ヨルムンガンド(Jormungand)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ヨルムンガンド(Jormungand)とは、日本の漫画家・高橋慶太郎の作品。2006年5月に『月刊サンデージェネックス』(小学館)で連載が開始され、2012年2月に最終話を迎える。戦争で両親を殺されたヨナは、武器を売る武器商人を憎んでいた。しかしヨナは、ある事情から武器商人ココ・ヘクマティアルの部下として働くことになる。ココと彼女の仲間たちと共に世界を旅する物語が幕を開ける。

『ヨルムンガンド』の概要

日本の漫画家・高橋慶太郎の作品。
2006年5月に『月刊サンデージェネックス』(小学館)で連載が開始され、2012年2月に最終話を迎える。
テレビアニメ第1期は2012年4月から6月まで、第2期は2012年10月から12月まで、放送された。
武器を憎んでいる少年兵が武器商人と共に旅をする物語。
戦争で両親を殺されたヨナは、武器を売る武器商人を憎んでいた。
しかしヨナは、ある事情から武器商人ココ・ヘクマティアルの部下として働くことになる。
ココと彼女の仲間たちと共に世界を旅する物語が幕を開ける。
武器商人の商売道具として銃やミサイル、兵器などが登場し、政治的な思惑も孕んだ駆け引きなども描かれている。
武器商人でありながら世界平和を目指すココの真意も気になるところである。

『ヨルムンガンド』のあらすじ・ストーリー

”僕は、武器商人と旅をした”
ヨナは戦争で両親を殺され、武器を売る武器商人を憎んでいた。
しかし、運命の悪戯で武器商人ココ・ヘクマティアルの護衛として働くことになる。
そんな中、ある国の軍と商談をしていたココだが、それを妨げようとする勢力に命を狙われる。
尾行してきた連中を返り討ちにするココたち。
その後、ヨナはココに「ココはなぜ武器を売る?」と問いかける。
ヨナの問いに対してココは、武器を売る理由を「世界平和のために」と答える。
ヨナとココの物語はここから始まる。

ココたちは取引相手のポルック少佐のもとに武器を運搬していた。
取引の際、ココはポルック少佐に武器の追加注文をしたいと商談を持ち掛けられる。
そこに顔見知りのCCAT社カリー社長が現れ、3人で商談の話をすることになる。
後金での契約を渋るココらに武力をちらつかせて強引に調達させようと目論むポルック少佐。
ココは引き受けたフリをし、逃げようとするが、ポルック少佐に逃げないよう監視役を付けられる。
ココは監視役を拘束し、その場に放置して逃げる。
その後、ココたちはカリー社長と偶然再会することになる。
カリー社長も監視役付けられていたらしいのだが、部下のミルドがを監視役を斬ってしまったため、ココたちは巻き添えを喰らい追手に追われることになる。
追手が来たため、ココはカリー社長に「我々が先に出て突破口を開きます。」と伝えるが、実際はカリー社長たちを囮にしココたちは無傷で難を逃れる。

治安が良い国に訪れたココたち。
だがココはバルメと買い物中、殺し屋集団「オーケストラ」の生き残り、師匠(本名不明)とチナツに襲撃を受ける。
仲間たちの援護で危機を脱し、ルツの正確な射撃で師匠を仕留める。
師匠を射殺されたチナツは復讐するため、街に潜伏しココの命を狙うが、ココは先にチナツの居場所を突き止めて対峙することになる。
チナツを気に入りだしたココはチナツを雇おうとするが、銃口を向けられたため監視していたレームが射殺した。

ある時、ココの実兄キャスパー・ヘクマティアルがココのもとを訪ねてくる。
ヨナとキャスパー合わせないようにするココだが、トイレで再会してしまう。
いきなりキャスパーにナイフを突きつけるヨナだが、キャスパーの護衛のチェキータに取り押さえられる。
その後、少年兵ヨナとキャスパーの出会いにさかのぼる。
ヨナは元山岳兵で、部隊にいた頃は孤児達の世話役をしていたが、孤児の1人であるマルカを殺されたことを激怒し、部隊を全滅させる。
その後キャスパーに捕らえられたヨナは、”孤児たちが安全な生活が出来ること”を条件にココの部下として働くことになる。
話の中でキャスパーは、ヨナの両親を殺した部隊に武器を提供したり、孤児のマルカが死んだことにも関わっているため、ヨナから恨まれている。

