目次

  1. 『ダメな私に恋してください』概要
  2. 『ダメな私に恋してください』のあらすじ
  3. 『ダメな私に恋してください』の登場人物
  4. 柴田 ミチコ(しばた みちこ)
  5. 黒沢 歩(くろさわ あゆむ)
  6. 黒沢 一(くろさわ はじめ)
  7. 黒沢 春子(くろさわ はるこ)
  8. 晶(あきら)
  9. 最上 大地(もがみ だいち)
  10. 『ダメな私に恋してください』の名言・名シーン
  11. 疲れた時に心の拠り所になるような場所って誰にでも必要だろ?
  12. 私だって次こそは報われる恋がしたいよ
  13. それだけは誰にも負けてねえから。俺が保証してやる
  14. 自分の男くらい自分で決めろ
  15. 無理をしなくてもつき合える人がいつかきっと現れますよ
  16. 最上を詐欺師だと勘違いしてしまったことを正直に謝るシーン
  17. 主任がここでお店を続けるのは お店とお店に来る人を愛してるからです!
  18. 黒沢がミチコの父にミチコが大切だと説明するシーン

『ダメな私に恋してください』概要

中原アヤによる漫画作品。集英社「YOU」に2016年5月号~2016年9月号まで連載された。単行本全10巻。2016年11月号より続編にあたる「ダメな私に恋してくださいR」の連載が開始された。
2016年1月に日本テレビで深田恭子主演でテレビドラマ化。出演者のディーン・フジオカの人気が高く、放送終了後に「ダメ恋ロス」「主任ロス」という言葉が生まれた。

無職で貢ぎ体質の非モテ女子・柴田ミチコは、年下の大学生に貢ぎ生活がボロボロになっているところを、前の職場の元上司・黒沢歩と偶然再会し、黒沢に面倒を見てもらいながら人生をリセット。新たに人生をやり直す物語。
男に貢ぎ、仕事では他人の仕事を押し付けられ、Noと言えないダメダメだったミチコが人生を立て直す。黒沢とミチコが遠慮もなく軽妙に言い合う会話が特徴的な作品。

『ダメな私に恋してください』のあらすじ

29歳独身、非モテ系、貢ぎ体質の柴田ミチコは年下の大学生に貢いでいた。勤めていた会社は半年前に倒産、2か月前に失業保険も切れてしまった。それでも年下の彼には流行りの財布や食事をご馳走し、自分は1個100円のキャベツの千切りで飢えをしのいでいる。それでも大好きな彼のために貢ぐことはミチコにとっては幸せなことだった。就職活動をしているが、29歳で資格なしのミチコを雇ってくれる会社は今のところ見つかっていない。就活帰り、空腹でふらついているところに前の会社の上司・黒沢歩に出会った。
黒沢は前の会社の主任で別名「営業のブラックデビル」。他人にも自分にも厳しく、立っても座っても歩いても悪魔と言われていた。毎日怒られていたミチコは世界で一番黒沢が苦手だった。ミチコが空腹により立ちくらみを起こし、見かねた黒沢はミチコに食事をおごってくれた。ある日スーパーでいつもの3倍に値上がりしたキャベツを前にうなだれていると、黒毛和牛を手にした黒沢に出会った。「私だってお肉が食べたい…」と言って泣き崩れるミチコに途方にくれた黒沢はミチコを連れて外に出る。そこで、ミチコの今の状況を説明された。

初めての東京、初めての一人暮らし、慣れない環境で不安だったのに、ミチコは会社で黒沢に毎日毎日怒られて、心が折れそうだった。そんな時、テレビで見たかっこいい「イシャレンジャー」というキャラクターに心惹かれ、追っかけを始めた。ミチコはそんな毎日に危機感を覚え、合コンに行くことを決める。しかし、そこでイシャグリーンそっくりな男の子に出会い、かなりの額を貢いでしまう。さらに、その彼からは友達ですらなく、犬扱いされていた。それを聞いた黒沢は、祖母がやっていたという「喫茶ひまわり」に連れて行き、「元気が出るオムライス」を作って与えた。黒沢は親に言われて仕方なく普通のサラリーマンになったものの、本当は祖母がやっていた喫茶ひまわりを継ぎたいとずっと思っていた。資金も貯まったので、今の会社を辞め、喫茶ひまわりの店長をやると宣言した。胡散臭い商品を売るかつての会社の営業が大嫌いだった黒沢は、ほぼ八つ当たりでミチコを怒鳴りつけていたことなどを謝り、そのお詫びに、次の仕事が決まるまでのアルバイトとして、ミチコをここで雇うと言った。世界一苦手な黒沢の下で働くことに躊躇するが、ミチコは飯付き(たまに肉有り)と聞いて喫茶ひまわりで働くことを決意した。そこへ厳つい男たちがアルバイトとしてやってきた。明らかに堅気ではない様子の男達に慕われている黒沢に、一体何者なのかと多少の不安を覚えるものの、ミチコの新生活は始まった。

