目次

  1. ルイス・リカルド・ファレロの世界

ルイス・リカルド・ファレロの世界

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画家ファレロはスペイン人ですが、パリで絵の勉強をした後
ロンドンに活動拠点を置き、45歳で亡くなるまでヴィクトリア朝の
イギリス画壇で活躍しました。1860年頃から急速に高まってきた
裸体画流行の波に乗り、神話的・幻想的なテーマで美しくも
独創的な裸体画を描きました。

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「漆黒の夜空に浮かぶ大きな天秤を2人の乙女が支えています。
金髪の乙女が掲げる皿に載っているのは王冠と笏と首飾り。
赤毛の乙女が押し下げる皿に載っているのは睦まじく
つつき合うつがいの鳩。「権力や富よりも愛(または平和)の方が重い」
ということを示したこの寓意画は、もちろん正義の女神
アストライアの天秤をイメージの源泉としたものです。

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しかし、あくまでも卑猥・低俗という批判を浴びぬよう
細心の注意を払って気品あるヌードを描くことを目指した
イギリス人画家たち(たとえばレイトンやポインターなど)
とは違い、ファレロの描くヌードには甘やかな官能性が
これ見よがしに漂っています。
ヴィクトリアン・ネオクラシシスムよりも、むしろカバネルや
ブーグローなどフランス官展派の方に近い画風ですね。
これはやはり若い頃パリで絵を学んだことが影響しているのでしょうか、
それともラテン系(フランス人・スペイン人)と
アングロサクソン(イギリス人)の違いの現れなのでしょうか。
それとも単に画家個人の好みによるのでしょうか。なかなか興味深い問題です。

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当時のオリエンタリズムの流行にのって、
中東の美女たちを空想で描くこともありました。

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「エンカンタドーラ」(1878)
魅惑的な女性、または魔女という意味があるそうです。

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「夜明け」1883

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「ファウストの夢想」1880

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「ニンフ」1892

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「月明かりの美」

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「横になる裸体像」1879