香港貿易商「大星海公司」専務の陳国明と商談するココ。
同じころ、ココの部下たちは陳国明の部下たちと戦闘を繰り広げる。
そんな中、バルメは陳国明の部下カレン・ロウの戦闘スタイルを見て、過去に自身の部隊を壊滅させた仇の姿を思い出す。
商談も戦闘もココたちが勝利する。
商談後ココは命を狙われるが、スケアクロウの助けを借り無傷でその場を去る。

ロンドン入りしたココは、UAV(無人航空機)市場に参加する。
そこで元舞台女優アマーリア・トロホブスキーとユーロ製UAVを納入する取引を巡り、対立することになる。
ココはトロホブスキーの根回しの速さで一時は劣勢に立たされるも、策略を駆使し、反撃にでる。
その後、トロホブスキーとの直接交渉に出向き、商談をモノにする。

HCLI本部の命令でT共和国に人道支援団体ODH(人権のため発言する医師団)メンバーと商品を運ぶことになったココたち。
取引相手のT共和国空軍大尉と話している最中、犯罪民兵組織バルドラ(バルカン・ドラゴン)が乗り込んでくる。
バルドラのリーダーがODH医師長レオン・リビエールを撃ったことから戦闘になる。
民兵を撃滅したココたちだが、リビエールがバルドラのリーダーに拉致されてしまう。
ココたちはODHメンバーを送った後、リビエールの救出に向かう。
その後、無事リビエールの救出し、捕らえたバルドラのリーダー(賞金首500万ドル)をスケアクロウに500万ドル売りつける。

ある日、バルメがココたちのもとからいなくなってしまう。
バルメは陳国明が部隊を壊滅させられた仇だと知り、復讐するため敵地に一人で向かっていた。
しかし、ヨナもバルメの後を追って来ていた。
バルメはヨナのためを思い帰るように言うが、ヨナはココのために来たという。
ヨナとバルメが不在の中、ココたちは殺し屋ドミニク一味から命を狙われるが、返り討ちにし、雇い主の名を聞き出す。
バルメはヨナに睡眠薬を混ぜた食事を食べさせ一人で敵地に乗り込もうとするが、ヨナは気力で起き上がり、バルメのサポートに向かう。
陳国明のところまでたどり着いたバルメは決闘し、復讐を果たす。
しかし、バルメは追ってきたカレン・ロウに撃たれしまう。
一命を取りとめたバルメはココのもとに戻る。

あるレストランで、CIAのジョージ・ブラックと密会をするアールの姿があった。
アールはブラックにスパイとしてココの分隊に送り込まれていた。
そんな中、ココと因縁があるブラックの部下ヘックスはココに絶望させるためにヨナを殺害するを企てる。
しかし、ブラックはそんなことは望んでおらず、止めようとするもヘックスは命令を無視し暴走する。
ココとヨナは、二人になったところをヘックスらCIA部隊に襲撃される。
アールが助けに入り、ココとヨナを守り抜くがヘックスに撃たれ命を落とす。
ココはアールが殺されたことに激昂し、ヘックスに報復する。

ココたちとキャスパーたちは仕事のため日本を訪れる。
仕事の前にキャスパーは、ヨナに孤児の子供が日本で安全に暮らしている姿を見せに行く。
約束守るキャスパーにヨナは、信用できる男だと思い始める。
キャスパーは自身の仕事を邪魔のはSR班だと睨み、殲滅するためココの分隊に仕事のサポートを依頼する。
キャスパーは当時の部下であり、現在はココの部下、そして元SR班だったトージョに調べるように言う。
依頼を引き受けたトージョは、仕事を開始する。
その後、SR班に商談を持ち掛けられ、それぞれの場所に行くココたちとキャスパーだが罠にハマり戦闘になる。
結果はHCLI社の勝利で幕を閉じる。