小姑のように喧しい黒沢にミチコは毎日こき使われ、喫茶ひまわりの開店準備は着々と進んでいく。ある日、宣伝のチラシを配るために喫茶ひまわりのキャラクターひまわりちゃんの格好をしてビラを配っていると、先日の厳つい顔のアルバイト・照井たちが手伝いに来てくれた。配りながら雑談をしていると、黒沢が昔ヤンキーだったと教えてもらった。
当時ヤンキーだった照井たちは喫茶ひまわりの近所で暴れまわる黒薔薇艶世流(くろばらえんじぇる)というグループに目をつけられ、ボコボコにされてしまう。そこに店から出てきた黒沢があっという間にたった一人で黒薔薇艶世流を叩きのめし、照井たちは助けられる。それをきっかけに、照井たちはヤンキーから足を洗い、黒沢の祖母が経営していた喫茶ひまわりに入り浸るようになった。黒沢の祖母は照井たち強面の元ヤンキーに対しても何の偏見もなく受け入れてくれる、唯一ほっとできる居場所だった。しかし黒沢の祖母が倒れ、店が続けられなくなった時にはひどいショックを受けたこと、黒沢が跡を継ぎ店を再開できるようになり、それがとても嬉しいことなどをミチコに話した。黒沢は、疲れた時に心の拠り所になるような場所を作るために店を始めていた。その話を聞き、自分の心の拠り所はどこなんだろうとミチコは考えるのだった。

ある日、ビラを配っていると、黒沢歩の所に連れて行けという女性に出会った。言われた通り喫茶ひまわりに連れて行くと、その女性はいきなり黒沢を怒鳴りつけ、黒沢の磨いていた皿を取り上げ、床に叩きつけた。女性は黒沢の同棲中の彼女・晶だった。黒沢は、店を始めることに反対していた晶に話をすることもなく一緒に暮らしていた家を出て開店準備を行っていた。電話をしても連絡が付かず、話をするために晶はこの店にやってきたという。店を続けるのならば別れると捨て台詞を残し、晶は店から立ち去った。
どうするのかと心配するミチコは、黒沢から「なるようになるから帰れ」と言われ、帰宅することにしたが、その途中、うなだれ落ち込んでいる晶を見つけてしまった。早々に立ち去ろうとするが、飲みに誘われ、断ろうとするが、おごりと聞き、金欠のミチコは晶の誘いに乗った。
そこで、怒りに任せて思わず皿を割ってしまったことを後悔し、泣きながら黒沢とのことを語る晶は意外と可愛い人なのだとミチコは気づいた。しかしこれは2人の問題なので、ミチコにはどうすることもできなかった。

ある日、イシャグリーンによく似た年下の大学生から「会いたい」と連絡が来た。彼のお母さんが入院することになりお金が必要だという。悩みに悩んだミチコは消費者金融で100万円も借りてしまった。彼には感謝されるが、とにかく鬼のように働かなければいけないと、怪しげな夜のお店で働くことを決める。そのお店にはワケアリの女の子も数多く勤めていて、同僚の女の子から、ミチコの借りた消費者金融は、一番危ない、厳しい取り立てをするところだと教えてもらった。
危ない金融業者からお金を借りてしまったミチコは不安から挙動不審になり、それを心配した黒沢から理由を聞かれ、彼にお金を渡したことや消費者金融でお金を借りたことなどを話した。黒沢に、騙されてる、カモだ、などと言われながらもミチコは自分でどうにかするとタンカを切り、夜の勤めに励んでいた。彼からはまだお金が足りないと言われ、彼の言い分のおかしなところに気づき、騙されているかもと疑いつつも、彼のために働いていた。店の女の子によるとたまにお小遣いをくれるお客さんがいるらしく、ミチコもお小遣いをもらおうと、お客さんに媚を売る。お客さんからお小遣いをあげたいけど、お店の中で渡したら怒られちゃうからこの後付き合ってと言われ、ミチコはお小遣い欲しさにその誘いに乗ってしまった。お客さんに如何わしい所へ連れて行かれそうになり、助けて、と叫んだところに黒沢が助けに来てくれた。
ミチコは黒沢に説教をされ、黒沢からお金を借りて消費者金融に返済し、夜の勤めも辞め、家賃を滞納していたアパートも引き払い、喫茶ひまわりの2階に間借りすることになった。黒沢が晶と揉めている事を知っているミチコは、大変な時にすみませんというが、黒沢は笑顔で、1回全部白紙にして人生をリセットしたかったから、別に大変じゃないと話した。だからお前も人生をやり直せと黒沢はミチコを励ました。

