情熱的に生きた、彫刻家カミーユ・クローデル

フランスの彫刻家カミーユ・クローデルは、近代彫刻の父ロダンの弟子にして愛人だったことが広く知られています。その類い希なる芸術的才能と、彼女の悲劇的な人生が映画や小説にもなり、話題となりました。そんなカミーユ・クローデルの作品をまとめました。

悲劇の女彫刻家、カミーユ・クローデル

カミーユ・クローデルは近代彫刻家の父、ロダンの弟子として彫刻を学びました。弟子入りした当時19歳だったカミーユは、そのまま自然とロダンと恋に落ちていきます。しかし賛称されるロダンの陰で、カミーユは世間からは才能を認められず、さらには愛人としてロダンと実らぬ恋を続けることに、どんどんと絶望していってしまいます。彼女は自分の多くの作品をその手で壊し、一人寂しく人生の最後を向かえることになります。

1864年、エーヌ県のフェレ=アン=タルドノワ(英語版)にて、父ルイ=プロスペル・クローデルと母ルイーズの間に3人兄弟の長女として生まれる。妹には母と同じルイーズの名前が与えられた。子供の頃から彫刻に親しみ、卓越した技術と才能を発揮していく。そしてまた類まれなる美貌をも持っていた。19歳の時に彫刻家オーギュスト・ロダンの弟子となる。時にロダン42歳。2人は次第に愛し合うようになるが、ロダンには内妻ローズがいたため三角関係となる。その関係はその後15年にわたって続いていく。
ローズは大きな心の安らぎの存在であり、カミーユは若さと美貌と才能に満ち溢れた刺激的な存在であったため、ロダンは2人のどちらかを選ぶことはできなかった。その中でカミーユは20代後半にロダンの子を妊娠するも中絶し、多大なショックを受ける。やがて2人の関係は破綻を迎え、ロダンは妻ローズのもとへ帰っていく。徐々にカミーユは心を病み、40代後半に統合失調症を発症する。

出典: ja.wikipedia.org

「魂の叫びが聞こえる」と言う人がいるほど、カミーユの彫刻からは愛情や苦悩、葛藤や憎悪などの感情が伝わってきます。

カミーユ・クローデルの作品

【分別盛り】老人をそそのかす悪魔と、悪魔に導かれて去って行く老人、そして悲しそうに見つめる女。まるで彼女とロダン、そしてロダンの妻の関係をそのまま彫刻にしたかのようです。特に女性の顔は苦悩に満ち、必至に懇願しているように見えます。

【ベルチュムとポモナ】その質感や構図から、二人が愛情に満ちあふれて、至福の時間が流れているように感じることができます。

【ワルツ】そっと体重を預けている女性と男性は、体が一つになり始めているように見える作品です。魂の結びつきや深い愛情を感じます。

【クロト】クロトとは運命の糸を紡ぎ出す者のこと。しかし、カミーユがたぐり寄せた糸にはどのような結末が待ち受けていたのでしょうか。この老婆からは温かみを感じる事ができません。深い暗闇と混乱、さらには絶望、そのようなことを連想させます。

映画「カミーユ・クローデル ある彫刻家の悲劇」

2013年にはカミーユ・クローデルの生涯を描いた映画「カミーユ・クローデル ある天才彫刻家の悲劇」が公開されました。カミーユの生涯を題材にした映画は今までも数本公開されているので、カミーユをはじめ、ロダンの彫刻を学ぶきっかけに利用してみてはいかがでしょうか?

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