仕事のため、車で移動中のココたち。
車内ではワイリの過去で盛り上がる。
そんな中、ココは商品の運搬をエクスカリバー社に頼んでいたが、民間人を撃ち殺す犯罪者まがいの組織だったため、彼らをクビにする。
しかし、逆恨みしたエクスカリバー社のメンバーは、引いたふりをし、ココたちを襲撃する。
だが想定内だったココたちは、彼らを返り討ちにする。

ココはDr.マイアミのためにメルヒェン社・第二のオモチャ工場を100%出資で新設する。
しかし、オモチャ工場というのは表向きで、本当の目的はココとDr.マイアミにより生み出された”ある計画”を推し進めるための施設であった。
ココは”ある計画”の名称を「ヨルムンガンド」と名付けることにした。
その後、ココは「ヨルムンガンド計画」に必要な人材として量子光学の権威エレナ・バブーリン博士を誘拐する。
しかし、ルツはココの任務の方針に疑問を抱くようになる。
更にココは、人材を集めるため物理学者レイラ・イブラヒム・ファーイザ博士も誘拐しようとするが、それに気づいた米国海軍中佐トリー・プレイムは極秘部隊「ナイト・ナイン」を使い、阻止しようとする。
ココはナイト・ナインと戦闘中の仲間を支援するため、ヨルムンガンドの片鱗を発動させ、プレイムにナイト・ナインの撤退を判断させる。

港の降り立ったココは「ヨルムンガンド計画」の内容を仲間たちに打ち明ける。
計画にはHCLI社が打ち上げた126個の衛星と、Dr.マイアミたちが開発している量子コンピュータを使用するとのこと。
まず、人間が利用している空の空間(一般航空・軍事航空・ミサイルなど)を強制的に利用禁止する。
その後、空・海・陸の順の人間の行動制限、そして地球上の物流の完全制御により「強制的世界平和」を作り出すのだという。
最終目的は人間と軍事を切り離すことだと語るココ。
それ対して、ヨナは計画を発動することで「何人死ぬの?」とココに問いただす。
ココは「たった70万人それがどうかした?」と返す。
ヨナはココに銃口を向けて、「ココは間違ってる。」を言う。
そして、意見の相違からココの分隊から離脱してしまう。
その後、キャスパーのもとで働くことになる。
一方ココはヨルムンガンドの力を使い、ジョージ・ブラックとトリー・プレイムを意のままに操ろうとする。
情報の世界で神となっていくココ。
二年後、ヨルムンガンド二つ目の頭脳が宇宙に向けて打ち上げられる。

ヨナは二年間キャスパーのもとで働いていたが、やめることを決断する。
キャスパーはヨナの決断に理解を示し、あっさり離脱を承諾する。
ココのもとに戻ったヨナは「ヨルムンガンド計画」に対して反対する意思を伝え、ココの元を去る。
ヨルムンガンドが発動されたところでこの物語は終わる。

『ヨルムンガンド』の登場人物・キャラクター

HCLI社(ヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門/ココ・ヘクマティアル率いる分隊)

ココ・ヘクマティアル(Koko Hekmatyar)

CV:井上麻里奈 / 伊藤静

HCLI社ヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門の現場担当の一翼を担う。
海運の巨人と称されるフロイド・ヘクマティアルの御曹子である。
銀髪に碧眼をもつ20代前半の白人女性。
仲間からは「お嬢」と呼ばれる。
少女時代から武器商人としての仕事をしていた。
本人曰く、武器を売るのは「世界平和のため」だと言う。
ヨナを大層気に入っている。
ココを守るため死んでいった仲間のエコーは常日頃からココに対して「ボスとは常に笑っているべきだ」と言っていた。ココはエコーの言葉を胸に抱き、笑顔を絶やさないようにしている。
学校に通った経験はないらしいが、実業家としてのビジネスマナーに加えて高い教養を備えている。
欧州の言語は全て話せる上、その他の言語も身に付けている。
ビジネスマナーをわきまえない相手には容赦がない。
酒癖は悪く、酔うと仲間にプロレス技をかける。
Dr.マイアミと共に”ヨルムンガンド計画”を推し進める。