ある日、買い出し途中に黒沢と別れた晶に出会い、同棲していた部屋の鍵を返しておいてくれと晶に鍵を渡された。ミチコはついでに自分の近況を話すと、大学生からお金を取り返せ、と怒られてしまった。力強い晶の力を借り、大学生にも強気で対応し無事お金を取り戻すことに成功した。晶はミチコに男を見る目を養えと言い、黒沢は自分が出会った誰よりも優しい人だから、黒沢を落としてみろとハッパをかけた。自分が落とせなかった黒沢をミチコが落としたら面白い、でも、黒沢には他に好きな人がいる、と晶は話した。

倒産した会社の同僚が結婚することになり、報告をしに喫茶ひまわりにやってきた。結婚相手が映画館勤務のため、まともな男を見つけて映画でも見ろと、チケットをミチコにくれた。ミチコには行く相手もいないので、疲れた様子の黒沢にチケットを譲ろうとすると、黒沢からミチコが貰った券なんだから一緒に行こうと誘われた。今まで映画を見る時は、ミチコが彼の分までチケット代を払い飲み物や食べ物を用意していたのに、黒沢は財布は出すな、と言って、全て用意してくれた。帰りにゲームセンターによると、クレーンゲームでミチコの大好きな肉のぬいぐるみまでとってプレゼントしてくれた。夜景を見に連れて行ってくれたり、寒いからといって上着を貸してくれる黒沢に、貢ぐだけの恋愛経験しかなく、大っ嫌いだった黒沢に好意を持ちそうになる自分にミチコは戸惑いを覚えていた。

ようやくミチコに就職先が見つかった。就職先の女子社員は女子力の高そうな若くて可愛い子が多く、就業時間中に遊んでばかりいて、定時間際に泣き落しでミチコに仕事を押し付け帰ってしまった。残業代はつかないため、皆定時に帰っていく。ミチコは残業代がつかなくても、今日中と言われるものはきちんと仕上げるため、いつも終電間際に帰ることになってしまう。疲れ果て、ぐったりとして帰ると、黒沢が次の日の仕込みといって店に残っていた。空腹のミチコのためにオムライスを作ってくれ、頑張れと励ましてくれる。そして、人の分まで仕事を引き受けて残業するな、と忠告してくれた。前の会社では怒鳴ってばっかりだった黒沢だが、ミチコの仕事を投げ出さないなどの良いところはきちんと見てくれていた。今もミチコを理解し、人より自分を大切にしろとアドバイスをしてくれた。黒沢に好きな人がいたとしても、黒沢が自分のことを保護対象者としてしか見ていなくても、黒沢に気持ちが傾くのをミチコは止められなくなっていた。

前の会社の同僚の結婚式に招待されたミチコは、偶然同じ会社の同僚の男性・最上大地に出会った。年下で可愛い感じの男性で、今までミチコが好きになってきたタイプだった。最上とまた会社でと挨拶を交わし、ミチコは帰宅した。
結婚式から帰ると、喫茶ひまわりに大量の観葉植物が届いていた。どうしたのかと尋ねるミチコに黒沢は常連客の春子という女性から届けられたと嬉しそうに話した。こんなに貰っても置くところに困ると言いながら、植物を見つめる黒沢の目はとても優しい。その黒沢の姿を見たミチコは、女の勘が働き、黒沢が春子のことを好きだと直感した。ミチコが給料日に買って飾っておいた花はもう枯れ始めてみすぼらしくなっていた。自分が買ってきた花には注意を向けてくれない黒沢にミチコはイラつき、ついキツくあたってしまった。晶から、黒沢には好きな人がいると聞いていたのに、実際に目の当たりにしてしまうと深くショックを受けるミチコだった。

