21世紀に語り継ぎたいクラシックな洋画50選-2-

若い人達にも是非一度はみてほしい20世紀のクラシックな洋画50選。
その11作目〜20作目までを紹介します。

カッコーの巣の上で(One Flew Over the Cuckoo's Nest)

「カッコーの巣の上で」は、1975年公開・アメリカ映画。監督ミロシュ・フォアマン。

主演は名優の誉れ高いジャック・ニコルソン(Jack Nicholson)です。
原作はケン・キージーの小説。
「アメリカン・ニュー・シネマ」の代表作で、第48回のアカデミー賞で、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と主要5部門を独占しました。

物語では、刑務所行きを回避するため精神病者を装った男(マクマーフィー=ジャック・ニコルソン)が直面する、精神病棟での驚くべき実情が描かれています。
衝撃的なシーンが連続して見る側は圧倒されます。やがて思わぬ展開でラストシーンでは涙が…。

婦長(左下の画像、右側の女性=ルイーズ・フレッチャー)が、ホントに「やな女」!
でもそれは、見る側にそれほど嫌悪感を抱かせるぐらいの存在感だったということでもありますね。

サイコ(Psycho)

「サイコ」は、1960年公開、アメリカ映画。監督アルフレッド・ヒッチコック。
サスペンス、ホラー映画の監督として、右に並ぶものなしと呼ばれたヒッチコック監督の作品群の中でも、とりわけ「サイコスリラー」系の傑作と評されています。

全編モノクロ。却ってそれが見る側の想像力を煽り、恐怖を強める効果に。
また、タイトルデザインを手がけたソウル・バスのセンス、この作品以降、殆どのサイコホラー系の作品では似たような音楽が使われるようになった程インパクトの強かったバーナード・マンの楽曲など、特筆すべき点が多くある作品です。

主演の一人、アンソニー・パーキンス(Anthony Perkins)(ノーマン・ベイツ役)は、この映画で演じたキャラのイメージが強すぎて、これ以降かなり苦労したようです。それくらい強烈な印象を与える作品でした。

そして「サイコ」と言ったらやはりあのシャワーシーン!不安をあおるBGMとともに、美女(ジャネット・リー=Janet Leigh)に振り下ろされるナイフ。そしてラストシーン。最後まで怖すぎます。

理由なき反抗 (Rebel Without a Cause)

「理由なき反抗」は、1955年公開、アメリカ映画。監督ニコラス・レイ。
主演は夭折の天才俳優ジェームス・ディーン(James Dean)。
自動車事故により、20代の若さで命を落としたディーンは未だに「悩める若者のシンボル」として語られることが多い伝説の人物です。
芸歴はわずか4年、主演を演じてからは更に短い半年という期間を駆け抜けたジミー・ディーン。
この作品では、若者たちによる「チキンレース」が話題になりました。

イタリアの清純派女優、ピア・アンジェリとの悲恋が良く知られているディーン。
彼の有名な表情がこの「上目遣い」でした。
この「哀しげな」表情に母性をくすぐられた女性が多かったといいます。

タクシードライバー(Taxi Driver)

「タクシー・ドライバー」は、1976年公開、アメリカ映画。監督マーティン・スコセッシ。
主演は、作品毎に体型までがらりと変えて臨むことで「カメレオン俳優」とも呼ばれる名優ロバート・デ・ニーロ(Robert De Niro)。
海兵隊あがりで、不眠症に悩まされ、真夜中のNYをタクシードライバーとして走りつづける男を、この映画でもデニーロが大幅な減量をして見事に演じています。
タクシーに乗り込んでくる様々な人々の猥雑な人間模様、都会の闇にうごめく得体の知れないものたちなどが、デニーロの視点で次々に映し出されます。

本作は第26回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品です。
1994年にはアメリカ議会図書館がアメリカ国立フィルム登録簿に登録しました。

そして当時まだロウティーンだったジョディ・フォスターがコールガール役で出演していたのも話題になりました。

当時13歳!驚きです。

バーナード・ハーマンによる「タクシー・ドライバーのテーマ」がとても素晴らしいので、アップしておきます。

ローマの休日(Roman Holiday)

「ローマの休日」は、1953年公開、アメリカ映画。監督ウィリアム・ワイラー。
ヨーロッパ某国の王女アンと、新聞記者ジョーのたった一日の淡いラブストーリー。

こんなに誰からも愛される作品もそうはないでしょう。
オードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)が本当の王女様のようで、「可憐」「気品」という言葉がぴったりでした。

監督のウィリアム・ワイラーは数々の名作のメガホンを取った名匠。
本作でもアカデミー賞の主演女優賞、脚本賞、衣装デザイン賞を受賞しています。

また、ローマの観光スポットを巡る「旅物語」的な楽しさもあります。

ベスパに相乗りしてローマ市内を走るアンとジョー(グレゴリー・ペック=Gregory Peck)。
見ているだけでうきうきしてくる場面です。

この映画を見て「私もスペイン広場に行ってみたい!ヘップバーンみたいにジェラートをなめながら階段を降りてみたい!」と思った人も多いのでは。

ラストの別れのシーンは、爽やかな余韻が残ります。

雨に唄えば(Singin' in the Rain)

「雨に唄えば」は、1952年公開、アメリカ映画。
MGMが得意としていたミュージカル映画の傑作です。
「Singin' in the Rain」という曲自体は、この映画よりもかなり以前に作られていたもので、トーキーになって間もなく既に映画で披露されていました。

アメリカ映画協会(AFI)発表したミュージカル映画ベストの第1位、アメリカ映画主題歌ベスト100の第3位に選ばれるなど、評価の高い作品です。

この主題歌「SINGIN’ IN THE RAIN」、どなたにもきっと聞き覚えがある曲だと思います。
歌っているのはジーン・ケリー(Gene Kelly)。同じミュージカルスターでも、「エレガント」を絵に描いたようだったフレッド・アステアとは違う、「ダイナミック」なスタイルが持ち味の人でした。

動画ではありませんが、ケリーが唄う「Singin' in the Rain」がここで聞けます。

サウンド・オブ・ミュージック(The Sound Of Music)

「サウンド・オブ・ミュージック」は、1965年公開、アメリカ映画。監督ロバート・ワイズ。
今でも熱烈なファンの多い、エバーグリーンな魅力を持つ映画の代表例と言えるでしょう。
アカデミー賞の作品賞、監督賞、編集賞、音楽賞、録音賞の5部門を受賞しました。

修道女マリアが出会うトラップ一家との生活を中心に描かれた本作では、ジュリー・アンドリュースの清潔な魅力と抜群の歌唱力、子供達の愛らしさ、オーストリア、アルプス地方の美しい自然などがふんだんに盛り込まれ、どこを取っても心が澄み渡るような作品です。

「ドレミの歌」、「エーデルワイス」、「私のお気に入り」、など誰でも知っている曲が実はこの映画の中で唄われていました。

matsurika
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@matsurika

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