ヨナ(Jonah/本名:ジョナサン・マル)

CV:園崎未恵 / 田村睦心

西アジア某国の山岳部隊出身の元少年兵。
戦争で両親を殺され武器を売る武器商人を憎んでいるが、その一方で武器を持つ頼もしさを知っている。
銀髪と浅黒い肌をした西アジア系の少年。左目の下に切り傷の痕がある。
口数の少なく無愛想で無表情だが、時折見せる笑顔には子供らしい可愛らしさがある。
ココや仲間たちからは「ヨナヨナ」「ヨナ坊」などと呼ばれている。
ヨナが作るタマゴ料理はかなりマズいらしい。
部隊にいた頃は孤児達の世話役をしていたが、孤児の1人であるマルカを殺されたことを激怒し、部隊を全滅させる。
その後キャスパー・ヘクマティアルに捕らえられたヨナは、”孤児たちが安全な生活が出来ること”を条件に武器商人ココ・ヘクマティアルの部下として働くことになる。
基地育ちのため学校教育を受けておらず、ココの仲間たちから勉強を教えてもらうが、毎回逃げ出そうとする。
注射が怖いらしく、お尻の中に入ったままの弾丸を長い間手術もせずに放置していた。そのため空港の金属探知機に引っかかる。
「ヨルムンガンド計画」を推し進めるココに、反対し隊を離脱する。
その後キャスパーのもとで働くことになるが、2年後ココのもとへ戻る。
武器はFN FNC パラライフルとFN ハイパワー Mk.3を使用。

レーム(Lehm/本名:レーム・ブリック)

CV:石塚運昇

ココ・ヘクマティアルがオーナーを務める民間軍事会社PMCの社長を務めている。
元デルタフォース(対テロ作戦を遂行するアメリカ陸軍の特殊部隊)。デルタフォース時代には「レーム・ブリック」と名乗っていた。
40前後の白人男性。飄々とした性格。
喫煙者で、車内で平気で煙草を吸う。
ココが率いる分隊のリーダー的存在であり、戦闘では司令塔としての役割を担っている。
「おもしろいから」と言う理由でココの護衛をしている。
スナイパーとして一流の腕を持ち、ルツも一目置いている。
ソマリア内戦及び湾岸戦争に従軍経験があり、ココの父・フロイド・ヘクマティアルの護衛を務めたこともある。
ヨナを兵士として高く評価するが、少年兵らしい捨て身の戦術には苦言を呈する。
相手に反撃する暇も与えないような一方的な「殺し」こそが兵士としての理想だと語る。
敵が子供でもためらいなく引き金を引き、戦闘に快楽を見出すタイプには愛想を尽かす。
チェキータとは、結婚と離婚を繰り返しているという。
武器はコルト M733、レミントン M24、H&K Mk.23などを使用。

バルメ(Valmet/本名:ソフィア・ヴェルマー)

CV:藤村歩 / 大原さやか

元はFRDF UNFID(フィンランド緊急展開部隊所属 国連D国派遣軍)の機械化猟兵中隊中隊長で階級は少佐。
祖父の代から続くフィンランド軍人の家系の生まれ。
フィンランド人女性。
右目に眼帯をし、豊満な胸に持ち、長身で筋肉質な体にタトゥーを彫っている。
年齢は30歳前後。
冷静沈着な性格だが、ココの前ではよく取り乱す。
ココの言動には肯定的で、批判的な言動には敵意を剥き出しにする。
仲間からは「アネゴ」と慕われている。
ナイフの腕は一流。タバコ嫌い。
FRDF UNFIDに所属していた頃、派遣先のアフリカで部隊を壊滅させられ、その時に右眼を失う。
基地に収容されていた時、ココと出会ったことをきっかけに、ココのもとで働くことになる。
武器は基本ナイフ。グロック17、ステアー AUG A1、ミニミ軽機関銃なども使用。

ルツ(Lutz)

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@prpr_senpaic0

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