ある日会社で残業をしていると、最上が現れ金曜に空いているなら2人で飲みに行こうと誘われた。生まれて初めてデートに誘われたミチコはなぜ自分が誘われたのか考えても疑問しか浮かばず、どう返事をしたものか迷ってしまう。
会社の同僚で、営業担当と仲の良い女子社員に最上の評判を聞いてみると、最上は仕事好きな真面目な男性のようだ。人と人とのつながりを大切にしたいという彼は、会社も同じで結婚式でも偶然出会えたミチコを運命だといい、デートをしようと誘ってきたのだ。
ミチコは黒沢のことが気になり始めていたが、黒沢は春子から贈られた花を大切にしており、その様子を間近で見ていると、自分が黒沢と上手くいくようにはどうしても思えない。だから今誘ってくれた最上に向き合おうと最上の誘いに乗ることにした。
最上とのデートは楽しく、自分もやっと幸せになれるかもと感じるミチコだが、黒沢には男を見る目がないんだから、本当は騙されているのではないか、結婚詐欺なのではないかと、しつこく言われ心配されてしまう。
しかし黒沢の心配をよそにミチコと最上は順調にデートを重ね、ミチコは最上と付き合うことに決め、喫茶ひまわりの2階から引越しをすることにした。

喫茶ひまわりの2階から引越しをしてもミチコが週末にアルバイトすることは変わらない。たまに店に現れる春子と黒沢の関係がミチコは少し気になっていた。ある日、ミチコが会社の昼休憩で外に出ると、偶然、花の配達中の春子に出会い、一緒に昼休憩を取ることになった。そこでミチコは、春子が気取らず明るく朗らかな素敵な女性だと知り、そして春子が結婚することなどを聞いた。
最近、黒沢の元気がなかったことを気にしていたミチコは、春子の結婚が原因だったのかと思い至り、会社終わりに喫茶ひまわりに寄ってみた。黒沢の様子を知るため、黒沢を焼肉に誘ったミチコは、素面では絶対に弱みを見せない黒沢を酔い潰し、春子への好意を白状した一途な黒沢をバカで可愛いと思ってしまった。

ミチコと最上の交際は順調だった。ミチコが黒沢から習った「元気が出るオムライス」を最上に振舞い美味しいと褒めてもらえたり、晶に紹介できたりととても順調だった。しかしある時、最上から週末あまり会えなくなると言われてしまう。ミチコが理由を聞いてみると実家の母親が入院し、さらに父の具合も良くないらしい。かつて大学生に騙されたシチュエーションにあまりにも似ている為、騙されているのではないかとどうしても疑ってしまう。疑いたくなくても疑ってしまう自分を止められず、挙動不審になっているミチコを心配した黒沢はミチコに事情を聞き出す。「お前そいつのことほんとに好きなの?」と黒沢に聞かれたが、すぐに返答することができないミチコは「俺の一言くらいで不安になるなんておかしい、そんなに信用できないような奴ならやめとけ」と言われ、返す言葉が出なかった。自分が最上を好きなのか、それともただ幸せになりたいだけなのか、自分の気持ちがわからないダメぶりに落ち込むミチコだった。
週末、両親の介護で忙しい最上が帰省を早く切り上げて会いに来てくれた。最上を信じようと決めたものの、咄嗟に最上を拒絶してしまった。ミチコの態度に不安を感じた最上は次の週末に喫茶ひまわりにやってきた。そこで、黒沢とミチコの仲の良い様子を見て落ち着かない気持ちになった。そして会社で仕事中のミチコにいきなり婚約指輪を渡し、婚姻届まで持ってきてプロポーズをした。これはきっと騙されているに違いないと確信したミチコは婚約指輪を最上に返すことを決意する。「自分の男ぐらい自分で決めろ」と以前黒沢に相談した時に言われていたため、誰にも相談しないで指輪を返すことにしたミチコ。最上に指輪を返すと、最上は素直に受け取り落ち込んだ様子で帰っていった。きっと賠償金やら何らかの金銭を要求されると思っていたミチコは最上の様子に困惑した。自分は間違っていたのか、本当は騙されていなかったのではないのか、混乱するミチコの様子に心配した晶はミチコを飲みに誘い、現状を聞いた。自分のことばかり考え、最上のことを想う気持ちが伝わらないミチコに晶は「そんな中途半端な気持ちで結婚しなくてよかったじゃん」と慰めた。
会社で最上の両親の具合が本当に悪かったことを聞いたミチコは、騙されてはいなかったのだとわかり、最上に謝罪しようとする。最上は具合の悪い両親に少しでも早くお嫁さんを見せてあげたくて焦ってしまったことなどをミチコに謝罪し、友達に戻りたいと言った。最上を疑い、自分の気持ちも何処に向かっているのかよくわからないミチコはその言葉に頷く事しかできなかった。

