目次

  1. 絵に驚く
  2. ストーリー
  3. 意味深な絵と、難解な謎
  4. 宝物の行方
  5. 「ウサギ発見」の真相

絵に驚く

絵本だからって侮っちゃいけません。

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どうですか、このハイクオリティな絵!そして何よりの魅力は「謎解き」です。

ストーリー

「月の女神」が「太陽」に恋をしました。愛の印としてのプレゼントは野ウサギのジャックに託されます。が、ジャックはそれを失くしてしまいます。「というわけだから、読者の皆さん、探すの手伝って」というのが大まかなストーリーです。ドジっ子ウサギの尻拭いですが、宝探しがスタートです。

意味深な絵と、難解な謎

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イギリス出版なので、作中現れるなぞなぞめいた「謎」は英語で考えなくてはなりません。そして、額のように絵を取り囲む枠に書かれたアルファベット。赤いところがありますね。この赤いところをつなぎ合わせて「アナグラム」を作ったり、絵に繰り返し現れるモティーフ、共通のモティーフも考慮に入れねばならない(と思われる)非常に高度かつ難解なミステリー絵本なのです。

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宝物の行方

まったくの偶然に近い形で宝は見つかってしまいました。謎の一つに着想を得て、ですが、作者の望んだ形ではなかったようです。うーん、ロマンがない・・・。

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著者キット・ウィリアムズが「ウサギは見つかった」と発表したにもかかわらず、読者は納得せず「自分のウサギを探し続けていた」。自分の望む形の良い解答を、別のウサギを。

出典: JA.WIKIPEDIA.ORG

これはこれでロマンかと・・・しかし、またも事態は一転しました。

「ウサギ発見」の真相

「発見者の手口は詐欺だよ、金属探知機使っても見つからなかった(それを防ぐために投棄の箱に入れられていた)から、その辺の場所描いて、適当なことを言って偽名使ってウィリアムズに連絡したんだ。それで認めさせたんだ」・・・イギリスの新聞にこのような記事が載り、「発見者」たちはゲーム会社を起こしたものの失敗。ウサギは競売にかけられたものの、制作者の元へは戻らず、行方不明のまま。

出典: JA.WIKIPEDIA.ORG

正確な解答を導き出した人がいたのに、そっちに行かず行方不明・・・ロマン溢れる絵本だったのに、現実はこんな結果に終わりました。日本語版の巻末では、著者キット・ウィリアムズの人となりや、「次回作」の構想及びそれにかかわる2枚の絵が紹介されていたことも相まって非常に残念です。「今度の主人公はハチでねー」とか「これは春夏秋冬を表しているんだ」などと訳者に説明してくれたそうですが、そちらがどうなったのかは、ウサギの行方同様分かりません。

残念な結果に終わった『仮面舞踏会』。謎がちょっと難しすぎたのも一因かもしれませんが、謎解き、絵、いずれもハイクオリティです。こんな形で埋もれてしまうのが勿体ないほどに。もしも手に取ることがあったら、ぜひ読んでみていただきたいです。各ページに隠れているウサギを探す、という一興もあります。ちなみに正確な答えはウィキペディアに出ていますので、「答気になる!」「解けない!」という方はそちらをご覧ください。