カラーインクでぼかしの妙技を駆使して見事なメルヘンの世界を描く永田萠。コンピュータでの作画が主流になって久しい現代において、イラストレーターとしてデビューして以来の、水彩紙にカラーインクで描くという手法を守り続けておられる永田萠さんの描く世界は、その方法でなければ表現不可能と思わざるを得ないインパクトを発信し続けていると感じられます。

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コンピュータアプリケーションもかなりの進化を遂げていて、様々なタッチの絵を描くことが出来るようになってはいますが、計算通りというか緊張感がないというか偶然性が期待できないという面でおもしろさに欠けてしまう表現になってしまう気がするのです。

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永田萠さんの描く手法は─水彩紙に水を染みこませて、カラーインクを垂らして広がっていく色彩の偶然性を自在に操っていくところが凄い、或いは少し大袈裟ではあるけれども神懸かり的とさえ思ってしまう。濡らした紙に成り行き任せで広がっていくカラーインクの滲みは自然の法則によって独特な色の広がりを産み出していくので、これを自在に操る技術は正に“色彩の魔術師”と言って余りあると感動します。

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本人も認められているとおり「いわさきちひろ」さんに影響を受けたと言われるだけあって、ぼかしの妙技には共通点が多いとはいえ、そもそもあらゆる画材の中で一番発色の良いカラーインクで描かれているという点や、友禅染めの技術を取り入れた手法などを駆使されており、永田萠作品にはいわさきちひろ作品にはない魅力が溢れていると実感してしまいます。