ミチコと別れた最上は、会社で元気がなく、ミチコと会っても視線を逸らすようになってしまった。最上は別れた責任は、焦った情けない自分にあると自分を責めて落ち込んでいた。別れても友達としての関係は続けたいミチコは、元気のない最上にミチコは、私が悪かったのだからそんなに自分を責めるなと元気づけ、友達として支えになると笑顔で語りかけた。その言葉に最上の表情も和らぎ、気持ちを切り替え、ミチコと良い友人関係になった。
会社に新しく入った新人・門真と話している時、ミチコは人によく見せようと無理をする傾向にあると指摘された。無理をしなくても付き合える人がきっと現れると門真はミチコを励ましてくれた。黒沢に最上と別れたことを報告したミチコは、もうこんな自分は嫌だ、と本音を語り、泣き出した。そんなミチコに困った黒沢はミチコを映画に連れ出し、元気づけてくれた。そんな黒沢だからミチコは疲れるといつも黒沢に会いたくなってしまう。門真に言われた「無理をしなくても付き合える人」にはもう出会えているものの、その黒沢が自分のことを全く意識していないことも知っており、自分に次の恋はあるのかと、不安に思うミチコだった。

その時、偶然に男性と一緒にいる春子に出会った。その男性は黒沢の兄で春子の婚約者だった。黒沢を含め4人でお茶をすることになったが、黒沢の兄の態度は甚だ悪く、黒沢を煽るようなことばかりを言う。最後には黒沢が春子を好きだったと春子の前でバラし、黒沢を挑発するような発言をした。黒沢が兄に殴りかかろうとするところをミチコが止め、事なきを得るが、ミチコの黒沢の兄に対する印象は最悪なものになった。
あれ以来沈んだ様子の黒沢を励ますために、元気が出るオムライスを作るとミチコは厨房に立った。そのオムライスは、黒沢の祖母が元気のない黒沢を元気づけるためにいつも作ってくれたもので、黒沢はミチコが落ち込んだ時にもオムライスを作ってあげていた。元気の出るオムライスを作りながらあんな嫌な事を言う兄よりも黒沢の方がずっと好きだし、春子に似合っているとミチコは力説する。春子と兄の結婚式に参加して奪って来いとミチコは黒沢に気合を入れた。ミチコのむちゃくちゃな励ましに呆れるものの、言いたい事を言って区切りをつけなければいけないと、黒沢は結婚式に参列することを兄に伝えた。
それを聞いた春子はミチコにお礼を言い、黒沢の兄が嫌な態度をとった理由を説明した。黒沢の兄は黒沢を嫌っているのかと問うミチコに春子はむしろ逆でとても大切にしていると話した。ただ、素直じゃない弟をいじったり、それで弟に怒られたりするのが大好きなドMなのだという。4人で会った時の黒沢の兄の態度は、結婚式を欠席するという黒沢を出席させるために、あえて嫌な言動で黒沢を煽り、出席させようとしていたのだ。
黒沢の兄が本当は黒沢を大切にしていることがわかったミチコは、兄の悪口を言い黒沢を挑発するようなことを言ってしまったことを黒沢に謝った。そして、春子への思いで前に進めずにいる黒沢が奪うにしろ諦めるにしろ早く前に進めればいいと願うのだった。
黒沢は兄の結婚式に参列し、春子に長年の思いをようやく伝えることができた。あまりにも簡単に言った黒沢に兄は「せっかく嫌な感じに煽ってあげたのに」と言い、だからもっと募る想いを吐き出せと言ったが、黒沢は2人の結婚を祝うことで長年の思いに区切りをつけることができた。

黒沢自身は春子の結婚と告白によって気持ちの整理が出来たが、元カノ晶の方にはまだわだかまりがあるとミチコから伝えられていた。クリスマスに彼氏もできず晶と2人やさぐれ飲み会を開催しようとしていたミチコは同日に喫茶ひまわりでクリスマスパーティーをすると聞き、晶を連れて参加した。晶は「大嫌い」と公言していた喫茶ひまわりに来るのは皿を割った時以来だった。当時のことを黒沢に謝罪し、黒沢は「幸せにしてやれなくて悪かった」と別れる時に言えなかったことを晶に伝えることができた。
黒沢も晶もいろいろな思いに区切りを付けようやく前に進めるようになった。

