荒川UBの前身・『中村工房』

先年アニメ、実写化して人気を博した『荒川アンダーザブリッジ』。実はこの作品、作者・中村光さんが重大の時に執筆した短編集から、キャラクターのヒントを得ているんです。今回はその元キャラクターとその短編について紹介します。

天才!!横田金次郎

〈あらすじ〉
がり勉系天才児・横田金次郎は受験当日以降、特有のノイローゼを発症。
解答用紙に河童のスペックを事細かに書いた落書きを残したり、テストを提出する際に鶴を折ったり、好きな女の子が落としたハンカチをハート型に畳んでしまったりetc
彼の悩ましくもシュールな高校生活の短編が主。

主人公・リクルートのモデル。ハメの外し方を知らないエリート像の原型を感じます。

カッパドキア

〈あらすじ〉
勉強中の少年。彼の前に現れたのは、見てくれがどう見ても河童なのに「パンクロッカー」を名乗る奇天烈な生物だった…
初回の出会い回のほか、海水浴など様々な場所で粋がろうとする河童が見受けられる。

村長の原型。荒川においては「河童」であることを主張し(ながら着ぐるみ感をかもし)ていましたが、こちらでは逆に「人間」でると言い張っています。

星に願いを

〈あらすじ〉
一番星に願う青年の前に、パン一でぶら下がる星ヘッドの男が現れた…
彼は願いを一つ叶えると言い、「好きな人と付き合いたい」と願うも、あえなく却下。
代わりに相手の心情を教えてくれと願うも、ただ「メガネ」とだけ認識されてると半笑いで告げる。
青年の夢はガラガラと崩れおちるのであった…

パンクロッカー・星の原型。荒川と同じく主人公をおちょくるキャラクターを感じます。

エデンに一番近い家

〈あらすじ〉
生まれた時から悪運に取りつかれている少年・ヤン。両親を失った彼が叩いた孤児院の扉。
そこは何と、シスター称する男が率いるブートキャンプだった…

銃器携え苦行癖のあるシスターの原型。こちらではどちらかと言うとサド寄り。

僕はファッションリーダー

〈あらすじ〉
ファッションリーダーを名乗り粋がる羊。
ある朝起きたら、飼い主の女によって自慢のふさふさ毛はトイプードル型に刈り取られていた…

シスターの想われ人でドsっぷりが特徴のマリアの原型。本編より見た目等は少女寄り(中身は負けず劣らず強烈)

まとめ

「荒川」の原点が詰まっているこの作品。本編そのものはシュールと不条理のオンパレードで、荒川のころより尖ってる印象を感じました。『聖☆兄』や『荒川UB』で見られない中村作品の一面が見たい方、ぜひぜひオススメです。

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