「シャドウ・オブ・ヘゲモン」「シャドウ・パペッツ」 などが出ています。こちらはエンダーの副官を務めたビーンという小柄な少年が主人公になります。こちらも面白いです。ストーリーはエンダーと会う前から始まっているので、「エンダーのゲーム」をビーンの視点で見ることが出来ます。また一味違った「エンダーのゲーム」が楽しめます。

読んでから映画がオススメ

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映画では時間が限られてしまうので深く表現が出来なかった部分が多く、後半はストーリーを知らないと理解が難しい展開の為、まず小説をじっくり読み込んでから映像を観た方が数倍楽しめると思います。小説で掘り下げた深層心理と映像でないと表現出来ない迫力を上手く組み合わせて「エンダーのゲーム」をガッツリ楽しみましょう。