クリスマスの日、実はミチコの誕生日でクリスマスパーティーでそれを知った黒沢はミチコにプレゼントをくれるという。30歳を前に、実家の親から来月までに彼氏を作らなければ見合いをさせると言われ、ミチコは追い詰められていた。そこに、黒沢から何が欲しいと聞かれ、ミチコは咄嗟に「私と結婚してください」と言ってしまう。自分の言動に焦り色々と言い訳をしてみるが、誰でもいいのではない、黒沢がいいのだと力説しても黒沢からは「お前とは絶対に結婚しない」と断られてしまった。
自分の今後に悩むミチコだが仕事はきちんとしなければいけない。仕事に励んでいると、何故か最上の態度がおかしい。ミチコの顔を見ると青ざめ視線を逸らす。そんな時、晶から最上のことで話があると呼び出された。晶と会ってみると、クリスマスの日、黒沢からはっきりと最後の挨拶を受け取った晶は、黒沢の前では強がっていたものの、道端でうずくまり泣いていた。そこに偶然最上が通り掛り気遣ってくれた。ミチコを通して知り合っていたので、一緒に飲むことにし、そして晶が最上を襲い体の関係を持ってしまったという。晶は一度のつもりだが、後で面倒なことにならないように元カノのミチコに話しておいた方がいいと話したのだという。
会社での最上はまだぼんやりした状態が続いており、ミチコは最上と話をしようと食事に誘った。ミチコに申し訳ないことをしたからしばらく自制するつもりだったのに晶から誘われどうにもできなかったことや、晶のことが気になり始めたことなどを最上は告白した。ミチコは自分のことはもういいし、晶は頼りになる素敵な女性だから最上を応援すると力づけた。

ある日、喫茶ひまわりの買い出しをしていると、品の良い老婆に出会った。その人は黒沢の祖母・薫だった。薫は店の権利を人に譲ることにしたから喫茶ひまわりを閉めてくれと黒沢に言いに来たのだ。黒沢はそれが父の陰謀だと気づくが、入退院を繰り返す祖母に負担をかけたくなくてそれを受け入れる決心をする。春子からは黒沢を心配した父が仕組んだことだと教えてもらえたが、店を拠り所としていたミチコや照井たちは残念でたまらず、落胆する黒沢のことを気遣う。
店が閉店され週末ミチコは暇でたまらない。黒沢の様子が気になるものの何の用もないのに連絡するのは恥ずかしくてできない。黒沢も暇を持て余し、公園でぼんやりしていると、兄がやってきた。兄は、自分が会社を継ぐから弟は自由にするという条件だったのに、店を取り上げることは納得いかないとし、店の権利は買い戻したから店を続けてもいいといった。しかし、父が納得しないうちは再開するわけには行かないと黒沢は再開を拒む。ミチコはそれを聞き、お父さんの説得をするなら手伝うと黒沢を励ました。

ある日、黒沢に会いに店に行くと、黒沢の父が来ていた。黒沢の父は頭ごなしに黒沢を否定し、何のためにこの店をやっているんだと黒沢に問いかける。咄嗟に答えられず、口ごもった時、扉の前で様子を伺っていたミチコが「愛です」と叫びながら入ってきた。黒沢がここでこの店を続けるのはお店とお店に来る人を愛しているからだ、とミチコは力説し、黒沢の父は「店を続けるのならそれなりの目標と信念を持て、逃げるための場所にするんじゃない」と苦言を呈し、帰っていった。これからどうするのかと問うミチコに、時間をかけて説得するから開店はまだ先、と黒沢は言った。
どうにか説得を手伝いたいミチコは、黒沢の父が経営している店の前までやってきた。偶然にも黒沢父に会うことができ、なぜか夕食を一緒に取ることになった。ミチコは黒沢がどれだけ真剣にあの店をやっているのか、あの店を大切にしているのか説明するが、黒沢の父はあまり喋ろうとしない。冷酒を飲んだ黒沢父は突然豹変して泣きながら黒沢について語り始めた。黒沢がどれだけ可愛いのか、どれだけ心配なのか。黒沢と黒沢の父はとても良く似ていて、優しくしようとしてもつい憎まれ口を叩いてしまうようなめんどくさい性格だった。前回店に行った時も本当は、黒沢が本気で店をやるのなら応援すると言いたかったのに、顔を見た瞬間「バカ息子」などと言ってしまい、引っ込みがつかなくなってしまったことなどを話した。ミチコは、父の方が素直にならなければ黒沢は素直にならない、とアドバイスをした。黒沢の父は話を聞いてくれたミチコに感謝し、「店が再開したらあいつを頼む」と言って帰っていった。

数日後、店に現れた黒沢の父は、今なら話を聞いてやるといい、黒沢に話を促すと、黒沢はこの店を続けたいと、父に話した。黒沢の父は、素直に話ができたのはミチコのおかげだと話し、黒沢のように素直じゃない奴はミチコのような素直で面白い子と合うのではないかとミチコを評価した。
無事喫茶ひまわりは再開でき、ミチコや照井たちはまたアルバイトとして働くことになった。黒沢はミチコに感謝の気持ちを示し抱きしめると、真っ赤になって照れるミチコを見て、父に言われた「合うんじゃないか」という言葉を思い出し、ミチコを少し意識するようになった。

