怖くても惹かれるのは傑作の証?『まんが日本昔ばなし』のトラウマ話(超独断)

その昔、『まんが日本昔話』というアニメがTBS系列で放映されていました。子供に対する教訓として描かれた話の中には、「トラウマになった」と語り継がれるものも…。

『キジも鳴かずば』

高熱にかかり、うわごとで「小豆ご飯が食べたい」という娘。もう助からないかもしれない娘のため、生まれて初めて盗みを働いた父(小豆が長者屋敷のところにしかなかった)。誰にも露見することはありませんでした。回復した娘が「小豆まんま食べた」と歌わなければ。

口止めはしたんですけどね…。

父は氾濫した川を鎮めるための「人柱」にされて、以降娘は何も言わなくなる、という哀しいお話です。もっと劇画風の絵柄で見た気がするんですが、その時は娘がうずくまり、口を利かなくなるさまなどが、脅かすような大きな効果音と共に描かれていました。

『イワナの怪』

毒のようなものを流して魚を獲る「根流し」という猟法を試そうとする男たちの前に、謎の僧侶が。どうかそんなことはしないでほしいと頼み込む彼に、男たちは食事を振る舞います。「根流しはしない」との口約束と共に別れますが、「坊さん行ったか、じゃやるぞー」と決行…。

坊さんがまず怖いです。真っ暗な影が落とされた口元に食事を放り込んでるし。ラストはトラウマ的なエコメッセージと思っておきます。

『三本枝のかみそり狐』

「あれは狐だ…間違いない…」夜道で見かけた赤ん坊連れの女性の後をつけ、家に押し入って赤ん坊を囲炉裏へ…。これだけでもトラウマですが。

この婆さんの変貌ぶりも絵柄もお子さんにはキツイです。成人しててもキツイです。

『十六人谷』

樵の爺様の言うには、山には「魔」がいる時がある。若い頃、うわばみという大蛇に仲間が(恐らく)飲み込まれてしまったこと、その仲間の通夜から帰ると、謎の女性が「明日はいる山に柳の木があるけど、その木だけは切らないでください」と言われたことなどを語ります。

若き日の爺様。

翌日、15人の仲間とともに山へ行くと、昨夜の女性が。そして、爺様の言うことなど聴きもせず、立派な柳の木を切ってしまいます。その晩、小屋に入ったとたんに眠ってしまう一同。仲間は皆、例の女性に舌を引き抜かれていました。…怖いのは話をしている相手。若い女性なんですが、爺様にしか見えてないみたいなんですね。というかどう考えても、例の女性ですよね…成人してから見た限りでは、どこか切なく美しく感じましたが、子供が見たら「怖い」んでしょうね。爺様はその女性にある種恋していたようですが、自然に魅入られた人間ということなんでしょうか。

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