BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『BLACK LAGOON』(ブラック・ラグーン)は、広江礼威による日本の漫画作品。略称は「ブラクラ」。
タイの架空都市「ロアナプラ」を舞台に、悪党たちが繰り広げる騒動を描くクライムアクション。
洋画の掛け合いを見ているような軽妙なセリフの数々に魅了されるファンが多い。

『BLACK LAGOON』の概要

広江礼威による日本の漫画作品。略称は「ブラクラ」。
タイの架空の犯罪都市ロアナプラを舞台に、荒事も請け負う運び屋と、いわゆる裏社会に属する組織や人物たちが繰り広げるクライムアクション作品。銃や爆弾などが頻繁に登場し、一部のシーンにかなり残酷な描写、一部の人物の言動に表現上の問題、そして社会的な問題描写も見られる。作中年代は登場人物の経歴や台詞から、1990年代後半であることが示唆されている。
作中で登場するセリフの数々は言い回しが独特で、多くのコアなファンを獲得している。

『BLACK LAGOON』の名言・名セリフ

「あんた方が今話してたヤツさ。奴を月までふっ飛ばせるぜ。二人とも聞いてくれ――」

ロックこと、岡島緑郎は商社で働く普通のサラリーマンだった。しかしある日、仕事で核開発に関わる情報ディスクを中身を知らないまま運んでいたところ、南シナ海で運び屋のラグーン商会に捕らえられてしまう。ラグーン商会の女ガンマン、レヴィはロックを人質に身代金を要求しようと考え、彼をラグーン商会の船、ブラックラグーンに拉致する。しかしラグーン商会の経営者、ダッチはレヴィの申し出を却下。その後、ダッチの協力を得て、会社と連絡を取れたロックだが、会社はディスクが表沙汰になるのを防ぐため、ロックごとブラックラグーンを沈めようと考え、傭兵会社のE・O社の刺客を送り込む。かつてない命の危機に怯えるロックは、ダッチに頭を冷やすように言われ、殴られた。すると彼は、状況を打破するため、岩礁をスロープ代わりにし、あえて乗り上げて、をブラックラグーンに積んだ魚雷を当てるという策を思いつく。

それまで一介のサラリーマンに過ぎなかったロックが、持ち味を生かして状況を打破する名シーンである。このシーンを経て、彼はラグーン商会における地位を確立させたと言っても過言ではない。

「だが面白え。面白えってのは大事なことだぜ、ロック。やったろうじゃねえか」

E・O社の傭兵に追いつめられたブラックラグーンの乗組員たち。彼らはE・O社の戦闘ヘリと戦い、どうにか逃げ果せたように見えたが、逃げ場を塞がれたことに気付く。ロック達を嬲り殺しにしようとするE・O社の傭兵たち。絶体絶命の状況で、打開策も思いつかなかったダッチたち。そんな中、大いに動揺するロックは、ダッチに生き残りたかったら頭を使えと言われ、殴られる。ダッチとレヴィの会話を聞き、打開策を思いついたロック。彼の提案に仲間たちは賛否両論だが、ダッチは面白いという理由で、実行に移すのだった。

面白いからという理由で、無茶な提案を受け入れるダッチの姿に、この作品の登場人物の人物像が窺える。本作は、犯罪都市を舞台にしていることもあり、狂った人物が多い。知性に溢れ、理性的に思考するダッチすらも例外ではないということが、このセリフからは感じ取れる。

「信じられねえ。首がもげてねえ。サングラスも無事だ。アーメン・ハレルヤ・ピーナツバターだ」

ロックの提案を受け入れ、魚雷を当てることに成功し、E・O社の戦闘ヘリを撃退したダッチたち。しかし、その反動を受け、船内で体を打ちつけるブラックラグーンの乗組員一同。ロックの作戦を面白いと評し、実行に移したダッチだが、常軌を逸した考えだと自覚していたのか、彼は無事であることを確認すると、ほっとすると同時に、ぼやくのだった。

ブラックラグーン作中では、キリスト教に関する言葉が多く使われる。このセリフの中にあるアーメンやハレルヤもまた、キリスト教の用語で、ピーナツバターは語感を整えるために挿入されたと思われる。セリフの語感の良さと日本人読者には馴染みのない言葉の組み合わせからか、このセリフが印象に残っている読者は多い。

「俺はね、もう死んでるんですよ。あんたがそう言った。俺の名は、ロックだ」

E・O社の傭兵を撃退したブラックラグーンの乗組員たち。彼らがロアナプラの港に着くと、ロックの会社の重鎮がそこにはいた。彼らはディスクを巡る一件について、ロシアンマフィアのホテルモスクワと話をつけていたのだ。話が終わり、彼の上司がロックについてくるように言ったとき、ロックは彼の申し出を断り、岡島緑郎は死んだと告げ、自分はロックだと名乗るのであった。

ロックが表社会と決別し、裏社会に参画することを決定的にした一言である。

「力、さ。神よりゃよほど役に立つ」

ラグーン商会の一員になったロックはある日、沈没船から絵画を回収する仕事を請け負う。レヴィと共に沈没船に入ったロックは、早速、目的の絵画を探し始める。一方で、レヴィはただ絵画を回収するだけではなく、遺品を回収して儲けようと考える。ロックは彼女に、船内の遺品の所有権は、それらに対して深い思い出を持つ所有者にあるものだと抗議した。するとレヴィは、遺品の価値は思い出ではなく、万人が認める共通のもの、金で決まると説く。レヴィの態度に、ロックは「金は神か」と皮肉を言うが、レヴィは力だと答えるのだった。

このセリフの後、貧困に喘いだレヴィの生い立ちが語られる。このセリフはいわば、彼女の生き方であり、哲学を体現した言葉であると言える。

「『暴力バカに――――つける薬はねぇ』って書きな」

沈没船の一件以来、ロックとレヴィの間にはわだかまりが残っていた。そんな状況下で、ダッチはロックとレヴィに、使いを頼む。様々な場所で用を済ませるロックとレヴィだが、レヴィのロックに対する態度は相変わらず刺々しい。そんな中、夕食を取っていたロックはレヴィに、食べるように勧めるが、彼女は断る。ロックは続けて、沈没船での一件について、もう謝らないと口にした。するとレヴィは激怒し、ロックを殺そうとする。彼女が墓場には何と書けばいいと聞くと、ロックは毅然とした態度で答えるのだった。

レヴィの態度に辟易していたロック。それでも我慢していたが、堪忍袋の緒が切れ、気持ちを爆発させる。このやり取りを経て、レヴィとロックの距離は縮まっていく。

「二人で話して決めてみたの。ボルシチはメインディッシュ、最初はマカロニから」

ロアナプラには様々な国のマフィアが蔓延っている。彼らは互いの利益のために共同路線を歩んでいるものの、それぞれ思惑がある。イタリアマフィアのヴェロッキオファミリーは、ロシアンマフィアのホテルモスクワを潰すため、殺し屋を雇った。彼らの名前は、ヘンゼルとグレーテル。双子の少年少女である。あどけない容姿と裏腹に、彼らの腕は一流で、ホテルモスクワの構成員を次々と殺していく。しかし彼らは暴走し、雇い主のヴェロッキオファミリーにも牙を向く。困惑するヴェロッキオファミリーの面々に対し、双子の殺し屋は、意味深な言葉を呟くのだった。

双子の騒動が大きくなる発端となった出来事。ボルシチとマカロニがそれぞれ、ロシアとイタリアを代表する料理になっているところに、作者のセンスを感じさせるという意味で、このセリフは名言といえるだろう。

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