ある日の残業帰り、ミチコは不審者に遭遇し、追いかけられてしまった。自宅も知られてしまい、いつまでもガチャガチャと鳴るドアノブと執拗に鳴る呼び鈴にミチコは戦慄する。ミチコは思わず黒沢に助けを求め、黒沢はすぐに駆けつけてくれた。怯えるミチコを安心させるため、黒沢はミチコに寄り添い、ずっと手をつないでくれた。安心したミチコは黒沢に寄りかかったまま寝入ってしまった。安全のため、次の日からミチコは喫茶ひまわりの2階に一時避難することになった。黒沢は怯えるミチコのために警察に付き添ったり、物音がしたら確認に行くなど、ミチコをフォローしてくれる。そんな黒沢に改めて強く好きだと感じるミチコだった。
ミチコが店の2階から引越してからは黒沢が2階に住んでおり、ミチコはその一室を借りることになった。その夜、なかなか寝付けないミチコは物音に気づき、黒沢がまだ起きていることに気づいた。黒沢と話そうとすると、黒沢から一緒にDVDを観ないかと誘われた。黒沢の部屋で隣に座りDVDを見ている時、ミチコは、自分の夢かもしれないけれど、昨夜、手を握ってくれたのかと聞くと、黒沢は「ろくでもない夢を見るな」と言った。しかし今黒沢はミチコの手を握っており、不思議に思ったミチコが顔を上げると黒沢にキスをされた。黒沢がしたことが信じられず、部屋に戻り呆然としてしまうミチコだが、翌朝、黒沢の態度はいつもどおりそっけない。これは黒沢にからかわれているのだとしか思えないミチコだが、優しかったり冷たかったりする黒沢の態度に一喜一憂、振り回されてばかりだった。

しばらくして、警察から不審者が捕まったとの連絡を受けた。警察で確認すると、ミチコを襲った人物だった。これでミチコはアパートへ戻ることになった。黒沢と暮らせなくなることを残念に思いながら仕方なく荷物をまとめて出ていこうとするが、ミチコは躓き転びそうになったところを黒沢に腕を引いて助けてもらい、ここに居ていいと言ってもらえた。

黒沢が風邪をひいて寝込んでしまった。この機会に黒沢に好きになってもらおうとミチコは張り切って看病する。店は休みにしたのだが、常連さんがやってきてしい、そのまま返すのも忍びなく、ミチコがお茶を振舞うことにした。何気なく店に降りてきた黒沢はミチコが常連客と和やかに会話し、店を切り盛りしている姿に驚いた。アルバイトの照井たちも口々にミチコの働きぶりを褒める。照井は、上司と部下という立場を気にしてミチコへの気持ちを抑えているように見える黒沢に、そのようなことは気にしなくてもいいのではないかと意見した。
黒沢に優しくされたり冷たくされたり、黒沢の気持ちが良くわからないながら、ミチコは黒沢に振り向いてもらおうとアピールを続ける。そこへ黒沢から看病のお礼に出かけようと誘われる。いいお店でA5ランクのお肉を食べさせてもらいまるでデートみたいと浮かれるミチコに黒沢はこれはデートだと言い、本気に受け取っていいのかミチコは迷う。映画に行こうとすると、最上と晶に会った。2人は付き合うことになっていたのだ。ホラー映画が苦手なミチコに意地悪でホラーを見せようとする黒沢に最上は、ミチコには幸せになってもらいたいから意地悪はするな、と言う。ミチコは晶から黒沢を幸せにしてやって、と頼まれた。黒沢にはなんでもいいたい事を言って大丈夫だから、と晶から助言を受けたミチコは、今までずっと考えていたことを打ち明けた。「私、主任が好きです」と言ったミチコに黒沢はそっけなく「知ってる」と返す。「ご静聴ありがとうございました」と踵を返そうとするミチコを抱きしめる黒沢に、自分はこういうことに慣れていないからこんなことされると黒沢が自分のこと好きなんじゃないかと勘違いしてしまうと泣き出した。すると黒沢は勘違いじゃないと答えてくれた。

黒沢と付き合うことになり、幸せいっぱいのミチコだが、今までさんざん親に借金をしフラフラしていたため親からの信用は全くない。彼氏ができたといっても信用してもらえない。見合いをさせようとする父親にミチコは反発する。ある日ミチコを心配する父親が会社にやってきた。黒沢とのことをきちんと話すが父親は黒沢のことも信用せずミチコを実家に連れ戻そうとする。仕方なく喫茶ひまわりに父を連れて行き、黒沢に会わせるが、暴言ばかり吐く父にミチコは平手打ちをし「お父さんの顔なんか二度と見たくない」と言ってしまった。
黒沢はミチコを連れてミチコの実家まで行き、両親にこれまでの事情を説明した。父と2人でじっくりと話したミチコは父と和解することができた。父はミチコに黒沢から結婚を断られた話を聞いており、黒沢のことを誤解していた。黒沢は、今まで結婚するつもりが無かったが、ミチコとだったら迷惑かけたりかけられたりしながら楽しくやっていけるかも知れないと考えていることを話した。父は、後は2人でゆっくり考えろと黒沢とのことを認めた。

ミチコの実家から戻り、日常が戻ってきた。改めて今までのことを振り返ると貢ぎまくってどん底だった時期に黒沢と会えて本当に良かったと、心底思うミチコだった。

『ダメな私に恋してください』の登場人物

柴田 ミチコ(しばた みちこ)

B94425 320

資格なし、特技なし、貯金なし。貢ぎ体質の残念な29歳。12月25日生まれ。イシャレンジャーという戦隊モノにハマり、追っかけで全国を回った。合コンでイシャグリーンそっくりな大学生に出会い、借金をしてまで貢いでしまった過去がある。
男に貢ぎまくりどん底の生活の時に元上司の黒沢歩に再会し、喫茶ひまわりで働くことになった。
再就職先の同僚、最上大地と付き合うものの、大学生に騙されたのとそっくりのシチュエーションが起こり、最上を信じきれずに破局。傷心の時、新しいキャラクター美食戦隊グルメンズにハマる。
黒沢に面倒を見てもらいながら生活し、その優しさに惹かれるようになり、紆余曲折を経て、黒沢と付き合うことになった。

黒沢 歩(くろさわ あゆむ)

Comic 02

脱サラして喫茶店のマスターになったミチコの元上司で主任だった。営業の悪魔と言われるほど仕事に厳しく、ミチコにはいつも辛くあたった。どん底だったミチコを拾い、その時のことを言われ反省し、ミチコを自分の店に雇うことに決めた。
貢ぎ体質で男に騙されてばかりのミチコを放っておけず、店の2階に住まわせ面倒を見る。
兄の婚約者・春子に長い間片思いをしていたが、ミチコに背中を押され告白し気持ちに区切りをつけることができた。
生意気で気に障ることばかり言い、面倒ばかりかけるミチコのことは何とも思っていなかったが、いつしか、明るく素直なミチコに助けらていることに気づき、好意を持つようになる。
元ヤン。

黒沢 一(くろさわ はじめ)

Damekoi kurosawaani3 manga

黒沢歩の兄。春子の婚約者。俳優を目指していたが、弟に自由を与えるため、父の事業を継ぐことを決意した。弟が大好きなのだが、愛情のお裏返しでついいじめてしまう。
ドМのブラコン。

黒沢 春子(くろさわ はるこ)

Character 04

黒沢歩の思い人。花屋を経営しており、喫茶ひまわりにも度々花の押し売りに来ていた。黒沢一とは高校の演劇部で知り合い、弟・歩が中学生の頃からの知り合い。一との結婚を機に花屋を辞めた。

晶(あきら)

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黒沢歩の元彼女。7年付き合っていた。黒沢に好きな人がいる事を知っていたが、2番目でもいいから付き合ってくれと包丁を持ち出して脅し、同棲までこぎつけた。
しかし、黒沢が喫茶ひまわりを開店させると別れることになった。
高級下着店に勤めている。
別れた後もずっと黒沢が好きだったが、自分が落とせなかった黒沢がミチコに落とされるのならばいいとミチコを応援する。
クリスマスの時、黒沢にはっきりと別れの言葉を告げられ、落ち込んでいたところをミチコの同僚最上と出会い、一夜を過ごす。それから最上の猛攻撃を受け、最上と付き合うことになった。

最上 大地(もがみ だいち)

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ミチコの会社の同僚の営業担当。真面目な性格で仕事が大好き。残業代が出ない会社でも嫌がらずに残業する。人と話すことが好きで、人との絆を大切にしている。残業をするミチコを見初め、友人の結婚式で偶然出会えたことを運命とし、ミチコに交際を申し込む。ミチコの初カレになったのだが、結婚詐欺師と疑われ、破局。その誤解は解けミチコは謝罪したが、出会うタイミングが悪かったと2人は友人に戻った。
クリスマスの日、顔を伏せている女性を介抱しようと声を掛けるとミチコの友人・晶だった。なりゆきで一緒に飲みに行き、その後晶に襲われ一夜を共にする。その後晶を忘れられず、猛攻撃を仕掛け、晶と付き合うことになった。

『ダメな私に恋してください』の名言・名シーン